絶対こうなる日本経済
田原総一郎氏がファシリテーションしながら行われた、榊原氏と竹中氏の対談集。
私はこの二人の経済学者が好きです。
理由は二つです。
一つ目は、言葉がシンプルなこと。
意見を「言う」ことではなく、意見を「伝える」ことに重きを置いている珍しい学者だと思う。
コンサルタントの見地からは、クライアントを変えること、そのために相手に理解してもらうことが常に必要。
そうなると、「言う」なんていうのはどうでもよく、相手に理解してもらうことを目的として「伝える」ことが大事。
この二人は、言葉の相手への到達保証を心掛けている。
プロフェッショナルだと思う。
二つ目は、思い描くあるべき姿に対して、各論が首尾一貫していること。
二人は、各論ではとにかく意見が対立する。子供手当などでは、榊原氏は賛成、竹中氏は反対。
ただ、これは、二人が描く日本のあるべき姿が異なるからであり、二人はそれを理解しているため、相互リスペクトが発生している。
このような相互理解のもとでは、各論の議論ではなく、根本の「あるべき姿」の議論にたどり着きやすい。
しかし、このように、あるべき姿を持ち得ず、そして相互理解がない場合(一般人の場合)、各論での意見の対立を永遠とやって、感情的にコンフリクトしてしまう。
これでは、本質的な議論にならない。
こう考えると、今の日本の国民やメディアのダメなところは、自らの日本の「あるべき姿」を持ててないことになるのであろう。
読みやすい良書です。
- 田原総一朗責任編集 2時間でいまがわかる! 絶対こうなる!日本経済/竹中平蔵
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組織戦略の考え方
大学教授の本であるが、とても読みやすい組織論の本。
一言で言えば、組織におけるフリーライダーの問題点と発生構造がよくわかる本。
日本はなんだかんだでまだまだ終身雇用型の企業が多い。
そして、それらの企業では社内失業者とも言われる何も生み出していない人が多くいる。
そのような組織においては、未来を託すリーダーを現場で選抜し、組織全体最適を司らせることが重要と説く。
当たり前のことだけど、丁寧に論が展開されており、更に大学教授とは思えないほどのわかりやすい言葉が選ばれているため、誰にでも理解できる良書に仕上がっている。
大企業病に陥っている日本企業の経営企画部の若きエースみたいな人が読むと特に勇気付く本ではなかろうか。
- 組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)/沼上 幹
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ジェネラル・ルージュの凱旋
この本は、多くのプロフェッショナルが熱くなれる本ではなかろうか。
そして、プロフェッショナルのはしくれの私が一番考えさせられたのは、プロフェッショナルと組織の関係性。
プロフェッショナルはクライアントファーストの職業人であって、属する組織との距離感というのは大きな論点である。
上手くすると、組織は、自分の提供価値を高める装置にもなる。
クライアントに対する自分の提供価値を最大化するのは、プロフェッショナルの責務であり、喜びでもあるから、プロフェッショナルファームというプロフェッショナルを集める組織がサステナブルに成り立ち得る。
しかし、距離感を間違えると、クライアントに対するプロフェッショナルサービスの制約条件にしかならない場合もある。
この本を読んでも、別にその距離感の答えがわかるわけではない。
だが、その距離感と向き合うことがプロフェッショナルの大きな論点であることを再認識できる点でこの本は良書である。
- ジェネラル・ルージュの凱旋/海堂 尊
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