貧血対策の続き・・・ | 分子栄養学のススメ

分子栄養学のススメ

分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

前回貧血について

良質タンパクや鉄のお話しをしました。





その続きがありますので

お話しします





造血に必要な栄養素のつづき・・・


●ビタミンA

赤血球も細胞ですので、骨髄で細胞分裂によって分化して増えていきます。

ビタミンAは、細胞分裂を正常に調節する働き担っているので、

正常な赤血球を合成していくためにも必要になりますひよこ。



●ビタミンB群
ビタミンB群は造血に幅広く関与していますが、その中でも主に欠かせないのが、

ビタミンB6、B12、葉酸です!

・ビタミンB6は、タンパク質の代謝やヘムの合成に必要なため

 不足すると鉄芽球貧血を生じます。

・葉酸は、RNAやDNAの合成に必要であり、細胞増殖(赤血球を合成する)

 には欠かすことの出来ない栄養素です。

・ビタミンB12は、この葉酸を活性化(働きやすい形にする)

 させるために必要です。

DNAの合成がうまく行われないと、未熟で大型の赤芽球(巨赤芽球)が生じます。

巨赤芽球は、赤血球になる前に壊されてしまうため造血は促されていますが

それは無効となってしまいます。

それぞれ造血に直接影響のある栄養素ですので不足のないように補完しましょう。



●ビタミンC
ビタミンCは、代謝(造血)を円滑にするために必要な共同因子です。
また、吸収しにくい非ヘム鉄を吸収しやすい形に変換したり、

葉酸を活性型(働きやすい形)に変換する酵素の働きをサポート

したりすることで鉄や葉酸の吸収にも協力的に働いています。


●ミネラル(鉄、銅、亜鉛)

鉄と銅は、造血に欠かせない栄養素です。

鉄はヘムの主原材料であり、銅はヘムの主原料である鉄の利用を助ける働きがあります

鉄を強化しても貧血が改善しない場合は、銅不足も合わせて考える必要があります。

また亜鉛は、ビタミンB12や葉酸のようにDNAの合成に関わりますので、

細胞増殖には欠かせません。

以上のことから、鉄以外にも銅不足や亜鉛不足による貧血が見られるようです。

 


<抗酸化対策>

作られた赤血球は、通常120日という寿命で使命を果たしていきますが、

外界からの刺激(活性酸素など)があると細胞膜が酸化され溶血を起こし、

それによって寿命が短くなってしまいます。

ヘモグロビンの消耗が大きくなると、合成が追いつかず貧血状態を招きます。

酸化を防止するには、ビタミンC、ビタミンE、植物ポリフェノールなどの

抗酸化成分が有効ですが、特に細胞膜において欠かすことの出来ない

ビタミンEの摂取が重要です。

ビタミンEの欠乏により貧血が起こるというような実験結果も報告されているようです。





<プラスα>

鉄は、動物性食品に多いヘム鉄と植物性食品に多い非ヘム鉄とに分かれており、

 ヘム鉄は吸収が安定している一方で、非ヘム鉄は吸収しにくい形となっているため、

 胃酸やビタミンC、動物性食品に含まれる酵素、有機酸などによって吸収しやすい形

 に変換され、はじめて吸収されます。

 よって、特に症状の重い方は、ヘム鉄を中心に強化され、非ヘム鉄を摂る場合は

 ビタミンC動物性食品有機酸と合わせて摂取する。


非ヘム鉄は、食品の影響も大きく受けます。

 玄米に多く含まれるフィチン酸や緑茶に含まれるタンニンは、

 その吸収を阻害すると言われています。

 最近では、あまり気にしなくても良いとも言われていますが、

 症状が悪化している時はあえて玄米食にしたり、緑茶を飲む必要性はないと思います。


造血に必要な非ヘム鉄やビタミンB12は、胃酸によって吸収しやすい形に

 変換されて腸で吸収されます。

 胃腸の機能が低下している方や、手術などで胃を切除されている方は、

 不足の起こりやすい状況がありますのでヘム鉄を摂取したり、

 ビタミンB12を強化する必要があります。


鉄、銅、亜鉛は、吸収の際にそれぞれが拮抗する働があるため、

 一つだけ突出して摂るのではなく、バランス良く摂取することが大切です。


貧血は、二次性に起こることも多くその背景には出血性疾患や腎疾患などが

 潜んでいる可能性もあります。

 気になる症状がある場合は病院で適切な検査を受けることをお勧めします。





以上のことから、

身体の働きを考えると貧血には鉄!!

というように単純ではないことが分かると思います。


赤血球1つ作るにもさまざまな栄養素との関わりがあります。


身体全体をトータルで

考えて

疾患についても

栄養対策についても

とらえていきましょう(・ω・)b