「私、とっても怖いことがあるの。」とカイカイ。
「なにがそんなに怖いの?」私。
「自分が誰だか分からないこと。 自分を知っている人が誰もいないこと。」
ごく幼い頃に、家族とは生き別れになったカイカイ。 幼い頃の記憶はあるものの、その後血縁との関係は一切なく過ごしてきたカイカイ。
自分の周りに一人も血縁関係のある人はなく、また接触方法も全く途絶えてしまっていることが、とても怖いと言っているのです。
私自身は両親の元で兄弟とともに育ち、親戚も多く、そのような恐怖を全く感じることなく生活してきました。 親には反発し、むしろ親戚付き合いは煩わしいとさえ思っていた時期もありました。 全く身寄りのないことがどれほどの恐怖なのか、想像を絶するものがあります。
そんなカイカイに言葉に、
「私は、カイカイのお父さん、お母さんに感謝してるのよ。 こうしてカイカイと会うことができたから。」 と言ったものの、彼女には的を得た答えにはなっていなかったようです。
反発する親がいたこと、所謂身内と言われる肉親の顔が分かることが、どれほど感謝しなければならないことか。 パンチを受けたような衝撃でした。
彼女のことを理解することは出来なくても、少しでもカイカイが安心して、ハッピーに過ごすことが出来ればと思った日でした。
