つくづく痛感するのが、診断と治療の難しさです。
 

もう9年も前もフォーラムにいらした方で、今も通院中の40台の男性はMDSと診断され、移植したほうがいいと言われていました。

当時は確かに体調が悪く、血液検査の結果もかなり悪かったのです(特に血小板は1万を切り、ヘモグロビンも7程度でした)。それに前の病院で行った再生不良性貧血の治療は不応だったので、MDSだろうということで移植を勧められたのです。

 

緒方先生の見立てもどちらかというと再生不良性貧血よりで、しかしながらMDSの傾向もあるということでした。緒方先生が特許をとってる低リスクMDSの方向けの治療を行い、血球減少はほぼ解消されて、現在は再生不良性貧血っぽい治療を行って、3ケ月に1回程度の通院ですんでいます。

 

こんな風に、病名も治療も簡単に割り切れるものでもないんですね。

近くで見ていて、本当に難しいな~と思います。
 

診断をきちんとできなければ(こんな風にうやむやな場合も含めて)、治療をしていくにも、その治療の評価もできません。

 

残念ながら、MDSは決まった治療法というものがほとんど通用しない病気です。患者さんそれぞれに合わせて、適切な治療をしなければなりません。

さらには、同じ患者さんでも治療していくうちに変わっていきます。

本当に診断も難しいし、治療も難しい。
低リスクでも高リスクでも難しい病気なんですね。

 

 

 

 

 

最近、移植後再発の方のご相談が続いてありました。今までも、沢山ありましたが、何故か続くのですよね。

 

中に4回も移植された方がありました。フルマッチのドナー移植、ハプロ移植2回、臍帯血と全て経験された方です。それほど頑張ったのに、また再発して、最近流行のVEN+AZA、治療中に芽球が上昇して、遂に緩和を勧められていらっしゃいました。

 

最初は芽球も1.5%の正常、染色体も正常のVeryLowRiskだったみたいです。移植したから10年生きられたのか、移植しなくても10年生きられたのか?

 

結構、いらっしゃいますけどね、移植しなくても10年くらい生きていらっしゃる方って。VeryLowやLowの方では。

 

他には、短期間で移植、再発、再移植、再再発と繰り返した方。昨年11月にフルマッチで兄弟間移植、今年の1月に再発、2月に従兄弟からハプロで移植、4月再発、さらに兄弟間での再移植を提案されていらっしゃいました。

 

この方々は、移植で完治ができなかったわけですが、延命はできたのしょうかね?延命すら出来なかったような気がしますが。

 

考えさせられます……。

デザインをまた変えてみました。

暇だった頃は自分の好きな絵を背景にしたものを作ったりしていたのですが……。

 

今、東京血液疾患診療所のHPに「骨髄異形成症候群とは」という頁を作っています。少しずつ書き足して行くので、ごゆっくりお待ち下さいな。

 

久しぶりに東京血液疾患診療所のHPを更新しました。

論文の頁に2020年、21年、22年前半のものをやっと追加しました。

 

フローサイトメトリーの検査に関してアメリカの論文誌ですが、MDSの特集があったのです。緒方先生は筆頭著者として1本、共著者として4本掲載されています。

 

緒方先生の研究は、診断のための検査から、治療を行うにあたってのMDSの特徴の分析へとさらに進んでいます。

 

フローサイトメトリーの検査については、OgataScoreとして知られているMDS診断検査が、やっと日本でも注目をされるようになりました。ということでHPにOgataScoreのページを作りました。

 

でも、診断は大事ですよ、良性疾患なのにMDSと言って移植を勧められた方々は多いですから、私が知っている限りでも。

 

 

ご無沙汰でした。

これからソロソロとブログを再開したいと思います。

 

忙しさにかまけて書かないと、さらに腰が重くなっちゃって、
気が付いたらこんなにあいちゃった。

AB蔵さんを見習わなければね~。

 

ということで、告知です。

 

次回のファーラムは6月18日です。

 

 

東京血液疾患診療所では、当診療所の患者さんに対し、新型コロナウイルスワクチン接種を行っています。

もちろん、様々な状態の患者さんがいらっしゃいますので、必ず緒方先生に確認してもらって。

 

一部の患者さんには午前中にいらしていただき、採血を行います。

その結果、血小板の輸血が必要な場合は、接種まえに輸血を行います。

また輸血までは必要ないけれど、血小板の数値が低い方(5万以下くらい)は事前にアイスノンで冷やしてから接種、その後止血バンドできつく止血してさらに冷却、止血確認後、しばらくは滞在していただきます。

問題のない方は、そのまま接種できますけど、こんな方のほうが少ないのです。

 

もちろん、量も体表面積あたりで加減したり、今までの病歴やワクチン接種での副反応なども聞き取り緒方先生の指示で加減しています。

 

ということで、ワクチン接種だけとっても、通常の方々より、手間隙がかかるわけですが……。

 

でも、大事なことですものね。

 

気がついたら、8月も終わりではありませんか!!!

 

もちろん、ただCovid-19に追われていただけではありません。

敵はMDSです。

でも、血液疾患の患者さんにとって、Covid-19は普通の方以上に脅威です。

 

最初にクラスターが発生した永寿総合病院の発表によると、

院内感染として新型コロナウイルス感染症を発症した患者さんのうち、血液疾患の患者さんは40人で、内21人が亡くなっています。50%以上の死亡率です!

また亡くなった方41人のうち、21人が血液疾患,他疾患の患者さんは20人だったそうです。

 

また血液疾患症例においては生存期間中央値は29日で,

酸素投与が開始後,急激に呼吸状態が悪化し
死に至るもしくは人工呼吸器管理を要する状態に至るまでの日数が有意に短いという結果が示されています。

 

ということで、血液疾患の患者さんが新型コロナウイルスに感染した場合の危険性は他の疾患に比較しても圧倒的に高く、極めて短期間に重症化し致死的となる可能性があります。

 

というわけで、極めて神経質になるわけです。

 

かといって、他の病院のように、面会を完全に制限したりもしたくないし、ということで、あれやこれや工夫しながら、今のところはなんとかご家族の面会だけは制限しながら続けています。

 

でも、いろいろな対策や、検査、ワクチン接種のための準備手続き等々、すっかり疲れてしまいました。は~っ、……。

 

そんなこんなで、今年はブログの更新もめったにできなかったわけです。

心待ちにしてくださっていた、何名かの方々、ごめんなさいでした!!

 

 

新年の挨拶もまだしていなかったのに……、もう3月1日ですね。

梅の花は満開で桜の花もチラホラと。

でも今年は桃の花が目につきませんね。
桜がチラホラしているのに、まだ沈丁花の香りもしません。

なんだか、変な春ですね。

それでも、立春も過ぎて、だんだんと春めいてきています。

 

2月27日のフォーラムも終わりました。3月も27日に開催予定です。

 

今年も毎月開催いたします。
何度聞いても、新しい発見があるものですよ。

 

骨髄異形成症候群という病気は本当に難しい病気です。

診断も難しければ、治療も難しい。

人に自分の病気を伝えるのも難しい。

症状が人によってまちまちですし、同じ人でも急に症状が変わる場合も多いのです。

標準的治療が該当する場合も少ないですし、成績も悪いです。

長い間安定していたのに、急に動き始めるときもあれば、

どうしても治療がうまくいかなっかったのに、
突然、好中球が上がり始めて、安定する場合もあります。

なんという病気なんでしょうね。

 

少しずつでも東京血液疾患診療所の治療は前進しています。
この1年でも大きく進歩しました。
この5年間では本当に大きく進歩しています。

さらにさらにと、先を目指して行きたいと思っています。

 

今年も、みんな、頑張りましょうね。

 

 

 

12月19日は今年最期のLiving with MDS Forumです。

先日のOK's Clubでは緒方先生からMDSに使えそうな新薬のお話をして頂きました。

皆さん、かなり熱心に聞いていらっしゃいました。

 

かなり有望そうなお薬でも、今のところ特効薬のようなお薬は出ておらず、少しでも予後を伸長する可能性がありそうなものということになります。あるお薬などは、ビダーザ併用で9ヶ月も伸長するという結果がありました。(新薬って3ヶ月も生存予後を伸長するとすごい薬ということになります。ちょっと一般の認識とは異なりますが。)

 

IPSS-R VeryHighRiskの生存中央値は8.4ヶ月(支持療法)で、ビダーザを使用しても一般の日本の病院では8~9ヶ月(殆ど伸びていない)、モフィットキャンサーセンターで15ヶ月(2倍近い)のところが、東京血液疾患診療所では27,8ヶ月(3倍以上)です。

同じビダーザという薬を使っても、これほど差が出ています。

さらに他のお薬が加われば、さらに差が開くことでしょう。

 

外科医の腕はよく取り上げられますが、内科医の薬の使い方はあまり区別がつきにくいのでしょうね。
同じお薬でも、内科医の知識と経験の差が生存予後の差になるのです。

 

次のフォーラムでは、さらにいろいろなお話をして頂きたいなと考えています。

今年最期のLiving with MDS Forumになります。

みなさんの参加をお待ちしております。

 

 

 

JAMPS主催Living with MDS Forum
骨髄異形成症候群の患者さんとそのご家族であれば、どなたでも参加可能です
< お申し込みはtel:080-4464-8571 mail: infomds.tokyo 山元まで
すべて場所は東京血液疾患診療所 地下7th Squareです。
 

2021年のLiving with MDS Forumの予定です。

 第66回LMF 2021年 1月30日(土)午後1時~
 第67回LMF 2021年 2月27日(土)午後1時~
 第68回LMF 2021年 3月27日(土)午後1時~
 第69回LMF 2021年 4月24日(土)午後1時~
 第70回LMF 2021年 5月22日(土)午後1時~
 第71回LMF 2021年 6月19日(土)午後1時~
 第72回LMF 2021年 7月17日(土)午後1時~
 第73回LMF 2021年 8月21日(土)午後1時~
 第74回LMF 2021年 9月18日(土)午後1時~
 第75回LMF 2021年10月16日(土)午後1時~
 第76回LMF 2021年11月27日(土)午後1時~

 第77回LMF 2021年12月18日(土)午後1時~