私は葬儀から司会業をスタートしました。
今思えば、声が明るくて葬儀向きじゃない、
と言われたことは数知れず・・・。
とはいえ、葬儀司会を経験させてもらって
いろ～んな勉強ができたのも事実なんです。
今でも絶対に忘れない出来事があります。
それが『名前』にまつわる
苦い思い出です。
告別式での司会。
ず～っと、故人と喪主の名前を
言い間違えるという大失態。
(故人は・・・やいちさん、
喪主は・・・やいちろうさん)
私自身もずっとそのことに気付かず、
告別式が終わってから、
言い間違いを知らされました。
後日ご遺族からの大クレームがあり、
私も反省文を書いて提出する等、
お許しいただくのに相当色んな方に
力を貸してもらって何とかお許しを
いただいたのです。
結果このミスがきっかけで自信喪失し、
葬儀司会から身を引くことになりました。
お恥ずかしながら、このミスを起こすまで、
『名前』に関して
まったく注意を払っていなかった私。
葬儀は大切な方とのお別れの儀式。
そこで司会者が故人と喪主の名前を
ひたすら間違って連呼していたら・・・
違和感を超えて怒りになって当然です。
その葬儀を担当されていた住職に
後日会った際、こんなことを言われました。
『名前はね、
人が生まれて最初にもらう
両親からの贈り物。
あなたもご両親から贈り物を
もらったからこそ素敵な
名前があるんだよ。
だから人様の名前は
何よりも大切なもの。
その意識を絶対に
忘れちゃいけないよ』
かれこれ15年以上前に言われた、
この言葉を今でも鮮明に覚えています。
葬儀司会で名前の言い間違いという
大失態。
その後結婚式の司会をするようになり、
一番肝に銘じて発しているのが
『名前』です。
以来ここまで、名前の言い間違いという
失態をおかすことなく司会の仕事が
できています。
間違いはしないにこしたことは
ありませんが、この苦い思い出が
その後の私の司会に対する姿勢を
大きく変えてくれたことに、
今では感謝しかありません。
やいちさん、やいちろうさん・・・
あの時は本当にごめんなさい。
本日も結びまでお読みいただいて
ありがとうございます。
