(前回はこちら 。)


はてさて、「ケアマネジメントの大切なところ、ケアマネジャーの仕事」に関して、私の考えを主張させていただいたので、本題の「ケアマネの報酬0円」に戻りたいと思いますが、さばねこさん が指摘される前から私も「なぜ、ケアマネは0円なんだろう」と思っていました。



そして、自分なりの答えはこうでした。

「ケアマネジャーの力がないからだ」と。

ケアマネジャーは介護保険制度が始まってからできた資格で、急いでたくさんの有資格者を作る必要がありました。介護福祉士、看護師、社会福祉士、医師、歯科衛生士、薬剤師、栄養士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師…などなど。

数えてみたら24職種もありましたよ。


このように、とても多くの基礎資格者がケアマネを受験できるようにしたのも、そういう事情があったからだと。ひとことで言えば「粗製濫造」。「猫も杓子も」。「みそくそ一緒」。「どさくさまぎれ」。


(少しニュアンスが違うものもありますが…。)


ということは「ケアマネジャー」「ケアマネジメント」の専門性、なんて考えられてなかった。そんな専門性のないものに利用者負担を強いると、国民から不平不満が出るに違いない。ここは国民に分からないように介護保険から、そっと…。

ということじゃないか、と思っていたのです。



しかし、さばねこさんの記事を見て「もしかしたら…」ということが思い浮かびました。

ケアマネジャーは利用者からの求めに応じて必要なサービスを計画する仕事。これは、介護保険が始まるまでは役場がしてきたこと。言ってみれば、ケアマネジャーの仕事は

行政がしてきたことを民間に下ろす、という今風の構造改革の流れのひとつではないか、と。


本来は役場の仕事だから、利用者負担は0円なんだ。


マックと同じなんだ…(しつこいですね)。


だから「中立公平」を声高に叫ぶんだ、と。



考えてみれば、そもそも高齢者福祉から発展した介護保険制度ですが、「福祉は国が保証するもの」という大前提があります。程度や制度の差こそあれ、どこの国でも福祉には国のお金が使われています。介護保険も1割は利用者負担ですが9割は保険から。そして保険料は国が国民からお金を集めて成り立っています。施設や人の基準も取り決められています。不正やサービスの質に問題がないか調べられます。


国が大きく関与するものなんです、この業界は。


そうなると、国はケアマネジャーをどういう位置づけにしているのか、ということを無性に知りたくなりました。すると、法律にはこう書いてありました。


介護支援専門員は、「要介護者及び要支援者からの相談に応じ、及び介護者又は要支援者がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス又は施設サービスを利用できるよう市市町村、居宅サービス事業を行う者、介護保険施設等との連絡調整を行う者であって…(以下、省略)」(厚生省令第五十三号 介護支援専門員に関する省令)

(詳しく知りたい方はこちらを 。)



これを、みなさんはどう解釈しましたか。

私はショックを受けたんです。


「国はケアマネジャーのことをこんな風に考えていたのか」と。

「やっぱりそうだった。」と。



(つづく。)





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(前回はこちら 。)


これが第3回目の記事になります。

またまた長くなりそうですので、

これまでの記事をまとめてみたいと思います。





ケアマネの報酬は、利用者の負担がありません。



これは介護保険制度から始まった「サービス利用料は1割負担」の原則にはずれている。そのため、利用者のケアマネの仕事に対する関心が薄くなり、ケアマネジメントの質が悪くても、批判を受けること少ない。その結果、ケアマネジメントの成熟につながらないのではないか。

でも、待てよ。ケアマネジメントの成熟と言っても、何を成熟させればよいのだ。ケアマネジャーの仕事とは何だ。それがはっきりしない限りは、ケアマネジメントを成熟させることはできないんじゃないか。だから「ケアマネの仕事」「ケアマネの専門性」をもう一度、考えてみよう。




ということが言いたかったんですよ、前回までは。伝わっていましたか?

それが心配で、まとめてみたんです。

というわけで、今回は「ケアマネ0円なのはなぜか?」ということから少し横道にそれて、「ケアマネの仕事とは」ということを考えてみたいと思います。

「今さら考える、って…。」って、思っている人も多いじゃないですか?

でも、はっきり言える人も少ないと思うんですよね。





ケアマネの仕事にはサイクルがあります。

ある文献を紐解くと、


アセスメント→ケアプラン

  ↑      ↓

モニタリング←サービス実施


とグルグル回っていきます。

ケアプランを作る際には、サービス担当者が集まって会議したり、サービス希望の方へ面接をしたり、ということはありますが、だいたいの仕事のサイクルとしては、このようなものです。



言葉の説明を少し挟んでおきますが、

「アセスメント」とは、その人はどんな人か情報収集して、要介護化してしまった原因を突き止めること。

「ケアプラン」とは、その要因に対するサービスを計画すること、です。

そして、サービスを実施して、そのサービスの評価すること、これを「モニタリング」と言いますが、モニタリングの視点は「そのサービスによって、狙いどおりの成果が得られているか」を確かめることです。

「サービスの狙い」とは、ある人にとっては「自立に向いているか」、ある人には「重度化が進んでいないか」、または「生活にハリが出ているか」など。

介護者に目を向けると「ストレスが少なくなっているか」「介護負担感が軽くなっているか」などです。


ふつうは、そういう狙いをもってサービスを計画するのですが、なかにはそんな狙いがないケアプランもあります。そんな計画を「思いつきケアプラン」「要望型ケアプラン」と呼んでいます。

ひどいのになると、自施設の利益誘導のためにサービスを計画する、なんてこともあります。こんな人が多いからケアマネジャーは「介護サービス営業マン」などと言われてしまうのです。



さて、ケアプランを立てる前に考えておかなければいけない大切なことは、「なぜ、介護が必要になってしまったか」ということを突き止めることです。

原因があって、結果がある。原因なくして、結果なし。その原因のことを「ニーズ」と言っています。ケアマネの書類では「生活上の解決すべき課題」と書いてあります。


ここでいう「ニーズ」という言葉は、誤解を受けやすいので定義しておきます。よく商品の製造、販売するような業界、ホテルなどのサービス業は

「お客様のニーズに沿った…」なんて言いますが、そのニーズとはニュアンスが違う、ということです。この場合の「ニーズ」とは「要望」というニュアンスが強いですが、ケアマネジャーが突き止める「ニーズ」とは「課題」だということです。

「要望」となると、「私はご飯を作るのが面倒くさい。ヘルパーさん、そこら辺のものでおかず作ってや。」とか、「足が弱ってもいいんじゃあ。ワシは横になり続けるゾ。」という利用者の言葉に「はい、お望みどおりにいたします、ご主人様。」となります。



そんな仕事じゃ「元気になる」という狙いと正反対ですよね。



もちろん、本人の意思を尊重することは大前提ですが、生きることに失望してしまっているお年寄りたちが、なぜそうなってしまっているのか、そしてそこからどうやって抜け出して、いかに奮い立つか。このままだとどんどん重度化してしまって「豊かな生活」ができなくなりますよ、できることは一緒にやっていきましょう、ということが大事なところなんです。

ここが、(ケアマネジャーを含めた)サービス提供者側の腕の見せ所で、醍醐味なんですね。


ところで私は、この要介護になってしまった「原因=ニーズ」をいかにきちんと見つけることができるか、ということがケアマネジャーの仕事の一番大切なところだと思います。私の経験では、老化から身体面の衰え、疾病。喪失感などの精神面が要介護化を促進させていると思います。そして家族との関係から見ると、家族関係の問題、介護負担感、経済問題、そこから来る本人、家族のストレスが在宅生活を諦めてしまう原因になると思います。

ですから、ケアマネジャーのつけるべき力は、「健康面・精神面」、「経済などの制度・社会資源の知識」、「家族・本人に介入する、事業者や関係者との交渉に必要なコミュニケーション能力」などが必要になってくると思います。



こうしてみると、「ケアマネって大変だよな」と思いますね。思ってくれますね!?



つづく 。)




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前回はこちら 。)



「ケアマネの報酬は0円」とは言いましたが、正確には、
ケアマネジャーの報酬は、担当する利用者の介護度が
「要介護1,2=10,000円」
「要介護3,4,5=13,000円」。
これにプラスして加算がつきます。
これはすべて介護保険から支払われて、利用者の手出しはありません。
つまり0円。マックの「スマイ…」(少し飽きた)。




介護サービスが1割負担に対してケアマネジメントは0円。

これでは「福祉はタダ」というイメージのあった措置の時代と変わらないじゃないか。

「サービスを買う」という意識がサービス事業所(サービス事業所とは、デイサービス、ホームヘルプサービスなどのことです)に対してはある。

だから、利用者からの苦情や要望もある。



一方、「ケアプラン作成」には費用がかからない。

だから、苦情や要望もケアマネジャーには少ない。

なにしろ、「ケアマネジャー?はあ???」という家族もある。

これでは、いつまでたってもケアマネジャーは育たないんじゃないか、

ということなんです。

ケアマネジメントが良かろうが、悪かろうが、担当する利用者がサービスを使ってくれれば、「は~い、10,000円、上がり~。」というわけです。

「この給料ドロボー!」と言われても仕方がありません。




さりとて、私もケアマネのはしくれ。

「ケアマネの専門性」を確立して「ケアマネの質の向上」を目指したい、と思うので、どうすべきか、と頭をひねらせているわけです。

いつまでも、「ケアマネ批判」をされたくないとも思っています。




ところで、ふと頭の中を何かがよぎりました。

さっき、「ケアマネジメントが良かろうが、悪かろうが…」と書きましたが、「良い」ケアマネジメント、「悪い」ケアマネジメントって、いったい何なんだ。

「ケアマネの専門性」って何だろう。



介護スタッフのように「身体介助」や「認知症のケア」が専門ではないし。

それができることには越したことはない。

でも、仕事としてそればかりをしているわけではない。

事業所に連絡をすること?

カンファレンスを計画、開催すること?

果たして、それが専門性になり得るだろうか。

家族の愚痴を聞くこと?あれは辛いときがある

(でも、いろんな人間模様があって、けっこう面白いときもあるんですよ、うふ♪)



もしかしたら、「ケアマネジメントって、こんな仕事なんです」っていうのが、はっきりしていないから、ではないだろうか。

ということで、「ケアマネの専門性」を考えるために

「ケアマネの仕事とは」ということを考えてみようと思ったのでした。



つづく 。)




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