OURクラシックホテル制覇の野望第4弾は、都内のど真ん中、
数多の文豪に愛された「山の上ホテル」です。
JR御茶ノ水駅から明大通りを下っていくと、ホテルの看板が見えます。
雲を表しているのかなあ?
看板に導かれて右折すると、目の前、坂の上に、
どちらかというと滋味に見えるアールデコ調のホテルが現れます。
館内に入ると、空気がタイムトリップするのはクラシックホテルのお約束です。
星型のタイルに照明も星型で素敵です。
空気に「質」があるとすれば、ここはまさしく「上質な空気」に満たされた空間です。
👆写真の正面は、ロビー&ホテルショップで、クラシカルな調度がなんとも
居心地よい・・・
こちらでは、簡単な喫茶メニューのみいただけます。
前回、ホテルのコーヒーパーラーで休もうとやってきたときは、
なんと10組待ちだったので、
ちょうど空きがでたこちらでケーキと珈琲をいただきました。
チェクイン時間前だったので、コーヒーパーラーヒルトップで休むことに。
前回のこともあり、今回も待ち覚悟だったのですが、1組待ちとのこと。
まだティータイムより前、ランチ終了ぐらいのエアポケットだからでしょう。
宴会場と思われる臨時「待合室」へ案内され、「準備ができたら、
お客様にお電話いたします」と、ご丁寧な案内をしていただきました。
ちゃんとお電話いただき、1階のヒルトップへ。
ひと様のオーダーされているパフェやコーヒーゼリーなどに目移りもしたけど、
初志貫徹。念願の12時間以上かけた水出しアイスコーヒーにしました。
涙型楕円形のグラスがカワイイ、そして以外に大容量?
軟水のようなコーヒー(えぐみがないというか?)で、アイスなのに珈琲のアロマが
香り立つ珠玉の一杯。
1滴づつ落ちて、それからなおかつひと晩寝かせるという水出しコーヒー。
目隠しして味比べをしたら、舌音痴なミヨレでも、
よくある喫茶店珈琲と区別つくと思う。
このコーヒー一杯だけで、もう夢ごこちでチェックイン。
すると、幸せ倍増、天使のラッパが高らかに~
「実は、本来オンライン予約でも出していない、庭付きのスイートルーム(通常一室7万円)が
空いておりまして、おひとり様@5000円でアップブレードできるのですが、是非いかがでしょう」
旅友とばっちり アイコンタクトとっただけで、即決です。
「お願いします 」
ええ、東京ステーションホテルでアップグレードを受けてからというもの、
このタイミングでなされる提案にはずれなし、人生の糧となることを知ったのです。
ええ、私たち、大人の階段を渡っちゃったのです。
ぶっちゃけ、素泊まりスタンダードツイン早割適用で@18,600円/1室。
ひとり9300円という、ビジネスホテルとそうたいして変わらないお値段だったので、
そこに5000円オンでスイートに泊まれるなんてありえないことです。
あちゃ~。
ドアをあけたところの空間、わが家の玄関の何倍あるでしょうか。
ゆとりの空間と呼ぼう。
そして、ドアノブのメッセージホルダーがカワイイのなんの。
姿見にテーブル、鳥さんの置物。
この一見無駄に見えるものが、ゆとりたる所以。
そのゆとりの空間から右手がリビング、そしてお庭!
左手にはベッドルームとなっています。
右手、リビングの奥には・・・・
ここ、4階ですよ。庭がある~!ちょっとした中庭ですが、空中庭園
鹿威しもあるし、苔むした感じや、木々のゆらぎが、酷暑を少し
和らげてくれてます。夜、灯りが灯るとまた雰囲気でるんだろうなあ。
作家さんたちは、和室続きの407号室を愛用する方が多かったらしいですが、
こちらのデスクも、調べ物がはかどりそう・・・
ずっと座っていられると思ったソファ。一番左の棚は、冷蔵庫や
ポットなどティーアメニティのスペース。
それ以外は、触って落としたりしたら弁償ものなので怖くて近寄れなかった。
テレビではなく、スピーカー。その横のシングルソファ、
こういうのがひとつ家に置けるといいんだけどな~
ベッドルームはこんな感じ。↓
ベッドの反対側の空間にも、十分なソファスペースがあります。
当然テレビも!ベッドに寝っ転がりながらテレビみたり、視線を横に移すと、
庭が見えたり。
リビングルーム入ったところの左手にバスルーム、トイレ。
なんと、日本には珍しい、ビデも設置されております。
このバスルーム見たとたん、「あれ?ローマのホテル?」と、
錯覚しちゃいました。旅友も同じことを思っていたようでした・
窓の外の景色は、明治大学
周囲ぐるっと明大に取り囲まれているような立地なんですね。
もともと山の上ホテルがあったところに、明大の規模が大きくなって
建物が増殖していったのかどうか・・
備品やアメニティ、ちょこちょこかわいかったり面白かったり。
この☟ ヒルトップマークの器、欲しい!
アメニティがこれまた秀逸。なぜかアジアの香り。
バリ島かプーケットにいるようなすごくいい香りなのでした。
ベッドのサイドテーブルの上のライト、宇宙的?
なんか怪しげな電波を発しそうなマッサージ機のようでもあり、面白い!
そして陽が落ちてくると、お庭が密かにライトアップ。
夕涼み~な雰囲気になってきました。
でもやっぱりまだ暑すぎてとても窓をあける気にはならず、
部屋の中から眺めだけを楽しみました。
で、本日、山の上ホテルの晩餐は・・・・
そう、山の上ホテルといえば、「天ぷら」です
旅友の妹さん曰く、「山の上ホテルに行って、『山の上』で天ぷらを食べないなんて
人でなしだ」とのこと。
なので、食べました!
夏季限定の「天重」@2,900円なり!
山の上の天ぷらがこの価格で
実は、テイクアウト専用品なのです。
お家で温めることが前提になっているので、冷めた天重なのですが、
いい油を使って、衣も薄くて、しかもお米が(ミヨレが一番好きな南魚沼産コシヒカリ)が
美味しい!素材と腕があれば、冷めても美味しいことの実証。
いや、お店で食べてもいいのよ。揚げたての天ぷらの美味しさは知ってる。
でも、昨今の私の胃では、値段をかけた割には最後まで楽しめないの。
お部屋でゆっくり、お店の味が少しでも楽しめるならそれに越したことはないのです。
食事してしばらく、コンビニに炭酸水を買いにでかけました。
ついでに夜のホテルの雰囲気も楽しみました。
ライトアップ。抑え気味なホテル名の主張が好ましいです。
ヒルトップは、ディナーもいただけるので、大勢ではないですが人影もあります。
ヒルトップ(1階)からの階段、カルタジローネの階段を彷彿とさせる。
ステンドグラスでフロア表示も白壁と腰壁の間を走るタイルもお洒落です。
御茶ノ水、神保町というまさに東京区内のど真ん中、
1歩通りを入ってみるとこんな温かい瀟洒なホテルがあるとは・・・
文人が愛した、というのもうなずける。
三島由紀夫曰く、
「東京の真中にかういう静かな宿があるとは思わなかった。
設備も清潔を極め、サービスもまだ少し素人っぽい処が実にいい。
ねがはくは、ここが有名になりすぎたり、はやりすぎたりしませんやうに」
まさにこれよ、これ!
私たちのいいたいことすべてです。
今後ますます酷暑になるだろう日本の夏。
暑い中遠出するよりは、山の上ホテルで静謐な時間を過ごすというのが、
正しい「避暑」となるでしょう。来夏の過ごし方が決まりました。
ここなら年老いて、足腰が弱っても出向くことができるしね
次のブログは、クラシックホテル制覇の野望を達成した特典利用で、
東京ステーションホテル再び です。