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小さなレストラン

 今回は、ハムステッド・ガーデン・サバーブのダウンタウンの小さなレストランを紹介します。


 ロンドンの地下鉄の駅に公衆トイレがなくて困る話を以前しました。一人旅なら何とかなるのですが、このときは港区設計事務所協会の研修旅行のコンダクターの役目を担っていました。自分だけでなく、みんなのトイレ事情も考慮しなければなりません。


 その日は朝9時頃、最寄駅の地下鉄ノーザンラインのゴルダーズ・グリーン駅前のカフェで用を足してから、これまでこのブログで写真を紹介してきたハムステッド・ガーデン・サバーブの住宅街を歩いて来て、その間公衆トイレが一つもありません。したくてもするところがなく、私自身の膀胱がはち切れそうになっていました。


 前回紹介したリッチフィールド・ウェイを歩いて行ったところ、ハムステッド・ガーデン・サバーブの中を走る幹線道路リッテルトン・ロードに突き当りました。その通りが鄙びたダウン・タウンになっていました。そのダウン・タウンなら、飛び込めるレストランがあるだろうと思い、見つけたのがこのレストランです。


 外観写真を撮っていなくて残念ですが、表通りより少し入ったところにある平屋のレストランでした。まだ11時半を過ぎた頃で、昼食をとるには少し早い時間だったからでしょう。席が空いていました。それまで一緒に廻ってきた仲間と一緒にトイレ休息を兼ねて昼食をとりました。


ほんとにここで一息つけました。仲間の顔にもそれが表れているでしょう。

ところが、ここで昼食と一緒にビールを飲んだのが災いして、午後の散策もおしっこが近くなって悩まされることになります。ロンドンでは、昼間にビールを飲むことはかなり危険な行為ですから、心して飲んでください。



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私達は、入口に近いテーブルで食事をとりましたが、上の写真はレストランの奥を撮った写真です。右手に空席がありますが、私達が食事をとりはじめて間もなくこの席もうまり、入ってきたお客を断るほどになりました。ほんとに私達はいいタイミングでこのレストランに入ったことになります。









リッチフィールド・ウェイ

日本の街は、幹線道路か目抜き道路しか名前が付いていません。ところが、ロンドンの街は、どんなに通りが長さが短くても、幅が狭い裏通りに必ず名前が付いています。


四周が道路に囲まれた一団の敷地を「街区」と呼びます。ロンドンの街は多くの街が街区ごとに一つのディベロッパーが開発を行ってきました。そのため、ジョージアン・スタイルで統一されたタウンハウスが立ち並ぶ街区、その隣の街区はヴィクトリアン・スタイルで統一されたタウンハウスが立ち並ぶというように、街区ごとにタウンハウスのデザインが統一されています。そのため、通りが変わるとその通りに面するタウンハウスの建築様式も変わって行きます。通りの名前が変わると街の様子も変わります。通りごとに個性があります。


ハムステッド・ガーデン・サバーブも、通りごとに異なる名前が付いています。

ハムステッド・ガーデン・サバーブには、次にあげるように頭文字がAとBだけでも下記の15の名前の通りがあります。

アディソン・ウェイ

アズマンズ・ヒル

アズマンズ・プレイス

ビッグウッド・コート

ビッグウッド・ロード

ビショップ・アベニュー

ブランドフォード・クロウズ

ブリム・ヒル

ブルックランド・クロウズ

ブルックランド・ガース

ブルックランド・ヒル

ブルックランド・ライズ

ブルンナー・ライズ

バンカーズ・ディップ

バンカーズ・ヒル

通りの名前を全数を数えたことがありませんが、多分50以上の通りの名前があると思います。


ハムステッド・ガーデン・サバーブは、その通りごとに異なる住宅のデザインが施されていて、その通りごとにデザインが統一されています。

今回写真を紹介する通りの名前は、タイトルの「リッチフィールド・ウェイ」です。その通り沿い歩きながら撮った写真です。この通りに面したディタッチド・ハウスもセミディタッチド・ハウスも、プランにはバラエティがありますが、どの住宅も使われている外壁の煉瓦、屋根の天然スレート、建築デザインが統一されています。



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イギリスの生垣

 ハムステッド・ガーデン・サバーブを散策すると、日本の昔の住宅街がそうであったように、各住宅の前庭(フロント・ガーデン)や裏庭(バック・ガーデン)の通りに面する道路境界とか、隣地境界に刈り込んだ生垣が植えられている。明治になるまでは全くといってよいほど交流のなかった、大陸を挟んで極東の島国である日本と極西の島国であるイギリスが、同じように生垣をこよなく愛し、発達させてきたのが不思議でたまりません。


 また、ハムステッド・ガーデン・サバーブの住宅街の写真を並べてみると、ハムステッド・ガーデン・サバーブの住宅街の色合いが白、黒、灰、褐色しかなく、私が子供の頃見たブロック塀もアルミフェンスもない頃の、日本の本物の土壁や木板張り壁の木造住宅が立ち並ぶ街並みと色合いがよく似ています。日本の住宅が既に無くしてしまった色合いと雰囲気が残っています。



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セミ・ディタッチド・ハウス

ロンドンの住宅の形式は、

大別してハウス(HOUSE)とフラット(FLAT)の二種類に分かれます。

ハウスはさらに次の三種類の形式分かれます。

1.ディタッチド・ハウス(DETACHED HOUSE)・・・・・戸建て住宅

2.セミ・ディタッチド・ハウス(SEMI DETACHED HOUSE)・・・・・2住戸で1棟建て住宅

3.テラスド・ハウス(TERACED HOUSE)・・・・・3住戸以上の連接する長屋形式の住宅

ハウスはすべて庭付き住宅です。

フラットは日本のマンションと同じ形式、つまり、ワンフロア住戸です。

日本でもそうですが、ロンドンでも人気があるのは、

フラット(FLAT)より、庭付き住宅ハウス(HOUSE)です。

イギリス人は、ハウスでなければ本当の住宅と見なしていないようです。

それもジョージアンやヴィクトリアンのハウスに住むことがロンドン市民にとってあこがれの的になっています。住めばステイタスシンボルになります。


ハムステッド・ガーデン・サバブズは、2階建て屋根裏部屋付きのハウスばかりです。


そのハウス仲間で最も多いのがセミディタッチド・ハウスです。この形式は、ディタッチド・ハウス(戸建て住宅)に住みたいけれども経済的に手が届かない人達に対して手に届くように開発された、ロンドン独特の住宅形式です。2住戸のプランがお互い反転プランになっています。それが1棟建てになっているため、エレベーションがイギリス人が大好きなシンメトリーになっています。そのため、一見、戸建て住宅のように見えます。戸建てに住みたいと思う人達の願望をかなえる住宅形式です。



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ディープ・ゲイブル

 「ジョージアン」とか「ヴィクトリアン」とか呼ばれるロンドンのタウンハウスの建築様式は、ヨーロッパの建築様式のロマネスク、ゴシック、バロック等の純然たる建築様式の名称ではありません。ジョージアンは「ジョージ王朝時代の様式」であり、ヴィクトリアンは「ヴィクトリア女王時代」の様式という程度の意味しかありません。日本で言えば、明治(天皇)時代の様式、大正(天皇)時代の様式、昭和(天皇)時代の様式、平成(天皇)時代の様式というのと同じ使い方です。


 ハムステッド・ガーデン・サバーブの住宅の建築様式は「エドーワーディアン」と呼ばれています。このエドワ―ディアンも、エドワード7世時代の様式という意味でしかありません。エドワ―ディアンの住宅の特徴の一つが「ディープ・ゲイブル」(DEEP GABLE)です。直訳すると「深い切妻」です。イギリス人の「ハウス・イメージ」は、このエドーワーディアンの「ディープ・ゲイブル」(DEEP GABLE)から来ています。住宅にはこの切妻屋根が付いていなければ、住宅ではないという言うほどです。



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