ローカーボ治療についての諸説-2
医師に次いで重要なのが、現場の栄養士の指導、ならびに彼(女)らによる病院食です。
私が通っているスポーツジムには、管理栄養士もスタッフとして働いています。レベルも様々なのは理解していますが、彼女の「ご飯は太らないですよ」という一言、およびその根拠説明を聞いて、その栄養士の言うことを全く信用しなくなった経験があります。
そしてローカーボ食治療の勉強を始めてから見るようになったのが、栄養士さんのブログや掲示板。
伝統的な栄養学を学んで来られた方々だけに、ローカーボ食についてはコメントや解説もあまり見られません。
時折、勉強会をしている栄養士さん達の集まりもあるようですが、レガシーな治療法しか知らない医師を講師に呼んで、レガシーな栄養学の再確認をしているという程度。
以下は、そうした業界の人たちのローカーボ食に関するコメントの例です。
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その1.
糖質制限食で糖尿病治療、肥満治療、アトピー、スポーツ栄養などで本を出されている医師がおります。江部康二先生、荒木裕先生、釜池豊秋先生だと思います。
いずれにしても現役の医師で食事療法に取り組んでおられますが、栄養士の食事指導とは、根本的に違います。
上記先生方の本をお読みになると理解できると思います。
担当医と相談での栄養指導が必要です。中途半端な知識で行えば患者さんの迷惑どころか、責任問題にも発展しかねません。
その2.
私もそのお話は詳しく知らないのですが、まずは患者様が本当に糖質制限が必要かどうかを見ていくことが必要だと思います。
必要量以上に摂っていれば制限は必要ですが、決められた量をきちんと守っていて、血糖コントロールが悪いなら他に原因があるのではないかと推測しても良いと思います。糖質だけでなく、タンパク質、脂質の過剰摂取によっても血糖コントロールは悪くなります。
なので、糖質制限が本当に必要かどうか、まずは検討していかなければならないですよね。
それには、患者様の生活を十分に把握することが絶対条件になりますが、それが患者様に「今」必要な栄養指導になると思います
その3.
それって、糖尿病の方に対しての糖質制限食のお話ではないでしょうか。
私自身も詳しくは存じませんが、なので、具体的に栄養指導にとはいくまでにしっかりとして定義等を勉強されてから実践に活かしていくほうが良いと思います。
糖尿病に関しての糖質制限食については私もこれから、勉強していかなくてはと考えています。がんばりましょうね。
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「栄養士の食事指導とは根本的に違います」 「責任問題にも発展しかねません」という発言には、お役所的な考え方が充満しているように感じます。
更に、「たんぱく質、脂質の過剰摂取によっても血糖コントロールは悪くなります」という発言に至っては、本当に代謝のことを勉強してきたの? と言いたい位のレベルです。
その3.の発言をする栄養士さんもいるんだというのは私達糖尿人にとっては救いです。
ということで、医学界のみならず、栄養学会のレベルも現状こんな程度。「プロだったらもっと勉強しろよ」と言いたいですよね。
糖尿人は、医師に対してのみならず、栄養士の指導に対してもドンドン質問・発言をしていかねばならないと思います。
ローカーボ治療についての諸説
ローカーボ治療と一言で片づけられないほど、この領域に関して激烈な議論があります。
糖質制限・炭水化物制限の違い、グルコーススパイク影響の有無等について、我々医学の素人では理解できない専門的な議論がなされています。
先日、糖尿病について相当にお詳しい読者の方から、グルコーススパイクの解釈についてのご意見も頂戴しました。
私が先月行った糖負荷試験の是非についても他のSNS等で、「糖尿病とはっきり分かっているのに何故そうした検査を行う必要があるのか」との議論もなされています。
私の糖尿病についての勉強経験は、僅か5ヶ月。元は、理学部・農学部の修士・博士課程を出た会社の同僚に借りた生化学の本が発端です。
私は、生粋の文科系出身で、代謝を理解するのに必須の熱学や化学式すら理解できなかったのですが、同僚の懇切丁寧なレクチャーもあり、大まかな代謝理論について中学生程度のレベルの理解には達したものと思います。
その後、書店で素人向きに書かれた糖質制限食に関する複数の書籍を購入し、読み込みました。江部医師や釜池医師のブログも隅々まで読み込みました。
この領域で最も有名なのは江部医師でしょう。
ところが、江部医師の書籍・ブログに、「蛋白質や脂質はすぐに血糖値はあげないが、数時間後にその50%は血糖値を上げる」との記述がありました(現在はまちがいだったと訂正されています)。
江部医師のこの記述については、私の理解では生化学の教科書に書いてあることと明らかに矛盾しており、同僚にも確認したところ、「ホントにその医師の言うことを信じていいの?代謝のことについてなんにも分かっていないよ」とのコメントでした。
ローカーボ治療で有名なのは、江部医師、灰本医師、釜池医師の3氏ですが、我々の知りえないところで激烈な議論(一部は釜池医師のブログで知ることはできますが・・・)がなされているようです。
ロジカルな議論では、臨床医一筋の江部医師が一番分が悪いようですが、彼のローカーボ治療の普及に果たした役割は称賛に値すると思っていますし、細かい治療法の差異は別にして、現実的に多くの糖尿病患者を救っているのも事実。
多くの著作や講演会(特に素人向き)をこなしている内に、その文書や発言の中に論理矛盾を含んでしまったり、多少の自己顕示欲が働いてしまうのは、世の常。人間のさが、能力の限界でもあります。
江部医師に関しては、前述の様な若干の論理的齟齬もあったり、講演会や書籍でたんまり儲けていることに対する妬みややっかみも多いのですが、ブログで堂々と自説を述べ、ある時は間違いは間違いであると認め、読者の相談や議論にも応じていらっしゃいます。
その点では、私は清濁併せのんだ上で、彼を立派な方だと思っています。
そうした中で、3者でつぶしあいをするのではなくで、是非今後とも、積極的に議論を戦っていただき、ローカーボ治療に全く理解が無く、レガシーな治療法に拘る医学界の権威の方々にも、その議論に参加いただきたいと思っています。
そして、その方々を応援し、後押しするのが我々一般の糖尿人のパワーではないかと思います。
遂に大衆週刊誌もローカーボを取り上げた
コンサート開場前に立ち寄った喫茶店。
そこで何気なく手に取った週刊現代に、炭水化物(抜き)ダイエット、すなわちローカーボダイエットの記事が掲載されています。
中身は、ローカーボ食治療を行っている人には、当たり前のことばかり書いてあるので、何のことはありません。
でも、サラリーマンが良く読んでいるこうした週刊誌にもローカーボダイエットが取り上げられたことは画期的なこと。
問題は、これが社会に対してどうような影響を与えるかということですね。
政界ゴシップ記事ばかり載せている週刊誌ですから、「どうせいい加減な記事でしょう」と、一層ローカーボ食治療を馬鹿にする人もいるでしょうし、プライドの高い医師や栄養士はかえって意固地になるかもしれません。
その一方で、旧来の治療法では糖尿病が改善できない人が、神をもすがる気持ちでローカーボ食治療に取り組むかもしれません。
いずれにしても、面白くなってきました。