「最近もの忘れが増えた」「会話にあれ、あれが増えた」「ぼっーとする時間が増えた」・・・
コロナ禍で外出する機会が減り、以前より脳の衰えを感じている方も多いのではないでしょうか。
脳の機能は加齢によって衰える、脳の老化は止められない、皆様はそのように思われていませんか?
神経細胞の数が減るために「年をとると物覚えが悪くなる」というのは、一面的な考えに過ぎません。
脳の機能はいくつになっても高めることができるのです。
■認知機能低下の主な原因
●加齢
- 脳の血流低下
- 神経細胞の機能低下
- 活性酸素によるダメージなど
●ストレス過度なストレスを受けると脳内でコルチゾールというホルモンの分泌量が増加し(このホルモンはストレスホルモンとよばれます)、記憶にかかわる脳の「海馬」に作用し、記憶力の低下につながるとされています。 ※ストレスとコルチゾールについてはこちらをご覧ください。 ●睡眠不足就寝中に脳では記憶の定着が行われています。とくにノンレム睡眠(大脳を休ませる睡眠)のとき、海馬から大脳皮質へ情報が送られ、そこで長期記憶として定着されると考えられています。※質の良い睡眠については、こちらをご覧ください。 ●栄養不足●薬剤の影響抗不安薬・睡眠薬、抗精神病薬、抗うつ薬、降圧薬・抗不整脈薬、副腎皮質ステロイドなど非常に多くの薬が原因となると言われています。■脳のしくみ<脳の各部位の働き>脳は、大脳、小脳、脳幹という3つの部位から成り立っています。
■記憶のメカニズム目や耳などの感覚器から入ってきた情報は「海馬」で一時的に保管されますが、そのほとんどは消え去ります(忘却)。 しかし、イメージが鮮明なもの、強く感情が動いたもの、何度もくり返し思い浮かべたり口に出したりした情報は「大脳皮質」へ送られ、そこに刻みこまれます。 記憶は、保たれる時間によって「短期記憶」と「長期記憶」に分けられます。 海馬にとどまるだけの情報は、数秒から1分ほどの短期記憶で、大脳皮質に送られた情報は、数分から年単位におよぶ長期記憶となります。 ■記憶には2種類ある記憶には、頭で覚える「陳述的記憶」と、体で覚える「手続き記憶」の2種類があります。 難しい漢字を覚えたり英単語などを覚えるのは陳述的記憶で、海馬の働きによるものです。 この記憶は一度覚えても意外と簡単に忘れてしまいます。 「手続き記憶」は、自転車の乗り方や泳ぎ方などを覚える記憶です。一度しっかり覚えれば、なかなか忘れることはありません。
■脳は使えば使うほど鍛えられ、記憶力は増す脳は、新しいことを学習すると、神経細胞からシナプスがどんどん枝分かれして別の神経細胞につながり、新しい回路を作ります。同時に新しく神経細胞が作られ、働くようになります。 新しい回路が沢山できれば、それだけ情報伝達が早くなり、脳の働きはよくなります。 一度記憶したことは、脳の何十億という神経細胞の接続部分にあるシナプスに蓄えられていますが、そのシナプスの数は、脳を使うことにより増えていきます。 丸暗記や外国語の習得などは若い人の方が得意ですが、理解して覚える論理的な記憶力は年とともに発達すると言われています。 しかし反対に、脳を使わなければ、使われない回路のシナプスは消えてなくなっていきます。 忘れるという現象は、その部分の神経細胞とシナプスがなくなったということです。 脳の働きを高めるためには、栄養と運動などの生活習慣が大切です。 ■脳の働きを高める栄養
■日常生活での対策・1日30分以上の身体を動かす運動や体操をしましょう。無理なく続けられる、自分の体力にあった運動を選ぶことがポイントです。 早足の散歩や手足を動かすストレッチでも十分です。 「運動をしなくてはいけない!」という義務感は逆にストレスになってしまいます。 自分が気持ちよくできることを一番に考えて、日常生活に取り入れてみましょう。 ・楽しいと思えることを日課にしましょう。・ご家族や友人との会話を楽しみましょう。直接話す際はソーシャルディスタンスを保って、あるいはネットや電話を使って■簡単脳トレ 違うところが5ヶ所。(イラスト:脳活.com) |