ランニングマシン
絵に限らずなのですが、
もっと先へ、もっと先へと努力していると、
それ自体はいいのですが、だんだんまわりが見えなくなって、
「結局同じことを繰り返しているだけだった」ということがよくあります。
確かに上達もするし、新しい機会も得られるし、世界が広がるようなこともあるのですが、
努力の仕方も、世界の広げ方も・・・自分のやり方はパターン化してるので、
冷静に考えてみると、
やっぱり「同じことを繰り返していた」という感じです。
三つ子の魂百までと言いますが、
人は何かを求めて、10年単位でランニングマシンの上で走るようなことを繰り返しているのかもしれません。
絵の場合ですと、
もっと上手くなりたい、もっと上手くならないと!とただただ練習しても、その先に何があるかというと、実はけっこう微妙な問題です。
やはり、現在進行形で制作を楽しみ、結果として上手くなったり、人から気に入ってもらえたりするほうが良さそうです。
極端なたとえ話だと、洞窟の中で30年デッサンの修行をして、超絶上手くなってから満を持して世間に出ても・・・同じくらい上手な人がいっぱいいて相手にもされなかった・・・ってよりは、下手なりに楽しんで描いて、見せ合ったり、褒められたり、けなされたりしながら、日々生活しているほうがいいと思います。
(一方で、美大受験する人とか仕事の場合は、めちゃくちゃ練習する必要がどうしてもありますから、そのへんはバランス感覚が必要ですね。)
変えよう、変えようと努力して、全力で前に進んでいても、まわりの景色は一向に変わらず、
あれ?何か変だぞ・・・と気づいて
ちょっと力を抜いて、視野が広がったときに、新しい解決策が生まれたりします。
パターン化しているとか、ランニングマシンみたい、ということはあまり問題でなく、
視野が狭くなって先ばかりを見て、今を楽しめなくなっていないか・・・
そういうことを、ときどき自己点検するようにしたいと思っています。
アナログタッチ
前にも上げたこちらのイラストですが、手描き風のテクスチャ感のある感じで描きました。
テクスチャ感のあるブラシということで、
以前購入した↓ア・メリカさんの「主線なしイラスト」の特典のブラシを使いましたが、すごく使いやすくて、描いていて楽しかったです。
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“主線なし”イラストの描き方
2,376円
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イラストレーターの木内達朗さんが配布していたブラシも利用しました。
有名な「Kyle T Webster」のブラシも使いますが、ものによってはすっごく重たくて動作がもっさりする場合があるので、今のところそこまではよく使いません。ただしクオリティはとても高いです。
自分に合ったブラシを見つけるのはとても大事ですね。
そもそも、Photoshopっぽい塗りや、クリスタっぽい塗りが好きな人といろいろありますが、
私は今のところフォトショをよく使っています。
マンガやアニメっぽいタッチのときは、クリスタも使おうと思っています。
イラストのタッチはトンコハウスの「ダムキーパー」を意識して描きました。
ダムキーパ関連の本や、堤さんのアートワークの本は何冊も持っていますが、どれも本当にすごすぎです。
光の表現なんかは、いつ見てもほれぼれします。
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The Dam Keeper 3: Return from the Shadows
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The Dam Keeper 2: World Without Darkness
2,137円
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The Dam Keeper 1
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The Art of The Dam Keeper アート・オブ・ダム・キーパー
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トンコハウスのチュートリアル動画とか見てみると、ブラシでぬりぬりするのももちろんなのですが、
けっこう範囲選択ツールを多用しているのが印象的でした。
私の場合、特にタッチが定まっているというタイプでもないので、
場合によりけりで、いろんなテイストの絵を描いていけたらと思っています。
(↓今回のラフ)
恐竜・古生物を描く
ときどき古生物や恐竜のイラストのご依頼をいただくことがありますが、恐竜の復元画にも流行りみたいなものがあります。
トリケラトプスですと、最近の復元したものは、前足が並行に前を向いてるのではなく、少し外側に開いたような感じになっているのが一般的です。そういうのはどこかで論文で発表されて、ある程度世間に受け入れられると一般化するようです。
私は恐竜は、骨格から描き起こすのが好きで、ときどき図鑑の写真とかに肉付けして描いたりしています。
もっとも、この方法は仕事の絵では使えませんが、練習にはいいと思います。
博物館とかで自分で撮ってきた骨格写真をベースに描くのは、仕事でも使えると思います(多少アレンジする必要がある場合もありますが)。
(冒頭の絵の元の骨格写真)
恐竜の復元画といえば、ティラノサウルスは、少し前ですと、カラフルでモフモフの羽毛の姿で復元するのが流行っていましたが、最近は若干従来通りの姿に戻った感じで、頭の後ろあたりのみに少し羽毛が生えている姿がよく描かれているようです。これも、もとになる論文があったのですが、論文一つでいろいろ変わるのも、古生物復元画あるあるなのかもしれません。ちなみにその論文は私も目を通しましたが、はっきり言って、ティラノサウルスの復元絵が全部ひっくり変えるほどのインパクトは感じませんでした。「まあ、そうかもしれないですね・・・」くらいな印象(笑)
古生物の絵は、外国のクリエイターさんのほうが自由な発想で描いている絵が多く、日本のはどちらかというと安全策であまり尖りすぎていない表現が多いようです。これも一長一短ありですが、どちらも見ていて面白いし勉強になります。
ティラノは古生物界、恐竜界の鉄板のスターですので、やはりときどき描いておきたいところです。
(有名な「スー」の骨格がベース)
(ちなみに、恐竜ってすごく大きいですが、実は現代のゾウもかなり大きいです。
さすがに最大級の恐竜とゾウとでは大きさも重量もかなり違いますが、
それでも恐竜って、かなりしっぽが長かったり、首が長かったりするので、
胴体の大きさで見れば、そこそこのサイズの恐竜でしたら、ゾウも負けてないです。
ですからゾウをベースにして、恐竜の大きさをイメージするのもありだと思いますw)
手を描く2
こちらの手のデッサンはB3サイズです。
このくらいの大きさで、手が一つという構図だと輪郭を抽出して描き込む・・・というだけだと間が持たないので
ある程度、構図とか立体感とかで演出してあげる必要があります。
手に持っているのは黒い立方体のスポンジと、シマシマの布です。
今回の一番の反省は、スポンジも布も、柔らかい素材なので、
もっと素材を生かすために、ぎゅっと握ったりすると立体感や、柔らかさがさらに出たと思います。
ちなみに石膏像などと一緒で、稜線や、目を引くラインを強調して描きます。
手前の一番目を引くラインを強調して描き込み、
逆に奥の部分はあまり描き込みません。そうすると立体感が出ます。
デッサンするときは「手前か」「奥か」というのが非常に重要で、ちゃんと描き分けて立体感を出してあげます。
全体の構図だけでなく、例えば細かな部分でも、
↓の場合、親指の爪も、手前側を描き込んで強調し、奥側は目立たせないように描いています。
というわけで手のデッサンの完成。
パッと見、普通の手のデッサンですが、
実は構図や素材、光と影、描き込みと省略、余白や動勢・・・など、
いろいろと気を使って、演出して描いています。
こういったことをたくさんやって、ようやく普通のデッサンに見えるという、
気の長い話ですが、特に立体感とかが出せるようになると、すごく楽しくなってきます。(もちろん、そんな面倒なことは気にしなくてもいい絵は描けますが)
本当はもっとたくさん手を描くといいと思いますが、それなりに時間がかかるので
ときどきでも、描いていきたいと思います。
手を描く
よく長所伸展と短所是正とどちらが大事か?みたいな話がありますが、
私は両方大事だと思います。
ただし、短所是正のほうが時間も労力もかかるので、エネルギーの配分には気を使いたいところです。
また、短所を直すとその人の良い部分まで失われてしまった・・・というのも、よくある話ですので、
伸ばすの直すのという話にも、人間相手だと思慮深さが必要になりそうです。
ただ、結局はトンネル工事と一緒で、両端から掘っていくがよろしく、
長所伸展と短所是正の両サイドからアプローチしていくほうが、
効率的でバランスもいいのだと思います。
さて、そんな話をしたのも、
絵を描くときに、どうしても「苦手なモチーフ」というのがあったりするからです。
私は基本、なんでも描くのは好きなのですが「そこまで得意でない」というモチーフや技法は結構あります。
「手」というのも、すごく大事な要素で、描くのは好きなのですが、そんなに得意というわけでもありません。
例えば、B3程度のサイズに手だけをしっかり見てデッサンするというのは、
普段だったらまずありません。
ですから、絵を習っているとそういう機会が時々あって、それがとても貴重です。
そもそも、デッサン自体もっと絵がうまくなりたいから習っているというのがあります。
もちろん、まったくの初心者よりは元々ずっと上手に描けますが・笑
もう2年ほど続けているので、前よりはかなり上達したと思います(といってもまだまだですが)。
そのようなわけで、どこまでも「極み」はありませんが、
「学んでいる」とか「上達している」という状態に価値を感じて、至らぬながらも続けています。
何も絵に限った話ではありませんが、その中で、苦手要素と得意要素をバランスよく伸ばしていきましょうというのが今日のお話でした。
(そういえば、イラストで仕事しつつ一方で絵を習うとか、家業をやりつつ一方で通信の大学でお勉強するとかいうのも、わりとそういう話)























