「ケアマネの正しい歩き方」 ~ケアマネタマゴに贈るケアマネ道!~ -71ページ目
サービス担当者会議を経て
サービスが提供されていきますが、
ケアマネジャーの次の仕事は
「モニタリング」です。
運営基準では、モニタリングについて
こう書かれています。
イ 少なくとも1月に1回、利用者の居宅を
訪問し、利用者に面接すること
ロ 少なくとも1月に1回、モニタリングの
結果を記録すること
ついこの前、当事業所に実地指導が
あったときに、あちらの担当者から
こんな質問を受けました。
「宿泊つきデイサービスを
1ヶ月丸々利用される方への
モニタリングはどうしていますか」
と。
この場合、利用者さんは宿泊施設と
デイサービスとを往復することになって
利用者さんの居宅にはいませんから
モニタリングはどうやっているのか、
ということを聞かれたわけですね。
この実地指導の1ヶ月前から
宿泊つきデイサービスを利用される
人がいたので、私は何のためらいもなく、
「夕方、デイサービスが終わる頃に
本人と会って話を聞きました」と
言いました。
その時、担当者が(えっ…)という顔を
したので、質問の趣旨を悟りました。
担当者は「う~ん」とうなったあとで
「デイサービスの時間に訪問されると、
以降は算定できないんですよね」と
言われて、「保険者と相談して、
必要な過誤調整をして下さい」と
言われました。
ケアマネがモニタリングのために
本人のデイサービスの時間を奪うと
デイサービスはその時点で終了となるのです。
内心、(あちゃ~)と思いました。
併設している事業所ならまだしも、
よそのデイサービスでしたからね。
報酬を削られたら迷惑をかけてしまいますから。
あとで、事業所に言ったら、
その分は減算してます、と
言われました。
ちょっとほっとしました。
話が横道に逸れてしまいましたが、
モニタリングは利用者さんの居宅で
利用者さんと面会することが
義務づけられています。
守られなければ、ケアマネの報酬が
減算されてしまいます。
ただし、利用者の事情により、
利用者の居宅に訪問できない、
利用者と面会できない場合は
「特段の事情」とされて、
さきほどの要件は回避されます。
さっきの例も宿泊つきデイサービスに
いなければいけない「利用者の事情」
がある、とされるわけですね。
あ、つけ加えておきますが、
1月1回と決められているから
どんな人でもそうしている、じゃあ
ダメですよね。
新規の方だとか、ターミナル期の方
だとか、新しい状況におかれたり
状況が刻々と変化するような方には
週に何回してもし過ぎることはない、
と思います。
反対に1月1回もするほどではない
という利用者さんもいますが、
それは決められていることなので
必ず守りましょう。
ケアマネジャーも
会議の参加者の一人でした。
ケアマネジャーの役割は
1.会議の進行役 2.利用者の代弁者
の2つを使いこなす必要があります。
2.であるあたりは、利用者の思いを
主張する立場でありながら
同時に他の参加者の意見も
尊重しつつ、ふるまう、という
難しい立場になっています。
一人二役ということですから、
真剣にこの二役をやりきろうとすれば
実を言うと、これは成立しない話
なんだと思います。
場合によっては、利用者と他の参加者の
意向がすれ違う場合もあるわけですから。
利用者VS家族の関係のなかで、
利益相反する場面に遭遇された方は
少なくないと思います。
家族「施設に入ってほしい」
本人「住み慣れた家で暮らしたい」
ってな感じで。
ですから、正論を言うならば
利用者本人が意思表明できない場合、
その代弁者は「成年後見人」ということに
なりましょう。正論を言うならば、ね。
じゃあ、
ケアマネジャーはどうするかというと、
マネジメントですから、参加者の
それぞれの知見や意向や
その地域の文化や時代背景などを
総合的に勘案して
より良い「解」に落とし込む
ということに集中することだと
私は考えています。
ただ、成年後見人制度が
日本では思うように普及していない
現実を考えると、ケアマネジャーの
2つの役割を甘んじて引き受け続ける
ということになってしまいます。
こういう例を見ても、いつまでも
日本というのは個人主義が
浸透していかない風土なんだな
という思いを持ちます。
「個人の尊厳」を突き詰めて
保証していくということが。
いつまで~も、家族などの身内が
個人の生き方に干渉し続ける
ということになっているんですね。
あ、ちょっと横道に逸れてしまいましたが。
真剣に考えれば考えるほど
矛盾した場であるのが、この
サービス担当者会議だと思います。
よって、ケアマネジャーの開催する
サービス担当者会議は
なんとなくしっくりこない状態が
これからも続くことになるでしょう。
サービス担当者会議では
ケアマネジャーは調整役の
顔を見せていく、という話を
前々回にしましたが、会議をおこなう
意義について考えてみましょう。
サービス担当者会議に参加する
人たちは、大きく分けて
①利用者②介護者③サービス提供者
となります。
まず①利用者についていえば、
自分のためにこれだけの人たちが
集まってきてくれた、ということに
「スペシャリティー感」を
感じていただくことが大事です。
多くの利用者は今の状況から
疎外感を受けている場合が多いので。
②介護者についても疎外感を
感じている方にとってみれば
「自分の応援団がいる」と
心強く思ってくださるのが
良いことでしょう。
また、これからどんなサービスが
始まり、どんな生活になるのか、
少しずつ具体的に分かってくるのも
担当者会議の意義のひとつでしょう。
さらに複数介護者の場合、
役割分担や考え方のすり合わせが
できる場になります。
③サービス提供者にとっては、まず
利用者や介護者のことを知る機会
になりますし、サービスの全体像を
掴む場になります。
専門職同士の意見交換を通じて
自分たちの持ち場を確認することもできます。
おっと、忘れていました。
④ケアマネジャー
も会議の参加者の一人でした。
ケアマネジャーの役割は
1.会議の進行役 2.利用者の代弁者
の2つを使いこなす必要があります。
しかし、
この2つの役割を任せられることによって
ケアマネジャーは非常に難しい役目を
与えられているんだということを
次回に書きたいと思います。

