大人気の『お金』シリーズ、本日は、
お金はそう簡単になくならない
という域に達するには、どのようなことに気をつければいいかの核心に触れていきたいと思います。
全体の流れがありますので、まず前編からお読みください。
以下の過去記事も通して読んでいただくことで、ふわふわした『お金の引き寄せ』ではない地に足のついたファイナンシャルリテラシーを身につけていただく第一歩になるかと思いますので、これらの内容の中でピンときた部分だけでも参考にしていただければ幸いです。
これから堅実に資産を築いて、ある年齢以降になったときに大切な時間を切り売りすることなく、時間的・精神的に豊かに暮らしたいと思われている20代、30代の若い方や子育て中の方にとって、少しでも役立ってくれればいいなと思って書いています。
では本題に入りますね。
前回の記事でもお伝えしましたが、お金の使い方、貯め方はその人の生き方でもあると思っています。
よって、正解・不正解はありませんので、ここで私が書くことは一個人の経験として軽い気持ちで読んでくださいね。
私がパリで暮らし始めた頃、ワーホリや語学学校や大学、専門学校の学生としてパリに住む多くの若い女性たちと知り合いました。
皆、フランスに憧れていつか住んでみたいと思い、そのために日本で数年間働いて、留学資金を貯めて、願いを実現させた勇気あるお嬢さんたちです。
そんな彼女たちの中には、フランス生活、特にパリでの生活は、日本で夢見ていた薔薇色のものとは違い、道半ばで帰っていく女性も多くいました。
そんな中でも、パリの風に馴染んで、フランス人の彼氏ができたり、グルメやミュゼ巡り、フランス各地やヨーロッパ他国への旅行などを楽しんでいるうちに、もっと長く滞在したいと思う人にもたくさん出会いました。
私が出会ったそんな女性の一人で、最初は1年間のワーキングホリデーの予定だったけれど、パリの暮らしにも慣れてきたので、学生ビザに切り替えてもう少し残ることを決意した女性がいました。
彼女は、黒いスラックスが似合うスタイルの良い女性で、普段の暮らしもケチケチすることなく、ガイドブックに載っている素敵なパリのカフェやレストランは必ずチェックして、会員制のスポーツクラブに通ったり、期間限定の外国暮らしを存分にエンジョイしている方でした。
反面、パリが大好きで彼氏もいてずっと残りたいのだけど、お金がなくなったから日本に帰るという女性も少なからずいました。
普通はそうですよね。
皆、一生懸命、お金を貯めて留学資金を準備して期間限定で来ているのですから、予算を使い果たした時点でゲームオーバーとなり、一旦、日本に帰って仕切り直しするのは当然のことだと思います。
もちろん、現地で仕事を見つけて、働きながら滞在を延長する人もいましたが、日本での学歴や職歴に見合う正社員の仕事に就くのは、ビザの種類の関係もあり簡単なことではなく、お金の切れ目が留学生活の切れ目という人がほとんどのようでした。
そんな心残りながらも日本に帰っていく知り合いや友人たちを見て、滞在を延長させた彼女がポツリと呟いたのです。
なんでみんなそんなにすぐにお金がなくなるんだろう。
私、上澄みしか使っていない。
その言葉を耳にしたとき、私がそのときまで意識してなかったけれどなんとなく感じていたことと同じだと思ったのです。
それは「お金に対する姿勢」の違いとでも言ったら良いのでしょうか。
適切な言葉が見当たらないのですが、お金に使われるかお金を使うかの違いのようなものが根底にある気がしたのです。
ここまで読んでいただいた方は、それは単なる貯金の額の差に過ぎないと思われた方もいらっしゃると思います。
もちろんそれも大きな理由の一つであるのですが、その彼女と他の女性たちは、年齢も日本で仕事をしてきた年数もそれほど大きく変わらないのに、1年間の外国生活を貯金の上澄みだけで暮らせる人と使い切ってしまう人には、それまでの生き方、貯め方、使い方に違いがあったような気がするのです。
その彼女のすごいところは、滞在を延長して1年か2年が過ぎた頃、
上澄みだけで暮らせなくなってきたから帰る。
と言って潔く日本に帰っていったことです。
わかりますかね。
この違い。
有り金を全て使い果たしてしまうのではなく、彼女にとって許せる範囲で楽しめるだけ楽しんだ後は、これ以上続けたら大切な元金が減ってしまうというところで、潔く身を引くというアッパレな決意と行動力。
パリに留学(遊学?)で来る女性の年齢層は比較的高く、学生の交換留学でなければ、日本で大学や専門学校を卒業して数年働いた後で、会社を退職してくる人が多いので30歳を超えている人も結構います。
パリでの暮らしでフランス語が少しできるようになったとしても、それを活かして正社員として再就職するには年齢的にも難しくなっているお年頃に日本に帰国することになります。
パリに来る前は、東京で一人暮らししながら会社員として働いていた人も、パリ滞在後の帰国時には、職もなく貯金もゼロになっている人も多く、田舎の実家に戻るという人もいるようでした。
もしくは、それだけはしたくないしできないと、日雇いのような仕事を半ばブラックで続けながら、あまり誠実ではなさそうなボーイフレンドのアパートに転がり込んで暮らしている人もいないではないようですが。。。
貯金の上澄みだけを使って滞在を延長して、元金が減り出す前に帰国を決めた彼女と、貯めた貯金を全て使い果たしてしまったその他の女性たちの違いはなんなのでしょうか。
実は
お金はそう簡単になくならない
という域に達するまでにやるべきことがあるのです。
稼いだお金も貯めたお金も備えなしに使えばなくなるのは当然ですが、きちんと時間をかけて構築した資産は、間違った運用さえしなければ大きく減らすことなく、一生の支えとして、本当に必要なときに役立ってくれます。
そのような安定した資産を築くために必要なことは、まず最初に小さなスノーボール(雪の玉)を作ることです。
多くの人は、それがテニスボールくらいになったときに、車や海外旅行などで使ってしまうので、またゼロから作らなければなりません。
スノーボール作りで一番難しいのが、何もないところからテニスボール大にすることです。
なので、テニスボールの大きさになったときに、全部使ってしまってはいけないのです。
年齢が進むにつれて、やむを得ない出費が嵩みます。
家賃もしくは自宅のローン、子供の教育費、親の介護費、自分や家族の通院費、冠婚葬祭の費用など、社会人として大人として避けられない費用が常に出てきます。
それらの生活に絶対必要な費用を捻出するたびに、スノーボールを崩していたら、いつまでたっても資産は増えないどころか、今の収入が途絶えてしまったらどうしようと、いつもリストラの不安に怯えて生きることになります。
そこで、大切なのは、まだ若くて独身で自由がきくうちに、スノーボールを大きくしていくことです。
多くの人が勘違いしているのは、結婚したら自由になるお金がなくなるから独身の時に大いにお金を使って楽しもうと考えてしまうことだと思います。
特に男性の場合、結婚は墓場と言って、独身貴族生活を派手に送られる方もいらっしゃるようですが、50歳を過ぎた頃の生活の安定具合は、妻帯者の男性の方がしっかりされていることが多いものです。(独身男性で堅実な方ももちろんいらっしゃいます。)
また女性は、そのような派手なお金遣いの独身男性に出会うと玉の輿だと勘違いして色めき立つ方もいらっしゃるようですが、そのような男性は金銭感覚が乏しく一家の主人(あるじ)にふさわしくない場合も多いということを心に留めておかれた方が良いと思います。
ニューヨークにお住まいの
コモンるみさんも私も、パートナー選びには男性の年収よりお金との向き合い方や誠実な性格を見ています。
今まで書いてきたことをまとめると以下のようになります。
若い頃、できれば子供の頃から貯蓄の習慣をつける。
貯まったお金はむやみに崩さない。
お金を使うほうのブロックは、将来の自分に必要だと思うことには惜しみなく外して投資する。
見栄や世間体のためだけに、無駄な出費をしない。
パートナー選びには注意する。
まずは小さなスノーボールを作り、徐々に大きくしていき、十分に大きくなったときにその上澄み(利息部分や配当部分、もしくは家賃収入など)を本当に大切なことに使うか再投資する。
最後の
については、またいつかもう少し具体的に、皆様に参考にしていただけるような記事が書けたらいいなと思っています。
<追記>
上澄みの概念は、利息等の元金を上回る部分のことだけでなく、その人がその年齢で確保しておきたい資産を超えた部分という意味でも使えると思います。
例えば、30歳で貯金が1200万円ある方で、1000万円は手元に残して運用しておきたいと思っている場合、200万円を自己投資などに使うのは上澄みを使ったと言えます。
上記の上澄みだけ使って留学生活を送っていた彼女の言う「上澄み」は、確保しておきたい貯金とは別の余裕資金のことだったような気がします。
以下の二冊の本は2000年と2001年にそれぞれが日本で発売になったときに読みました。
私の哲学とほぼ同じことが書いてあり非常に共感したことを覚えています。
今回、ご紹介する本は両冊とも2013年の改訂版です。
以下は出版社からのコメントです。
刊行から13年。
当時と今の状況は大きく変化しています。
具体的には、アメリカではサブプライムローン問題が噴出し、さらに全世界を巻き込むリーマン・ショックが起こりました。
今回の改訂では、最新の状況により適した内容を加筆修正。
また綿密に文章を見直し本当に必要な部分だけを抽出することで、教えの軸となる考え方をよりわかりやすく説明しています。
1度読んだ方にも再読の価値がある本に仕上がっています。
初版本しか読んでいないので、私もこちらの改訂版をもう一度読んでみたいと思います。
豪邸が建ち並ぶパリ郊外のセーヌ川沿いの散歩道です。
どんな人が住んでいるのでしょうね。
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