(前回はこちら 。)


これが第3回目の記事になります。

またまた長くなりそうですので、

これまでの記事をまとめてみたいと思います。





ケアマネの報酬は、利用者の負担がありません。



これは介護保険制度から始まった「サービス利用料は1割負担」の原則にはずれている。そのため、利用者のケアマネの仕事に対する関心が薄くなり、ケアマネジメントの質が悪くても、批判を受けること少ない。その結果、ケアマネジメントの成熟につながらないのではないか。

でも、待てよ。ケアマネジメントの成熟と言っても、何を成熟させればよいのだ。ケアマネジャーの仕事とは何だ。それがはっきりしない限りは、ケアマネジメントを成熟させることはできないんじゃないか。だから「ケアマネの仕事」「ケアマネの専門性」をもう一度、考えてみよう。




ということが言いたかったんですよ、前回までは。伝わっていましたか?

それが心配で、まとめてみたんです。

というわけで、今回は「ケアマネ0円なのはなぜか?」ということから少し横道にそれて、「ケアマネの仕事とは」ということを考えてみたいと思います。

「今さら考える、って…。」って、思っている人も多いじゃないですか?

でも、はっきり言える人も少ないと思うんですよね。





ケアマネの仕事にはサイクルがあります。

ある文献を紐解くと、


アセスメント→ケアプラン

  ↑      ↓

モニタリング←サービス実施


とグルグル回っていきます。

ケアプランを作る際には、サービス担当者が集まって会議したり、サービス希望の方へ面接をしたり、ということはありますが、だいたいの仕事のサイクルとしては、このようなものです。



言葉の説明を少し挟んでおきますが、

「アセスメント」とは、その人はどんな人か情報収集して、要介護化してしまった原因を突き止めること。

「ケアプラン」とは、その要因に対するサービスを計画すること、です。

そして、サービスを実施して、そのサービスの評価すること、これを「モニタリング」と言いますが、モニタリングの視点は「そのサービスによって、狙いどおりの成果が得られているか」を確かめることです。

「サービスの狙い」とは、ある人にとっては「自立に向いているか」、ある人には「重度化が進んでいないか」、または「生活にハリが出ているか」など。

介護者に目を向けると「ストレスが少なくなっているか」「介護負担感が軽くなっているか」などです。


ふつうは、そういう狙いをもってサービスを計画するのですが、なかにはそんな狙いがないケアプランもあります。そんな計画を「思いつきケアプラン」「要望型ケアプラン」と呼んでいます。

ひどいのになると、自施設の利益誘導のためにサービスを計画する、なんてこともあります。こんな人が多いからケアマネジャーは「介護サービス営業マン」などと言われてしまうのです。



さて、ケアプランを立てる前に考えておかなければいけない大切なことは、「なぜ、介護が必要になってしまったか」ということを突き止めることです。

原因があって、結果がある。原因なくして、結果なし。その原因のことを「ニーズ」と言っています。ケアマネの書類では「生活上の解決すべき課題」と書いてあります。


ここでいう「ニーズ」という言葉は、誤解を受けやすいので定義しておきます。よく商品の製造、販売するような業界、ホテルなどのサービス業は

「お客様のニーズに沿った…」なんて言いますが、そのニーズとはニュアンスが違う、ということです。この場合の「ニーズ」とは「要望」というニュアンスが強いですが、ケアマネジャーが突き止める「ニーズ」とは「課題」だということです。

「要望」となると、「私はご飯を作るのが面倒くさい。ヘルパーさん、そこら辺のものでおかず作ってや。」とか、「足が弱ってもいいんじゃあ。ワシは横になり続けるゾ。」という利用者の言葉に「はい、お望みどおりにいたします、ご主人様。」となります。



そんな仕事じゃ「元気になる」という狙いと正反対ですよね。



もちろん、本人の意思を尊重することは大前提ですが、生きることに失望してしまっているお年寄りたちが、なぜそうなってしまっているのか、そしてそこからどうやって抜け出して、いかに奮い立つか。このままだとどんどん重度化してしまって「豊かな生活」ができなくなりますよ、できることは一緒にやっていきましょう、ということが大事なところなんです。

ここが、(ケアマネジャーを含めた)サービス提供者側の腕の見せ所で、醍醐味なんですね。


ところで私は、この要介護になってしまった「原因=ニーズ」をいかにきちんと見つけることができるか、ということがケアマネジャーの仕事の一番大切なところだと思います。私の経験では、老化から身体面の衰え、疾病。喪失感などの精神面が要介護化を促進させていると思います。そして家族との関係から見ると、家族関係の問題、介護負担感、経済問題、そこから来る本人、家族のストレスが在宅生活を諦めてしまう原因になると思います。

ですから、ケアマネジャーのつけるべき力は、「健康面・精神面」、「経済などの制度・社会資源の知識」、「家族・本人に介入する、事業者や関係者との交渉に必要なコミュニケーション能力」などが必要になってくると思います。



こうしてみると、「ケアマネって大変だよな」と思いますね。思ってくれますね!?



つづく 。)




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