ラジオネーム「恋するウサギ（仮名）」さんより
「先日のリクエストの件だけど、質問が来たぞ」
「あらそう。どこの誰だか分からないけれど、暇な人がいるのね」
「こら！そういう言い方をすると誰もリクエストしてくれなくなるぞ！」
「うるさいわね。冗談よ。そもそも私がリクエストを聞いてきたのよ。どうしてあなたが手柄を横取りするような発表を始めたりするのかしら、腹立たしい」
「うっ、まぁ確かにそうだけど……でも僕が言う方がしっくりくるかな、と思って……」
「……しかもお礼の返事まで言わされて全く面倒な時間を過ごすハメになったというのに……」
「おい、絶対に声に出しちゃいけない言葉が口から出てるぞ」
「あら、口から出ているのがいつも本心だと思ったら大間違いよ。もちろん今のような小声での独り言は限りなく本心である可能性が高いでしょうけれど、誰にも確かめる事は出来ないわ」
「だったら余計な補足を言わなきゃ良いのに……えーと、でもリクエストはホントにいつでも受け付けてるので何でもどうぞ！」
「ハロー！両利きで更に冬生まれ、二人でいつもイチャイチャしやがって、のハイジが登場かも！」
「お、ハイジも来たか。って、何を言ってるんだ？」
「んー？リクエストの内容が【三人の利き腕】と【生まれた季節】と【お互いの今の印象】なんだよ。だから答えた次第かも。そうなのかも？違うかも」
「あら、どこから情報が漏れたのかしら。ひょっとしてハイジもリクエストを聞いた時に近くにいたんじゃないでしょうね」
「っていうか簡潔に答え過ぎだぞ！これじゃ会話にならないじゃないか！」
「ぴー！口から出ているのがいつも真実だとは限らないんだよ！今みたいにスラスラ淀みなく答えるのはかえって怪しいのかも？そこをしっかり確認するのがミッキーの役割であり役目であり役得なんだよ」
「二人して普段から全然ホントの事を言ってないような口振りなのが気になるけどな……じゃぁまず【両利き】ってのはホントなのか？」
「んー？右手で鉛筆も持てるし、左手でも持てるかも。箸とお茶碗を右手で同時に持つ事も出来るし、左手で持つ事も出来るんだよ！両利きとしか言いようがないかも？そうなのかも。そうに違いないのかも」
「僕達は五体満足で生まれてきたわけだし、両手で持てるのと利き腕とは別の問題だと思うぞ！っていうか箸と茶碗を同じ手で持って何をするつもりなんだ？」
「むむっ？空いた手でお茶を注いでお茶漬けにするんだよ。そして飲むように食べるのかも」
「それじゃ結局箸は使わないじゃないか……どうも分かりづらいから鉛筆の方が良いな。実際に字を書く時はどっちで鉛筆を持つんだ？」
「んー？ちゃんと鉛筆が削れていれば右手でも左手でも字は書けるんだよ。それが当たり前かも」
「いや、だからそういう意味じゃなくて……」
「しかもあなたには意外かもしれないけれど、ハイジは口に咥えて字を書く事も出来るわよ。両利きどころか魔の三角地帯というわけね。中に入ると利き腕を取られてしまうわよ」
「設定がシュール過ぎて何を言ってるのか分からないぞ！授業中はどっちの手でノートに字を書いてるんだ！」
「んー？まだ日本語の右と左の意味が入れ替わってなければ左手で書いてるんだよ」
「そうね。世界の統一見解としての右と左の概念が入れ替わっていなければ私も左手かしら」
「なるほど。簡単に言うと二人とも左利きだったわけか。ちょっと意外だな。ちなみに僕は右利きだぞ」
「書きやすい右手じゃなくて、まだ慣れない左手で書いた方が集中出来るんだよ。その方が授業の内容を記憶しておけるかも！でも最近は左手も慣れてきたから、ホントに口で書く事も考慮する必要があるかも？」
「あらそう。日本語表記の場合は右手で書くと手が汚れてしまうものね。でも英語や数学の時は右手で書いた方が手が汚れないから便利よ」
「あ、あれ？ホントに両手使えるのか？っていうかミニーまで……」
「ええ、そうね。不便を感じたらそこを改善して進歩するのが当然じゃないの。そうしない生き方なんて生きている意味があるのかしら。腕がなまるわよ」
「うっ、これはマズイ展開になりつつある……とりあえず利き腕については判明したので続きは次回……」
「違うわよ。腕が鳴るわよ、って言ったの。あなたが今まで自堕落に向上心なく生きてきた理由について幼少期から現在に至るまでの生活態度や当時の趣味、嗜好なども根掘り葉掘り問いただして検証する事にするわ」
「ちょ、ちょっと、僕が悪かった！勘弁してくれ！」
「むむむっ、やっぱりイチャイチャし始めてしまったんだよ。んー？これはもしかして私が閉めのコメントを担当しているのかも？では次回に続くかも！でもひょっとすると前回が続きかもしれないから油断大敵なんだよ！」
続く
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