渡したお金の中から、肉、野菜などの食品を買いに行きます。
ミャンマーの市場はレシートはないので、帰ってきて、ノートに買ったものの値段を書き残金を戻すことに決めました。
市場から帰ってくると、一生懸命ノートに書いているカイカイ。 渡されたノートを見ると、残金があっていません。 注意して電卓を渡してみたものの、残高が多かったり、少なかったり。
真剣にノートとにらめっこして、指を折りながら数えている姿見て、
「もしかして、この子、計算のしかたが分からないのかも」と思い当たりました。
それから毎晩、カイカイと私の算数教室が始まりました。
カイカイは幼い頃から働きながら逞しく生きてきた子。
「1,000チャットで300チャットのマンゴがいくつ買える?」と尋ねると、すぐに「3個」と答えます。
「じゃあ300チャットのマンゴは3個だといくら?」と尋ねると、とたんに分からなくなってしまいます。
教育を受ける機会に恵まれなかったカイカイにとって、それまでの生活で計算が必要になるのは買い物の時。 1,000チャットで300チャットのマンゴを1個買ったら、700チャット。もう1個買ったら400チャット、というように、引き算の考え方にはとても優れているのですが、足し算の考え方が苦手でした。 確かに実生活では足し算より、引き算の方が使うことが多いかもしれませんね。
果物や鉛筆の絵を描きながらの、足し算、引き算の算数教室。 二人で楽しみながら、でも真剣にカイカイ頑張りました。 そのうちに電卓を使って、大きい数の計算もちゃんと出来るようになりました。
