コロナ鬱になる人、ならない人 | 分子栄養学のススメ

分子栄養学のススメ

分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

新型コロナウイルスの感染拡大が収まりつつあるとはいえ、長い自粛生活を送る中で、不安やストレスを感じる方も多いと思います。

 

 

解決策を求め、過度な情報に翻弄されてしまいがちですが、ここで改めて、三石巌の著書を読み返してみませんか。

 

科学者の立場からまとめられたその内容は、私たちが新型コロナウイルスを正しく恐れ、そして、共存・共生するために大切な心構えや行動のヒントが隠されているように思います。

 

今回は、三石巌がストレスをどのように研究・考察していたのか、また、自分自身はストレスとどう向き合っていたのか、著書の言葉を借りながらご紹介したいと思います。

 

腎皮質の活動、それこそがストレスの正体

「ストレス」という学術用語は、もともと物理学のものです。例えば、ゴムひもを引っ張れば伸びる、そしてそこには、伸びを戻そうとする力が働く、ストレスとはその力のことです。

このストレスの概念を医学に持ち込み、心身に各種の刺激を引き起こすものを「ストレッサー」、それによる心身の不調を「ストレス状態」と表すようになりました。

 

私たちの身体に外から加えられるストレッサーは、多種多様です。

●飢えや渇き

●高温や低温

●心労や筋肉疲労

●心痛、疼痛

●騒音

●化学物質(医薬、農薬、食品添加物など)

●活性酸素

●放射線照射 など

 

この多様なストレッサーは、その種類を問わず体内に同一の現象を誘導します(図参照)。

そこで、身体は自衛のために、副腎皮質から抗ストレスホルモンの分泌を開始し、ストレッサーによる様々な障害を食い止めようとするのです。さらに、ストレッサーのレベルが高くなると、副腎は肥大し、抗ストレスホルモンの増産を始めます。

こうして、副腎はストレッサーに抵抗していく訳ですが、ストレッサーが攻撃の手をゆるめないと、ついに副腎皮質は疲弊してしまいます。

 

 

では、ストレッサーに対抗するためにはどうすればよいでしょうか。三石は著書の中でこう述べています。

 

●ストレスに対抗できる条件整備

ストレスに抵抗する手段が、副腎皮質ホルモンであるならば、そのホルモンを作るために必要な栄養物質を完璧に補給すれば、ストレス病のほとんどは回避できると考えることもできます。最上の方法は、平常からそれらの栄養物質を十分に摂って、ストレスに対抗できる条件を整えておくことです。

 

第一条件は高タンパク食です。コルチゾールを代表する副腎皮質ホルモンの作用として、タンパク質や脂肪をブドウ糖に変える働きがあります。ストレス時に血糖値の上昇があるのはまさにそのためです。副腎皮質ホルモンによるタンパク質の分解への対策は、高タンパク食を摂ることなのです。

そして、第二条件はビタミンCの摂取です。副腎皮質がコルチゾールなどを合成するとき、補酵素としてビタミンCが要求されます。

そしてまた、第三の条件はビタミンEの補給です。ビタミンCほど大量ではないですが、ビタミンEも要求されるのです。

 

図には多くの矢印がありますが、それが示す代謝の一つひとつには、DNAの指令によって決まる主酵素があり、それと結合すべく体外から摂り入れられ、あるいは体内で用意される補酵素があります。全ての条件が整って、はじめて代謝は進行します。

 

ストレスが強烈であればあるほど、これらの必要量は増大するはずです。しかし、これらに医師の処方箋はありませんから、各自が経験的にそれを掴む心掛けが大切でしょう。

 

そして、三石はストレスとの向き合い方についても、こう述べています。

 

●ストレスの原因を知れば、何もこわくない

現代社会の人間はストレッサーの海にいます。

ストレスが重なれば、抗ストレスホルモンの生成と分解とがレベルアップされ、このとき、酸化力の異常に強くなった“活性酸素”が発生します。そして、この活性酸素の傷害作用による病気が体質の弱点を狙うことになります。

現代人は、ある程度ストレッサーに強い身体を持たなければ、時間にプラスの価値を与えることができなくなる恐れがあります。

 

「私は瑣末(さまつ)なことは気にしない。それが気にならない。なぜそうなのかという問いがあったら、それは科学の勉強のおかげだ」

 

さらに、こんな言葉も添えているのです。

 

「この現代の特徴を踏まえた時、我々は互いにストレスに追い打ちをかける言動を慎むことを、美徳の一つとしなければならないことに気づく。相手の体調が悪い時に厳しい非難の言葉を浴びせることがないよう心掛ける、などがその例である。」

 

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このウイルスについては、長期戦が予想されています。

日々の行動、考え方が私たちの健康レベルに大きな影響を与えています。

ストレスとの向き合い方を見直してみる機会にするのはいかがでしょうか。

  

<参考書籍>

「高タンパク健康法」

https://www.megv.co.jp/products/detail.php?product_id=84

「ビタミンC健康法」

https://www.megv.co.jp/products/detail.php?product_id=85

「ビタミンE健康法」

https://www.megv.co.jp/products/detail.php?product_id=86

「脳細胞は甦る」

https://www.megv.co.jp/products/detail.php?product_id=32

「からだの中から健康になる長寿の秘密」

https://www.megv.co.jp/products/detail.php?product_id=73

 

 

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