「年下は敬語を使わないと失礼だ、とか言う人がいるけど、お前って普段は年上に敬語を使ったりするのか?」
「はっ!そのような事もあるのでありますかも!そうであります!違うであります?」
「いきなり変な口調だな……どこかで何かの訓練でもしてきたのか?」
「むむっ?そんな事もあるのかもしれないですわよね。そうなのかもしれないですわよ。違うかもしれないですわよ」
「何なんださっきから!まさか敬語のつもりで言ってるんじゃないだろうな?」
「んー?何故怒ってるのかわけが分からないんだよ。敬語を使うと丁寧な表現になって、失礼には当たらないと聞いているかも!それなのに怒られるとはとんでもない異次元の世界、要するに異世界にやってきてしまったに違いないんだよ。異世界は全く良い世界ではないのかも。この世界ではむしろ失礼な方が喜ばれているのかも?てめぇ、このミッキー野郎!いつもボケッと特徴の無い顔でつまらない事ばっかり言って突っ立ってると蹴飛ばしちまうぞこの!」
「こら!今のは言葉遣い以前の問題として、言ってる内容が失礼過ぎるだろ!」
「ぴー!これはいよいよ八方塞がりかも!意味では四方よりも八方の方が囲まれているカンジがするけど、漢字にすると八方よりも四方の方が八を更に囲んでるカンジがするのが不思議なんだよ。とにかくもしかしてここは会話をすると失礼になる世界なのかも?という事は言葉を使わず、相手の身体に今の気持ちを直接伝えるしかないんだよ。ポカパカポキカッ!」
「いててててて!スネを蹴るなスネを!口で言ってる効果音のポップさと痛さが釣り合わないぞ!しかも気持ちを伝える行動として蹴りを入れるってのはどうなんだ!」
「………………」
「よし、ようやく落ち着いたか。心配しなくてもここはお前が思うような変な世界じゃなくて……」
「むっ!もう話をするだけで失礼になる世界らしいから黙っていたのに、早速目の前に失礼な人間が現れたかも!こんな失礼な相手でも返事をしちゃったら突然襲い掛かってくるに違いないんだよ。ポカパカポキカッ!」
「お前が僕に襲い掛かってるじゃないか!だからここは異次元じゃなくて、お前がよく知る世界のままだぞ。どうして敬語の話をしただけでこんな事になるんだ」
「んー?そんな事無いんだよ。私の健康状態と安全については全く警護されていない傾向の世界に行ってしまっていたかも。でも戻ってきたならまた試してみる価値があるんですかもです?そうなのかもですかもです。違うかもですかもです」
「だから何なんだよその妙な敬語は……それに友達同士で敬語ってのは逆に敬遠してるみたいで失礼なケースだってあるぞ」
「むむむっ!やっぱり敬語を使ってるのに失礼になる異世界のままというのが正解なんだよ!ポカパカポキカッ!」
「いててててて!余計な事を言わなきゃ良かった!」
「クリックして下さいですわよねです?」
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