【会話ブログ】私には王の一言よりも価値があるわね | 【会話ブログ】

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あなたにとってフルーツの王様は? ブログネタ:あなたにとってフルーツの王様は? 参加中


「なぁ、ドリアンって食べた事あるか?」

「ええ、それがどうかしたのかしら」

「えっ?あるのか?どうだった?」

「何を突然興奮しているのか分からないけれど、どうもこうもないわよ。ドリアンはドリアンの味しかしないんじゃないかしら」

「いや、そうじゃなくて……何かの味に近いとかどんな食感だとか、そういうのを訊きたいんだけどな。何しろフルーツの王様って言われてるわけだし」

「分かったわ、私がフルーツの王様と浮気したと思って取り乱しているのね。あなたが私に別れを告げられたら生きていけないと思う気持ちは分かるけれど、あまり何でもかんでも擬人化していては疲れてしまうわよ。世の中には様々な嫉妬があって、いつもいつも恋人の肌に触れている衣服に嫉妬したり、自分が知らない時間を共に過ごしてきた家族に嫉妬したり、好きな食べ物や好きなゲームなどに嫉妬したり、果ては少しでも自分以外の事を考えているだけでも嫉妬心が燃え上がってしまう人がいるのよ。腹立たしいわね。どうしてそんな想いになったりするのかしら。本当に腹立たしいわ。何がどうなっているのかしら。腹立たしい」

「お、おい、大丈夫か?今のはもしかして自分の事を言ってたんじゃないだろうな……そこまで想われるのは嬉しいけど、気にしてたら辛くなるだけだと思うぞ……」

「あら、何のことかしら。単なる例え話を分かりやすく伝えただけじゃないの。言わば例え話を擬人化して、自分の事のように話してみたのよ。それで結局何が訊きたいのかしら?腐ってしまった会話のような臭いに包まれてあなたの質問がさっぱり分からないわ」

「いや、言ってる意味がよく分からないけど……まぁとにかくドリアンがどんな味でどんな食感だったのかを知りたいんだ。後は臭いだな。食べた結果として美味しいのか不味いのかも訊きたいし」

「あらそう。そこまで気にしているのに自分で食べようとはしないのね。そんな事よりどうしてヤミ金融で被害に遭っている人が大勢いるのに借りる人がいるのかしら。背に腹は変えられないと言うけれど、確実に危ない橋を渡っている事には違いないわね。でも話によるとあれは全て違法の金利だし、踏み倒してしまっても全く問題が無いそうよ。だから毎日取り立てられたり脅されたりする事に耐えられる精神力の持ち主ならば、借りるだけ借りて返さないという方法も可能なのかしら」

「……えーと、今はドリアンの味について話してたはずなんだけど……」

「しつこいわね。要するにそういう味よ。あなたにとっては世界のどこかで巻き起こっている事実、というカンジね。確実に食べている人が世界のどこかにいて、あなたはその世界に恐れて足を踏み入れていない状態よ」

「なんて分かりづらい例えなんだ……まぁでも臭いのウワサが挑戦するのを躊躇させてるのは否定出来ないな。空港に持ち込み禁止とか言われてたり、ホテルに持ち込み禁止と言われてたり、とにかくスゴイみたいだ、ってイメージがかなり膨らんでるぞ」

「あらそう。でも納豆とかチーズとかも慣れているかどうかの差だけだと思うわ。鼻というのは五感の中で最も鈍い器官だもの。悪臭の中にいてもすぐに慣れてしまって感じなくなる機能を備えているのよ。周囲の人が呼吸困難になるくらい大量に香水をつけている人がいるのはそれが理由よ。自分では慣れてしまって感じないわけね」

「なるほど。いつも嗅いでれば鼻は慣れるのも感じなくなるのも早いわけか」

「ええ、そうね。そうでもしないと臭くて気持ちが悪くなってしまう状況というのが意外とたくさんあると思うわ。あなたの事よ。そしてあなたも私の事をそう思っているんでしょうね」

「おい!僕がクサイって言いたいのか?それに僕はお前の匂いは大好きだぞ!近くにいてくれるだけで安心して幸せな気持ちになるからな」

「……違うわよ。あなたの言葉よ、って言ったの。クサイ台詞ばかり言ったりして、いつも聞いている私でも慣れないというのに、周囲にはとても聞かせられないわ」

「うっ、でも好きな気持ちを正直に伝えてるだけだし……って、こういう事も言わない方が良いのか……?」


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