ビクター・エンーテインメントにはCDのジャンルとして「コミック」というのがある模様です。「日本一泣けるコミックバンド」と言われる四星球のメジャー・デビュー作の帯には「歌詞付」とならんで小さく「コミック」と書いてあります。上層部を説得する苦心の策でしょうか。
四星球を知ったのは私立恵比寿中学の「コミック・ガール」を通じてのことでした。ぁぃぁぃにぴったりのコミカルな楽曲を提供したバンドとして、私の中では大いに気になる存在でした。しかし、結成15年にしてメジャー・デビューした人たちとは思ってもみませんでした。
四星球は作詞とボーカルの北島康雄とベースのU太を中心に2002年に結成されました。数々のメンバーチェンジを経て2009年にドラムにモリス、ギターにまさやんという現在の四人組に落ち着きました。元は鳴門教育大学の音楽サークルだそうです。
北島はシンガー&脚本、U太はベース&マネージャー・事務所社長、まさやんはギター&小道具、モリスはドラム&ポセイドンが担当とされており、ポセイドンは謎ですが、いかにも自分たちで一から十までやっていますというDIY感がいいです。
白いブリーフに法被姿がユニフォームだそうで、自らをコミックバンドと名乗ることで自由を手に入れた楽しいバンドです。彼らはこれまでにインディーズで5枚のアルバムを発表しており、本作は「結成15周年を記念してまさかのメジャーデビュー」となったアルバムです。
「自身のメジャー進出を格好のネタに大いなる笑いとほんの少しの感動を呼び起こす、ほぼグレイテストヒッツなメジャー1st!」とされている通り、過去の作品からの曲に新曲を2曲加えたアルバムになっています。あとはコントが3曲!
選曲は、「ライブへ行く前に聴ける1枚」ということで、ライブでの定番曲が中心になっているようです。ただし、わざと入れていない定番曲もあり、それは他のアルバムを聴いてもらおうという魂胆です。なお、ボーカルは新録、演奏の方も何曲かは録り直しているそうです。
北島のボーカルは詞を聴かせようという姿勢が明確で、はきはきとして言葉がとても聴き取りやすいです。演奏はストレートでポップなパンクで、極めて分かりやすい。私はグリーンデイを思い出しました。変な癖のないまっとうな音楽です。
「我ら吉野川同盟だよね?」ではEDMがギミック的に出てきますが、それ以外は王道パンク・サウンドです。際物的な部分はコントが一手に引き受けています。「メジャーデビューできなかった曲達の逆襲」など、まっとうな既存曲3曲を使った大劇場です。
北島の脚本は分かりやすい面白歌詞で、ディープ昭和の私にも分かりやすいです。♪ドリフターズで大人になったはず♪と歌う人たちですから、当然と言えば当然。皆さん若いのにブリーフと法被の似合う芸人の佇まいがいたします。
メジャーデビューの立役者ビクターの横田さん、モリスの母妙子さんなど声の出演も多数あり、定評あるバラードをあえて出さずに、まずはメジャーデビューを寿ぐお祭り的な色彩が強い一枚です。何だか「メジャーデビューおめでとう」とつい言いたくなるアルバムです。
Major Debut To Iu Boke / Su-Xing-Cyu (2017 Getting Better)
四星球を知ったのは私立恵比寿中学の「コミック・ガール」を通じてのことでした。ぁぃぁぃにぴったりのコミカルな楽曲を提供したバンドとして、私の中では大いに気になる存在でした。しかし、結成15年にしてメジャー・デビューした人たちとは思ってもみませんでした。
四星球は作詞とボーカルの北島康雄とベースのU太を中心に2002年に結成されました。数々のメンバーチェンジを経て2009年にドラムにモリス、ギターにまさやんという現在の四人組に落ち着きました。元は鳴門教育大学の音楽サークルだそうです。
北島はシンガー&脚本、U太はベース&マネージャー・事務所社長、まさやんはギター&小道具、モリスはドラム&ポセイドンが担当とされており、ポセイドンは謎ですが、いかにも自分たちで一から十までやっていますというDIY感がいいです。
白いブリーフに法被姿がユニフォームだそうで、自らをコミックバンドと名乗ることで自由を手に入れた楽しいバンドです。彼らはこれまでにインディーズで5枚のアルバムを発表しており、本作は「結成15周年を記念してまさかのメジャーデビュー」となったアルバムです。
「自身のメジャー進出を格好のネタに大いなる笑いとほんの少しの感動を呼び起こす、ほぼグレイテストヒッツなメジャー1st!」とされている通り、過去の作品からの曲に新曲を2曲加えたアルバムになっています。あとはコントが3曲!
選曲は、「ライブへ行く前に聴ける1枚」ということで、ライブでの定番曲が中心になっているようです。ただし、わざと入れていない定番曲もあり、それは他のアルバムを聴いてもらおうという魂胆です。なお、ボーカルは新録、演奏の方も何曲かは録り直しているそうです。
北島のボーカルは詞を聴かせようという姿勢が明確で、はきはきとして言葉がとても聴き取りやすいです。演奏はストレートでポップなパンクで、極めて分かりやすい。私はグリーンデイを思い出しました。変な癖のないまっとうな音楽です。
「我ら吉野川同盟だよね?」ではEDMがギミック的に出てきますが、それ以外は王道パンク・サウンドです。際物的な部分はコントが一手に引き受けています。「メジャーデビューできなかった曲達の逆襲」など、まっとうな既存曲3曲を使った大劇場です。
北島の脚本は分かりやすい面白歌詞で、ディープ昭和の私にも分かりやすいです。♪ドリフターズで大人になったはず♪と歌う人たちですから、当然と言えば当然。皆さん若いのにブリーフと法被の似合う芸人の佇まいがいたします。
メジャーデビューの立役者ビクターの横田さん、モリスの母妙子さんなど声の出演も多数あり、定評あるバラードをあえて出さずに、まずはメジャーデビューを寿ぐお祭り的な色彩が強い一枚です。何だか「メジャーデビューおめでとう」とつい言いたくなるアルバムです。
Major Debut To Iu Boke / Su-Xing-Cyu (2017 Getting Better)