成年後見制度、最後の話になります。

私の兄には障害があります。相続の関係で、父親が亡くなったときに兄の後見人申し立てをしました。成年後見人になったのは私の母です。

(相続に関しては母と兄とでは利害関係が生じるので別な手続きも行いました)。

母親は、毎年1回決まった月に家庭裁判所へ出むきます。兄の通帳を持って行き、きちんと管理できているか見られるのです。

裁判所に行った日の夜は決まって、「こんなことなら、おまえを後見人にしたらよかった」と、必ずぼやきます。



母親への報酬は0円ですしね。なんも良いことありません(-^□^-)



前回のお話で司法書士さんがその苦労話をされましたが、後見人になると管理をきちんとしているか、必ずチェックされます。

チェックするのは、兄の場合、主に「財産が減っていないか」ということに焦点が当てられているようです。

後見人は被後見人の通帳を自由にできますからね。不正な支出はないか目を光らせているわけです。



減っていないことは良いことなんですが、ちょっと待てよ。



前回の司法書士さんのお話、「Aさんが亡くなった後、何もしない孫の手元にAさんの財産が行ってしまう」と言っていました。

私が兄の後見人になったとして、兄のためにお金を使わず財産を増やして、兄が亡くなったとき、私が「笑う相続人」となってがっぽり兄の財産を受け取ることもできるのです。





これは大変なことだ。



早く、兄の後見人にならなくては…(笑)



………ひどい冗談が出たところで(;^_^A





でもこれは、大変な問題なんです。


特に、これから高齢者となっていく団塊世代の皆様方は現役時代バリバリ働かれて、高給取りだったんじゃないですか?
でもね、ボヤボヤしていると、あなたがせっせと貯め込んできた財産が「笑う相続人」へ流れて行っちゃいますよ。

実際に、認知症になった親(認知症になっていない親も)の年金を当てにして暮らしている子どもたちも多いですからね、悲しいことですが。身内というものは恐いもんです。



だから、後見人は第三者に頼んだほうが良いのかな。そうなると、社会福祉士の活躍する場も増えるし( ´艸`)ププ

こういうことがおこらないように「任意後見」をしておくと良いんですね。「自分の財産は自分で自由にしたい」と、考える人はすぐ手続きをしてください。「任意後見契約」は裁判所ではなく、「公証人役場」で手続きをしてくださいね。


その点、貧乏な方は安心ですね。相続する財産もなければ、後見人への報酬が必要ない場合もあるんです。生活保護の方でも、ちゃんと後見人がつけられるんです。



では最後の締めを。こほん。



将来が心配なご本人さんは、今すぐ「任意後見」の手続きをしましょう。


後見人の皆さんは、本当にその人の身になって、その人の財産がその人のために使われるように考えて実践しましょう。

裁判所はそんなふうに真剣に取り組んでくれる後見人の皆さんの邪魔をしないように、本当の意味で支えてあげましょう。


そして、成年後見を支える職能団体の皆さんや行政さんは、中心となって質の高い後見人さんを養成しましょう。





余計なことを申しました。m(_ _ )m





とっつきにくい話に、最後まで

お付き合いくださいまして、

ありがとうございます。

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後見人になる人は配偶者や子ども、親戚、友人、赤の他人など、誰でもいいのですが(欠格事由 もあります)、身寄りのない人たちは誰に後見人を頼んだらよいか、たちまち困ってしまいます。

そういう人たちのために、法律の専門家たちが集まって後見人を請け負う組織があります。

日曜日の研修会は、講談のあと、司法書士を中心とした「リーガルサポート」という組織の代表と社会福祉士会の代表によるPRの時間がありました。



司法書士さんは実際に起こっている問題点を挙げて、その苦労話をされました。

「病院に40年以上、入院している患者のAさんの後見人になりました。Aさんが所持していた預貯金は500万円。障害年金などが少しずつ貯まって今のお金になっていました。ところで、このAさんの面会に来る人は1人もいませんでした。調べてみると、B県に孫がいました。それ以外に相続の権利を有している人はいません。

後見人は本人が亡くなった後のこと(葬儀や納骨など)は一切できないように決まっていますが、その孫と話しをすると「そんな面倒なことはとてもできない」、と言うのです。

このままではAさんが亡くなった後、Aさんの財産は何もしてあげなかった孫の手元にいってしまうのです。どう思いますか?こういうのを“笑う相続人”というのですね。だから私はAさんが生きている間に、Aさんの財産をAさんのために使ってあげようと思ったのです。結局私は、裁判所と相談してお墓を新しくしたり、永代供養のための手続きをしたりしました」。

Aさんの場合は、Aさんが生きるために支給された年金が何もしない孫にいってしまうことを良しとしなかった後見人さんが裁判所を説得してAさんのために財産を処分した、という話です。裁判所は財産がきちんと管理されているか定期的にチェックしています。このケースは裁判所も協力的だったので良かったですが、「その人のために」と思って財産を処分しようとしても裁判所がストップするケースもあるようで、その憤りを強く訴えておられるようでした。




続けてBさんのお話。

「後見人は手術の同意はできないようになっています。同意書は本人が書けない場合は家族が行うことになりますが、同意書を書いてくれる家族が近くにいません。やっぱりこの人も遠方に住んでいて、ふだんは全く行き来のない人です。そんな人が病院に来て大事な手術の同意書を書くでしょうか。仕方なしに私は書いています。書いてあげて手術をしないと、その人は亡くなってしまうんです」

後見人には手術への同意をする権利はありません。手術への同意は原則的には本人だそうですね。家族もしてはいけないらしい。でも、Bさんはペースメーカーをしていて、電池交換のための手術だったようです。万が一、手術が失敗したらその責任は同意した後見人さんにも覆い被せられるのでしょうか。もしそうであるとすれば、大変なリスクを負うことになりますね。医療への同意の問題もその道の専門家の多くが法改正を望んでいる項目のひとつです。(ちなみに入院への同意はできることになっています)



余分なことを言うのですが、残念だったのは、この人情味あふれる司法書士さんの話に対して、社会福祉士さんの話の淋しいこと。自分の組織でどんな研修をしているか、後見を受け持っている人数を話したくらいでした。



当たり前ですが、改めて「資格がその人の人格を決める訳じゃないんだ」と思いました。「社会福祉士だから優しい人だろう、人情味のある人だろう」そんなバカなことはない。そう思いましたね。「社会福祉士の専門性」。それって、なんでしょうね?



つづく 。)


文字が多すぎてごめんなさい^^;

次回最終回ですm(_ _ )m

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ふたつめの話は僭越ながら、

私がむかし、担当していた人のお話を。


10年くらい前のことです。

私は知的障害者通所授産施設に勤めることになりました。

通所授産施設というのは、地域の障害者の皆さん

(私たちは「仲間」と呼んでいました)に施設にきてもらい、

仕事をしてもらうところです。

仲間たちが家から通ってその施設で仕事をする、ということです。

送迎もしますので、デイサービスみたいなものと

考えてもらったら分かりやすいかもしれません。


新しく施設がオープンするので、

そちらに勤めることになりました。




和田さん(仮名)は53歳の男性。

山あいの小さな集落に住まいがありました。

和田さんは学校を卒業しましたが勤めるところがなく、

ずっと両親のもとで生活していました。

20歳代も30歳代も40歳代も家にいて、

近所をブラブラしていました。


人なつっこい性格で、小学生が学校から帰ろうとするところを

声をかけたり、ついていったりと、気ままな生活でした。


家に帰ると両親がいて、ご飯も炊いていてくれるし、

和田さんにとっては何不自由ない生活だったのです。


そんな和田さんの家から1キロメートルほど離れたところに、

私が勤める施設がオープンしました。


和田さんのお父さんも「子どもの出かけるところができた」と、

その施設に通ってくれることを望んでいました。

お父さんにとっては念願の施設だったようです。


しかし、お父さんの期待に反して、

和田さんは2、3回施設に足を運びましたが

長続きしませんでした。


長年の気ままな生活が抜けなかったのです。

9時に施設に行って仕事して、17時に帰る。

そういう習慣を身につけることが苦痛でした。

私は何度も自宅へ通って、和田さんと一緒の時間を過ごしましたが、

最後まで和田さんは通うことを拒みました。

お父さんは落胆しました。


何度も足を運んだ家だったので、

和田さんとはもちろん、お父さんともいろんな話をする仲になっていました。


ある日、お父さんがポツリとこう言いました。

「私たちが逝ってしまったとき、この子はどうなるんだろうな」と。


お父さんもお母さんも80歳を超えていました。

お父さんは喘息があり、体調はよくありませんでした。

「私たちが亡くなったら、施設だろうけど」と、お母さんは言いました。


私はこの頃、成年後見制度を知りませんでした。

だから、ご両親を安心させてあげることができませんでした。


現在、和田さんとご両親がどうしておられるのか、知りません。

でも、こうして時々思い出します。

今、和田さんは、そしてご両親はどうやって暮らしているのでしょうか。





障害のある子供を持った親は、自分たちが亡くなった後のことを

例外なく、皆さん心配されています。

そんな人たちが親亡き後に困ってしまわないために

成年後見という制度があるのですね。


こういうときに成年後見人は、和田さんの身になって

財産を管理したり、施設に入らないとやっていけないのか、

それともヘルパーなどの支援で在宅での生活が続けられるのか、

考えていくのでしょうね。


つづく 。)


次回は、成年後見制度の課題を!

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