2023年秋:北陸鉄道旅⑦小浜→東舞鶴→敦賀・金沢 | ☆出かけよう!気のむくままに…☆

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 北陸フリーきっぷでの鉄道旅2日目、小浜城から何とか駅に戻り、さらに電車で西に進む。

 

 小浜から西はフリーエリア外。下車時に買ったきっぷで改札口を通る。乗車したのは15:30発の敦賀発東舞鶴行の普通。ちょうど小浜で乗務員交代をするところだった。新しい乗務員になって小浜を出発した。

 車内は高校生で多くの席が占められていたが、ちょうど空いていた一組のクロスシートに座ることができた。目立たないながら他にも一般乗客はいるが、イメージとしては高校生の中におじさん一人という雰囲気だ。

 小浜から西に進み、二つ目のトンネルを抜けると右手すぐに小浜湾が見える。海はすぐに視界から遠ざかるが、勢浜、加斗の二駅を過ぎると間もなく、再び海岸部に出る。青い海と青い空、若狭湾の南部の入り組んだ海岸線、低い山並みの半島に囲まれた小浜湾は波静かできれいだ。

 景色を乗客に堪能させるためか、電車はいったんゆっくり運転で海岸部を走行する。小浜線は赤字ローカル線だが、車窓からの景色は素晴らしい。

加斗ー若狭本郷間

▲加斗-若狭本郷間の小浜湾

 

 右側に小浜湾と青戸の入江を分ける青戸の大橋が見えると、まもなくで若狭本郷だ。線路はそのまま青戸入江に沿って西に進み、入江の突き当りで若狭和田に着く。前方に見える青葉山が特徴的な三角形をしていて目立っている。

 若狭和田を過ぎると今度は若狭湾に湾口が大きく開かれた高浜湾沿いの鉄路となるが、しばらくは海から少し離れている。2面3線の若狭高浜は近代的な駅舎のみどりの窓口のある駅。乗車してきた東舞鶴行とほぼ同時に反対方向の敦賀行も到着。ここで上下線の交換となる。

 車内の高校生はここまででだいぶ減り、空席がだいぶ目立ってきた。敦賀行はすぐに発車し、こちらの東舞鶴行は3分停車でゆっくり発車。高浜湾が少し見え、海から離れると南側の山が近い三松。ここで残っていた高校生が降りて、車内はわずかな一般客のみになる。

 青郷を過ぎると平地がどんどん狭くなっていき、吉坂峠をトンネルで抜ける。前方の西日が眩しい山間の駅、松尾寺を過ぎると狭い平野部が少しずつ広くなっていく。平地の田んぼに集落も混ざり、次第に住宅地が大きくなっていく。

 そして、奥深く入り組んだ入江の港町、舞鶴の東側にある東舞鶴に16:18到着だ。東舞鶴は1面2線の高架駅で、この駅ならたとえ1分間の乗り換え時間でも問題はなさそうだった。

東舞鶴駅小浜方向

▲東舞鶴駅小浜方向

 

東舞鶴駅①番線折り返し敦賀行前面

▲東舞鶴駅…正面①番線が乗ってきた125系

 

 ②番線には乗ってきた東舞鶴行から連絡する形で京都行の特急『まいづる12号』が停車していた。8分後の16:26に発車する。

東舞鶴駅②番線『まいづる23号』後面

▲東舞鶴駅②番線の特急『まいづる12号』後部

 

 ホームの反対側まで歩いて、西舞鶴方向も見てみた。西日が眩しい。

東舞鶴駅西舞鶴方面

▲東舞鶴駅の西舞鶴方向

 

 昔から北前船の寄港地として発展した舞鶴だが、複雑な海岸線もあり東西の港に分かれている。現在は東舞鶴港が海上自衛隊舞鶴地方総監部の軍港であり、長距離フェリーの旅客港としても利用されている。一方、西舞鶴港は海上保安庁第八管区海上保安本部の海上警備港であり、中国、韓国、ロシアとの定期航路のある国際貿易港としても機能している。

 

 帰りの電車まで23分あるので、駅周辺を歩いてみる。ちなみに、小浜-東舞鶴間の運賃は680円だ。

 まずは海側の北口に出る。タクシー乗り場やバス乗り場のあるコンパクトなロータリーがある。フェリー発着場までは1キロ以上あるので時間的に行くことは無理だ。ロータリーを一周して南口に向かった。

東舞鶴駅北口駅舎

▲東舞鶴駅北口駅舎

 

 駅下を通り抜けて南口に出ると、タクシー乗り場のあるコンパクトなロータリーと芝生広場があった。地方の小都市に行くと広場のある駅も多いが、芝生の駅前広場は珍しいのではないかと思う。

 駅を見上げれば乗ってきた折り返し電車が見える。空地はあるものの、駅周辺の狭い平野部には多くの建物が建っていて、舞鶴の密度の高さが分かる。

東舞鶴駅南口駅舎

▲東舞鶴駅南口

 

 小浜までの切符を券売機で買って、再びホームに戻る。折り返し電車の車内は一般客も高校生も少なくてガラガラだ。②番線に綾部からの普通電車が到着すると、1分後の16:41に東舞鶴を発車した。往路で小浜に下車しなかった場合に行く予定だった、綾部からの帰りの電車だ。

 東舞鶴-敦賀間84.3キロ、2時間近い単線の旅。乗客は増えたり減ったりするが、利用者の少ない区間だけにガラガラの車内が続く。若狭本郷で上下線の交換。こちらの敦賀行が先に着いて東舞鶴行を待つが、東舞鶴行はすぐに着いて2分停車で出発。東舞鶴行は混んでいた。

 日も落ちて真っ暗になるころ小浜に着く。小浜で高校生がどどっと乗り込んできて、車内は少し混み合ってきた。上下交換駅の上中では高校生が多数降り、二つ先の大鳥羽でも大勢が降りた。車内は再び空いてくる。

 しかし、気山でまた高校生が何人も乗車してきて賑やかになる。美浜でまた上下交換。上中でも美浜でも東舞鶴行がこちらの敦賀行を待つダイヤだ。18:34無事に敦賀到着。

 旅の2日目は金沢まで戻るので、景色の見えない夜だが敦賀で特急に乗り換える。ここは連絡が悪くて乗り換え時間が53分もある。その時間を使って食事をすることにしていた。昨夜の蕎麦が美味しかったので2日目の夜も蕎麦が食べたかったが、敦賀でピンとくる蕎麦屋を探せなかった。

 駅舎と同じ建物の中に蕎麦屋があったが、とりあえず他も探して駅前を一周。蕎麦屋はなさそうだ。結局駅の蕎麦屋で腹を満たした。関西風の薄味で完食。閉店間際の観光案内所や土産物屋の前を素通りしてホームに戻る。

 

敦賀駅前ロータリー

▲敦賀駅の駅前…写真正面の駐車場屋上から駅を見下ろせる

 

 19:27発の特急『しらさぎ13号』を待つ間、③番線ホームの恐竜人形を撮っていたら若い女性に声をかけられた。

敦賀駅③⑤番線ホーム恐竜人形

 

「さっきの人でしょう?」

 そういえば、帰りの小浜線で後ろの席に若い女性っぽい人が座っていたようだ。こちらは、小浜線の乗車率を知りたくて時々車内を見まわしていたが、後ろの人をはっきりと見たわけではないのでなんとなくという感じだ。

「後ろの席の人、さっきの東舞鶴からの?」

 そう尋ねてみたら、そのようだった。同じ電車の前の席にいた人という事で、思わず声をかけたらしい。よく訊いてみると、東舞鶴の1分乗り換えで電車を乗り継いできたらしい。

 そこへ『しらさぎ13号』がホームに入ってきた。出張帰りの乗客か、車内はけっこう混み合っていたが、敦賀で降りる人もそれなりにいて、何とか隣り合わせで空いていた自由席を確保し、自然と並んで座った。

 一人旅なので話し相手ができた感じで嬉しい。その女性は滋賀県に住んでいて、北陸地方を仕事で飛び回っているイベント関係の会社員みたいだ。公私とも充実しているようで、はきはきとしていて明るい雰囲気の人だ。降りる駅の金沢ではいろいろな店を知っている感じだった。

 その後、女性は会社のズーム会議をスマホで見て、終点の金沢に着く(20:50)と改札口を出てすぐに別れた。ひと時ではあったが、旅行中の嬉しいハプニングになった。

 

 東口(兼六園口)を出てみると、高い天井に鉄骨を張り巡らせたもてなしドームの下に地下へのエスカレーターと、巨大な鼓門が目を惹く。21時近くだというのに内外の観光客もいて、まだまだ眠らない街だ。

金沢駅兼六園口おもてなしドーム

▲金沢駅東口…高いもてなしドームと巨大な鼓門が特徴だ。

この左側にバスターミナル、右側にタクシーロータリーがある

 

金沢駅駅側から見た鼓門

▲内側から見た鼓門

 

金沢駅外側から見た鼓門

▲外側から見た鼓門…時間とともに照明の色が変わる

 

 金沢駅の外に出るのは初めてだが、夜の金沢駅もいいもんだ。逆に昼よりも観光客が少なくて、落ち着きそうで早くも気に入ってしまった。

 その後、コンビニで軽食を買ってホテルに向かった。2日目と3日目のホテルは駅から5分ぐらいの金沢駅東口東横イン。チェックインする時、2日分の宿泊費を払うのだが、金沢は宿泊税があると知らされ少し予想外だった。宿泊税(200円)のある観光地に泊まるのは初めてだ。

 宿泊料(朝食付)は別サイトからの予約なので、2日目は6,930円、3日目は6,653円だ。今回の旅は早めにホテルを予約していたので、それほど割高感ない。

 

 以下つづく。

 

 

2023年秋北陸鉄道旅:⑧金沢→七尾

 2023年秋:北陸鉄道旅⑥福井→敦賀・小浜