結婚式というちょっと非日常の空間で、
色々な方のスピーチを聞いている私。
先日、新郎さんの勤務先の社長さんの
されたスピーチが、
と~~~っても聞き心地良くて、
しかも「伝わるスピーチ」だったんです!
この方のスピーチが、
「伝わるスピーチ」と感じた理由。
それは・・・
「新郎さんのご両親に向けて話していたから」
雰囲気としては「花嫁の手紙」に
近い感じだったというと、
少しその様子が伝わりますかね?
花嫁の手紙って、
新婦さんがその場にいる
ご自身のご両親に向けて、
これまでの感謝の想いを
話すものですよね。
特定の人に向けて伝えていることなのに、
それを聞いている人は
不思議と感動したり、
温かい気持ちになりますよね。
まさにそんな感じで
この社長さんは、
普段の会社での新郎さんの様子や
特筆すべきエピソードを、
新郎さんのご両親に伝えるような
話の仕方で終始スピーチを
されていたんです。
「特定の人に向けて話しているのに
なぜ伝わるスピーチなの?」
って思いますよね~。
結婚式のスピーチのように
大勢の前で話す時には、
その場にいる全員に向けて
「伝えよう」と思うものですよね。
色々な方のスピーチを聞いてきて
しみじみ思うことは、
「みんなに伝えようとするスピーチは、
なぜか伝わりにくい」
ことが往々にしてあるんです。
ところが、
その場にいる誰か一人に向けて話していくと、
ひいてはそれが全員の心を掴んだり
するものなんです。
それをこの社長さんは
すごく自然な感じでされていたので、
より一層伝わるスピーチに思えた
大きな由縁です。
披露宴の歓談中、私この社長さんと、
ちょっと話ができたんです。
思わず、
『とても新郎さんの人柄が
伝わるスピーチでした。
何か意識されたことってあるんですか?』
と質問してしまったんです。
そしたら、こう話してくれました。
『仕事柄、人前で話す機会が多いんですが、
全然慣れなくって。
それに、まぁ聞いてもらえないんですよ(笑)
そこで僕なりに色々考えたんです。
もし自分がスピーチを聞く立場だったら、
どんな話だったら思わず聞き入っちゃう
かなと思って。
そこで行き着いたのが、たくさんいる中で
たった一人の人に向けて話すこと!
だったんです。
新郎の親御さんに、彼の普段の会社での
様子とかを話してあげたら、
我が子ながら知らない一面を知れて
いいんじゃないかなと思いまして。
結果的に、司会の方にそんな風に
思ってもらえたなら、私のスピーチは
楽しんでもらえた証拠ですかね』
そんな思いでスピーチを用意されたことを
ご本人から直接伺うことができて、
色々納得しちゃいました。
逆説的ですが、
大勢に伝えようとするよりも、
たった一人に伝えようとした方が
結果的にはその場にいる人の印象に残る
スピーチになるんですよね。
まだまだ勉強になることに溢れていて、
スピーチって本当に奥深いんですよ!
本日も結びまでお読みいただいて
ありがとうございます。