WEB講義15回です。今回は資産の譲渡等の時期です。
資産の譲渡等の時期の原則:
資産の譲渡等の時期の原則は、引渡基準である。
※消費税法の本法では、資産の譲渡等をしたときがいつから規定されていないが、基本通達において、発生主義により資産の譲渡等の時期を把握するとしている。
※請負による場合には、①物の引き渡しを要する建築物等の場合には、引き渡した時点、②物の引き渡しを要しない請負の場合には、役務の全部を完了した日とする。
前受金、借受金:
引き渡していないため、この時点では、資産の譲渡等は行われていない。
預り保証金の資産の譲渡等の時期:
契約により、時の経過により資産計上していく場合→契約書ベース
賃貸借契約に基づく使用料等を対価とする資産の譲渡等の時期(原則的取扱):
契約又は慣習よりその支払を受けるべき日とする。
※契約書に「○月分家賃を翌月5日に支払うこと」と書かれている場合で、12月分家賃を1月5日に収受したら、っ収受すべきひは、12月であるため、資産の譲渡等の時期は12月である。
賃貸借契約について、契約存否に関して係争がある場合:
使用料等の対価の額が確定し、支払いを受けることとなった日が資産の譲渡等の時期である。
※具体例 前期分家賃月額500,000円×12ヶ月分の契約の存否による係争
前期-未確定のため、資産の譲渡等計上せず
当期-使用料等の額が確定(上記500,000円×12ヶ月が確定)し、翌期の5月31日に支払いを受けることとなった場合には、5月31日が資産の譲渡等があった日となる。
☆支払期日は無視する。
賃貸借契約について、使用料等の増減に関して係争がある場合:
支払期日
個別問題集の問題34
<設問2>
H21年12月分とH22年1月分は、1月までは契約が続いているため、その未払分を賃借人は支払ったとあるから、H21年12月分とH22年1月分は、前期に計上済みである。しかし、H22年2月分以降は、契約解除してるため、和解により、その契約が引き続き継続することが確定した時点で計上することとなる。
従って、契約解除の2月から和解するまでの5月まで4か月分×200,000円、その後の10か月分×200,000円となる。
<設問3>
20世帯のうち、19世帯は、賃料引き上げに異議は無いため、契約通り新賃料160,000円×19世帯×12ヶ月(4-3月分)、異議のある1世帯に関しては、不服としながらも、契約自体は解約していないため、当初の150,000円を収受し、既に前期3月分までは計上済みである。その後、H22年5月に月額155,000円で和解しているため、既に計上済みの3月分150,000円と和解で確定した賃料155,000円との差額を計上し、4月分からは155,000円×12ヶ月分を計上する。
長期割賦販売等に係る特例:
適用要件は、長期割賦販売等について所得税法又は法人税法上、延払基準を採用していることで、その場合には、消費税法上、延払基準を採用するか引渡基準を採用するか選択することができる。
※従って、所得、法人において延払い基準を採用していないばあには、引渡基準確定である。
長期割賦販売等の延払い基準による計算方法:
①長期割賦販売等を行った課税期間
対価の額-支払期日未到来部分の対価の額
②翌課税期間以後
支払期日到来した部分の対価の額
※途中で、免税事業者となった場合等一定の場合には、のこりを全額計上である。
長期割賦販売等の意義:
①3回以上に分割して収受すること
②分割期間が2年以上
③目的物引渡時までに2/3になっていること
※③の意味があまりわからない。。。後日復習だ。
長期割賦販売等に係る手数料の収受:
利息と同性のため、非課税とする。
非課税資産の長期割賦販売等:
4%課税売上のみならず、輸出免税、非課税についても同様である。
工事の請負に係る特例:
所得又は法人で工事進行基準が適用される場合に、消費税法において、工事進行基準か引渡基準かを選択することができる。
※なお、長期大規模工事については所得又は法人では、強制適用とされる。
長期大規模工事の意義:
着手の日から引渡時までの期間が1年以上、かつ、大規模な工事であること
工事進行基準を採用している場合の計算方法:
①引渡課税期間前
請負金額×当期末までの原価/見積総原価-前期末までの売上計上金額
②引渡課税期間
請負金額-引渡課税期間前の各課税期間に計上した売上の合計額
仕入税額控除との関係:
①
工事請負に対する原価は原則は、材料等を購入した時点で仕入税額控除を行うが、未成工事支出金として経理した場合に限り、例外として、工事の完成引き渡し時に一括控除することができるとしている。
※
5/1 材料購入 未成工事支出金/現金 5,250円
5/15 材料購入 未成工事支出金/現金 10,500円
5/26 完成引渡 原材料費/未成工事支出金 15,750円 ←ここで全額控除
②
設計等に係る課税仕入れ等についても、原則、購入の都度、仕入税額控除を行うが、設計等の都度、建設仮勘定として経理処理している場合には、完成時にまとめて仕入税額控除することができる。
※
5/1 設計料支払 建設仮勘定/現金 5,250円
5/15 設計料支払 建設仮勘定/現金 10,500円
5/26 完成引渡 建物/建設仮勘定 15,750円 ←ここで全額控除
賃貸借取引とされるリース:
月額リース料29,480円×12ヶ月を計上
売買取引とされるリース:
売買処理の場合には、リース料総額から利息相当額を差し引いた金額を計上するが、ここで注意なのが、利息部分に関しては、12ヶ月分のみしか計上しないこと。
見事に利息全額を非課税売上に計上してしまいがちである。
金融取引とされるリース:
リース会社が、資金繰りが厳しいA社の資産を購入する。しかしA社は、その資産がないと事業を行っていくことができないため、リース会社はA社に対してその資産をリース取引を行う。リース会社がA社に購入代金として支払った行為は消費税法上、金銭の貸付として取扱い、A社から受け取る受取リース料は、その返済とする。
※この場合の受取リース料は、元金返済部分と、利息部分とがある。
①リース会社の処理
リース料を収受 現金 25,000円/貸付金 23,500円
受取利息 1,500円 ←非課税売上計上
②A社の処理
リース料の支払い 借入金 23,500円/現金 25,000円 ←仕入税額控除なし
支払利息 1,500円
所有権移転外ファイナンスリース取引:
①売買処理 リース料総額-利息相当額を計上
☆仕分
リース資産 ○○円/リース債務 ○○円(全額控除)
②賃貸借処理(原則) 全額控除
☆仕分
仮払消費税等 ××円/未払金 ××円 (消費税相当額)
リース料 △△円/現金 △△円(月額リース料)
※試験問題上、税込処理だとしたら、リース料総額(利息除く)を計上する。
③賃貸借処理(例外) 分割控除
☆仕分
リース料 10,000円/現金 10,000円 ←月額リース料をその都度計上
実務では、最初、すべて売買処理でリース資産計上し、決算を組んだが、あとで今までどおりの賃貸借処理も例外的に認められるとわかり、損益計算書でリース料の動きをお客さんに説明し難くなってめちゃ困ったことを思い出した。