モニタリングの視点として

「利用者及び家族が満足しているか」

という言葉を挙げている本を

読んだことがありますが、

その言葉の意味を、ちょっと

考えたほうが良いと思います。

 

私は、モニタリングの視点として

①QOL向上のためのサービスが計画どおり

 提供されているか

②ケアプランに書かれた目標が達成しているか

の2点を挙げていました。

 

ポイントは「QOL向上」ですが、

QOLは客観的なものではないので、

つまり、利用者(家族)が満足しているか、

というのは有用な指標か、と

思われますが、

そのサービスを受けた感想を

「満足」あるいは「不満」として

表すことは誤解を招くと思っています。

 

介護保険のサービスは、

利用者(家族)が受け手(受け身)に

なるものではありません。

サービスを受けつつ、

主体的に生きる(生活)していくもの

ですから。

 

「あのレストラン、味も接客も

よかったねえ(だから満足)」

「この映画、全然つまらなかったよ。

時間がもったいない(だから不満)」

という価値観とは違うのです。

 

話の楽しいヘルパーや

マッサージのうまい理学療法士や

ご飯がうまいデイサービスも

そのサービスを受けて満足

と思われることを

「全くダメ」とまでは言わないけど、

それだけの価値しか残せないなら

ちょっと「……?」です。

 

介護保険の究極の目標は

「介護保険を卒業すること」。

介護保険のサービスを使わずとも

自分の力で生活できて

日常生活の不自由さをなくすことです。

 

「満足したので、もっともっと」は

介護保険の目標の

まったく逆をいっていると

自覚することが大事です。

モニタリングについて

ケアマネジメントの本を読むと、

よく「再アセスメント」という言葉と

セットで語られているのを

よく見ることがあります。

 

モニタリングと再アセスメントは

同じものなのかどうか、

ということを整理しておくほうが良いと

思っています。

 

モニタリングという言葉は、とある

TV番組のタイトルにもなっていますが

一般的にもよく使われる言葉のようです。

辞典を引いてみますと

「観察」・「測定」・「評価」

といった意味があるようです。

 

つまりは、サービスが計画どおりに

おこなわれているかどうか、

目標達成に役立っているかどうか、

ということを「観察」・「測定」・「評価」

していくわけですね。

そうなっていなければ、見直す必要も

出てくるかもしれません。

 

さて、モニタリングによって

プランの修正の必要があれば、再度

ケアプランを立てなければいけません。

そのためにはケアマネジメントの手順では

アセスメントをおこなう必要があります。

 

私が約1年前に書いたアセスメントの記事に

「アセスメントとは」というのがあり、

そこには、(以下、コピペ)

 

ご本人の生活の困りごとの

原因になることを突きとめる

一連の過程

 

①話を聞き、

②話の中身を分析し、

③課題を明らかにする、

 

(以上)が、

アセスメントであると書いています。

われながら、いいこと書いてる(笑)

 

こうしてみると、

モニタリングの中身である

「観察」・「測定」・「評価」は

アセスメントの中身でもある

ことが言えそうです。

 

そして、モニタリングは

「現状や聞いたことをそのまま書かない」と

書いていますし、

アセスメントについては

「単に話を聞くことではありません。

情報を収集することではありません。」

と書いています。

 

やはり、モニタリングでもアセスメントでも

目や耳にした情報を分析する(評価する)

ことで初めて意味あるものになる

ということですね。

 

そして、分析する基準は

「QOLが向上しているか」

ということになろうかと思います。

「月1回おやりなさい」と言われている

モニタリング。しかし、

「何をどうモニタリングするの?」

と困っている方がいるのを聞きます。

 

ここではモニタリングの意義を

書いておきましょう。

 

モニタリングのよくある間違いは、

「利用者さんの現状や聞いたことを

そのまま記録する」というものです。

 

え!それって間違いなの?

と疑問に思った人もおられますか?

 

そう思った人は、

「なぜ、ケアマネジメントするのか?」

ということをもう一度考えてみましょう。

 

要介護(要支援)者は、要介護(要支援)状態

になったため、生活の質(QOL)が低下している

と規定されていることになっています。

だから、ケアマネジメント(及びケアマネジャー)は、

つねに「低下した利用者のQOLの向上」を

念頭に置いておかなければいけません。

 

このシリーズでもそのことはずっと言っていました。

「アセスメント」はQOLを低下させている要因を掴む、

「ケアプラン」はQOLを向上させるための計画、

「サービス担当者会議」はその目的にむかって

関わる人たちがどうふるまうか、ということを

共有する場です。

 

では、「モニタリング」というのは、

QOLの向上が図られているか、否か

という視点で利用者さんの生活を

点検することなんです。

 

ね、

「現状や聞いたことをそのまま書きゃいい」

とはちがうでしょ。

 

そうすると、

「QOLが向上するとは何ぞや?」

ということになるんですが

これも前からさんざん書いてきたので

過去ブログを読んで下さい。

 

さて、もう少しモニタリングの視点

について書いてみますと、

①QOL向上のためのサービスが計画どおり

 提供されているか

②ケアプランに書かれた目標が達成しているか

の2点に気をつければ良いと思います。

 

①については、

利用者さんの体調や精神状態により、

当初予定していたサービスが提供できていない

ってことがあります。

そうなると、理論上はQOLの向上は図れない

ということになります。

 

②については、

サービスが計画どおりに提供されていれば、

おのずと目標も達成されているはずです。

 

①ができてなくて、②ができている

となると、何か見えない力が利用者さんの

中に起こっていると考えられます。

結構そういうことってあるかもしれません(^^)

 

①ができていて、②ができていない

となれば、(おや?)と思う必要があります。

サービス内容が悪いか、目標設定が間違っているか、

ということを考えるべきでしょう。

 

この続きは次回。