今日は、大変なおばあさんの話をします。


介護保険の調査に出かけました。
この調査が、ご本人の介護度(要支援1、2 要介護1~5)を

決めるための基礎資料になります。





でも、なんとなくユウウツでした。

少し恐そうだったからです。

介護者のお嫁さんが。


今朝、電話したときに「午後にしてください、午後に!」と

ちょっと怒ったような感じを受けたのです。






家に着きました。


車から降りて「こんにちは~。遅くなりましたあ。」と、

満面のスマイル(‐^▽^‐)を見せたのですが、

「そこは車が通るところだから、横によけてください!」と

言われてしまいました。・°・(ノД`)・°・





調査したのは、認知症のおばあさん。

ベッドで横になっています。

心なしか、おばあさんの顔も表情に乏しい感じが。


お嫁さんは、私のななめ後ろに「ピタリ」と、

張り付いています。

監視されているようでした。






調査を始めました。


「何年に生まれましたか?生年月日を教えてください。」と聞きますが、

「…う~ん、…昭和、、、、、、忘れたわあ。」ほんとは大正なんですが。


何歳って問いには答えられない人も多いけど、

生年月日を答えられない、というのは、少ないんですよね。

年齢は毎年変わるけど、生年月日は変わらないから、だと思うけど。
返答はハキハキしているけど、ボケボケのおばあさんでした。



「歩けますか?」「はい、歩けますよ。」と立ち上がって、歩こうとすると、

とたんにヨロヨロ。

あわてて、支えました。


「右足がマヒしてるんです。」とお嫁さん。


……あっぶねえ~。ケガさせるところだった。

なんで、歩けない、ってことを教えてくれないのよ。(。・ε・。)






そういえば、お嫁さん、さっきから何もしゃべってくれないなあ。


おばあさんが生年月日で詰まったとき、

お嫁さんに助けを求めても無言だったなあ。

助け船、出してくれる人もいるのになあ。






「これで終わりますね。ありがとうございました。」と、

おばあさんと別れて、別室でお嫁さんに介護の様子を聞きました。

介護の様子をひととおり話をうかがった後、家族構成のことを聞いた頃です。

だんだんとお嫁さんのエンジンがかかってきて、いろんな話をしてくれました。


「うちは、夫も仕事をしていないし、2人で介護をしています。息子夫婦も勤めがあるから孫の世話もあるんですよ。」とお嫁さん。
聞くと、10ヶ月の赤ちゃん、3歳、6歳と3人のお孫さんがいらっしゃるそうです。

だから朝は戦争。

孫の離乳食の準備と保育園の送り出し。おばあさんの食事の世話、着替え。デイサービスの準備。


「おむつも大きいのから、小さいのから。出すゴミはオムツばっかりですよ。」

「掃除、洗濯が終わって、「ふ~。」とひと息つくと、もうお昼の準備でしょ。」と笑いました。





恐そう、と思ったのは、ハキハキしたしゃべり方だったからかな。(・・。)ゞ





いやあ、おばあさんも大変だ。

あ、大変なおばあさんというのは、ボケボケのおばあさんのことじゃなくて、介護しているお嫁さんのことですからね。

おばあさんの介護をして、孫の子守をして、家のこともして。

4世代同居か。まわりには分からない苦労もあるんだろうな。





「お邪魔しましたあ。」

玄関を出て、数歩歩いて、家のほうを振り返ると、ベランダに子どもの服と(ひい)おばあさんのパジャマがズラリ。



「今日はよく乾くだろうなあ。」と思いながら、家を後にしました。




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今日は1日、お宅訪問をしていました。

TVでやるような豪邸のお宅訪問ではありません。

月イチの訪問です。



94歳のおじいさんのところに行って1時間近くしゃべっていました。

というより、話を聞いていました。


「おお~、よお来たな。」から始まり、

「もう12月、早いですねえ。」と私が言うと、

「そうだなあ。世話になるようになって、どれくらい?

5、6年になるか。わしも、しわい(長生きした、という意味)け。」

と言いました。


そこからどんな話が始まったか、というと、戦争の話。

オリエンタルラジオも足元にも及ばない「武勇伝」です。




「あの時はよう生き延びたわ。もうダメか、と思うことが何度もあった。」

「○○から○○まで、退却しただ。1年もかかってだぞ。中国の道は舗装したところがどこもない。ぬかるみでこれぐらい(膝のあたりを指す)まで、はまってなあ、普通1日で行けるところを10日経っても行けんがな。」

「騎兵隊だったけどな、馬を木につないで丘に上がってメガネ(双眼鏡)で様子を見ようとしたときだった。少し歩くと後ろのほうで大きな音がした。「なんだろう」と思って振り向いたら、馬が吹っ飛ばされとった。」

「馬に乗っとってもなあ、たてがみのところを弾がかすめたり。でも馬はたてがみのところは少々あたっても大丈夫だけ。」

などなど。



私は「へえ~。」「はあ~。」「ふ~ん。」の連発。

ときに「それで、それで。」と相づちを打って聞いていました。


兵隊として戦地に就いた人たちの話は、本当に武勇伝が多いです。




戦争の話、と聞いて眉をひそめる人もいらっしゃるでしょう。




愛する夫や子どもを戦争で亡くし、その後大変な苦労をされた人生を送っていらっしゃる方もいらっしゃると思います。

戦時中に子ども時代を過ごし、貧しい生活を余儀なくされて、苦い思い出しかない人も多いと思います。

戦争は悲惨なものだ、ということは重々承知です。



だからといって、戦争の話をタブーにすることには違和感を感じます。

だって、おじいさん、「こんな話をするのはひさしぶりだった。誰もこんな話を聞きたがらない。」と言ったんですから。

苦労してきた人に配慮する、ということもあって話を控えておられるのでしょうか。


でも、自分が体験した強烈な思い出を話せないこと。

このもどかしさを解ってあげることはできませんか?





戦地で戦った人たちの話を生で聞くことは、

もう間もなく、できなくなるのですよ。





もったいないと思うのは、私だけでしょうか?





「批判を承知で、おじいさんのために書きました」

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「看護婦さんは何にもしてくれん。」と、おじいさんは言いました。

デイサービスに通っている91歳になるおじいさんのひと言です。

このおじいさん、お医者さん依存症で、

体のどこかに心配があると、だれかれ構わず

「看護婦さんを呼んでくれ~、先生に看てほしい~。」と懇願します。



最近の心配は“腰の痛み”です。

「動けん~。注射してほしい~。」と。

「どこが痛い?この辺?」と、押さえたり、ねじったりすると、

「あいたたたたたた。痛いがな~、このお。」と

逆ギレする人なんです。



ポータブルトイレにも行けないし、移動にも介助が必要。

家族も困っていました。もちろん、デイサービスの職員も。

病院に行って検査しても、異常はない。






どうしようか…。





思いあたることは、

「かまってほしい。」のかな、と。



寂しがり屋なんです、このおじいさん。

家では働き者の妻がいて、かいがいしくおじいさんの世話をする。

上げ膳、据え膳。シャツやパンツの替えまで、妻の仕事。



最近、その妻が調子を悪くして、寝込みがちになっていました。

その精神的な影響なのかな。





でも、とにかくこのままだと介助が増えていく一方なので、

医療的な相談に乗ってもらいやすいデイケアに場所替えしてもらいました。



デイサービスでの、なじみの関係が途切れるのは心配したのですが。



そして、2週間後。自宅に行ってみました。

果たして、おじいさんは…。



頭から布団をかぶって横になっていました。

「お・お・た・さ・ん(仮名)。お・は・よ・う・ございま~す!」

とっても耳が遠いので、耳元まで3㎝ぐらいのところで、大声で。




「ひゃああああ~。」(ノ゚ο゚)ノ




どうも、びっくりさせてしまったようです。



「ごめんなさい、びっくりした?」

“わたし”、“わたし”と、私は自分を指さして、

「来たで~。」と、今度は非言語コミュニケーションです。



「はあああ~、田中さんか。」

状況を飲み込んだ太田さんは、ひとつため息をつきました。





「よう来てくれましたなあ。ありがと、ありがと。」と

布団から両手を出して、拝む太田さん。



太田さんはそれからいっぱいしゃべってくれました。

いっぱいすぎて、忘れてしまいました。


でも、だいたいどんな内容だったか、というと、

「デイケアはいい。デイサービスと違ってうるさくないし、

みなさんがよくしてくれる。」と。


同じ時期に始まった訪問診療もよかったようです。

「先生がわざわざ家に来てくれて、心配してくれとる。」と

太田さんは言いました。



その後は、ベッドから起きてもらって、

30分ほど太田さんと妻と3人で話し込みました。


なんと太田さんは、トイレまで歩くこともできていました。

レンタルで借りていた歩行器も使わず、杖さえも。

少しオーバーに手を振って歩いてくださいました。






「ありがとう。感謝しとります。よ~、してくれて。」。






介護度の変更申請。出しちゃったけど、これじゃ、元のままだな。

(-^□^-)






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