後見人になる人は配偶者や子ども、親戚、友人、赤の他人など、誰でもいいのですが(欠格事由
もあります)、身寄りのない人たちは誰に後見人を頼んだらよいか、たちまち困ってしまいます。
そういう人たちのために、法律の専門家たちが集まって後見人を請け負う組織があります。
日曜日の研修会は、講談のあと、司法書士を中心とした「リーガルサポート」という組織の代表と社会福祉士会の代表によるPRの時間がありました。
司法書士さんは実際に起こっている問題点を挙げて、その苦労話をされました。
「病院に40年以上、入院している患者のAさんの後見人になりました。Aさんが所持していた預貯金は500万円。障害年金などが少しずつ貯まって今のお金になっていました。ところで、このAさんの面会に来る人は1人もいませんでした。調べてみると、B県に孫がいました。それ以外に相続の権利を有している人はいません。
後見人は本人が亡くなった後のこと(葬儀や納骨など)は一切できないように決まっていますが、その孫と話しをすると「そんな面倒なことはとてもできない」、と言うのです。
このままではAさんが亡くなった後、Aさんの財産は何もしてあげなかった孫の手元にいってしまうのです。どう思いますか?こういうのを“笑う相続人”というのですね。だから私はAさんが生きている間に、Aさんの財産をAさんのために使ってあげようと思ったのです。結局私は、裁判所と相談してお墓を新しくしたり、永代供養のための手続きをしたりしました」。
Aさんの場合は、Aさんが生きるために支給された年金が何もしない孫にいってしまうことを良しとしなかった後見人さんが裁判所を説得してAさんのために財産を処分した、という話です。裁判所は財産がきちんと管理されているか定期的にチェックしています。このケースは裁判所も協力的だったので良かったですが、「その人のために」と思って財産を処分しようとしても裁判所がストップするケースもあるようで、その憤りを強く訴えておられるようでした。
続けてBさんのお話。
「後見人は手術の同意はできないようになっています。同意書は本人が書けない場合は家族が行うことになりますが、同意書を書いてくれる家族が近くにいません。やっぱりこの人も遠方に住んでいて、ふだんは全く行き来のない人です。そんな人が病院に来て大事な手術の同意書を書くでしょうか。仕方なしに私は書いています。書いてあげて手術をしないと、その人は亡くなってしまうんです」
後見人には手術への同意をする権利はありません。手術への同意は原則的には本人だそうですね。家族もしてはいけないらしい。でも、Bさんはペースメーカーをしていて、電池交換のための手術だったようです。万が一、手術が失敗したらその責任は同意した後見人さんにも覆い被せられるのでしょうか。もしそうであるとすれば、大変なリスクを負うことになりますね。医療への同意の問題もその道の専門家の多くが法改正を望んでいる項目のひとつです。(ちなみに入院への同意はできることになっています)
余分なことを言うのですが、残念だったのは、この人情味あふれる司法書士さんの話に対して、社会福祉士さんの話の淋しいこと。自分の組織でどんな研修をしているか、後見を受け持っている人数を話したくらいでした。
当たり前ですが、改めて「資格がその人の人格を決める訳じゃないんだ」と思いました。「社会福祉士だから優しい人だろう、人情味のある人だろう」そんなバカなことはない。そう思いましたね。「社会福祉士の専門性」。それって、なんでしょうね?
(つづく
。)
文字が多すぎてごめんなさい^^;
次回最終回ですm(_ _ )m