ジーン・ワルツ
こういう小説は、経営コンサルタントというプロフェッショナルとして、とても考えさせららます。
ジェネラル・ルージュも好きでしたが、こちらも読んでみて心に残るものでした。
そもそも産婦人科医療をテーマにしていて、社会性があります。
更に、そこで勇往邁進する二人の産婦人科医の意思決定とその判断軸、そしてその違いを通じて、プロフェッショナルの個人の価値観と組織の価値観の折り合いについても、問題提起しています。
特に二人の主人公的なプロフェッショナル二人、何れも素晴らしいと思わせるように描写されている人物二人が、それぞれ異なる判断をするところが考えさせられます。
プロフェッショナルは何を優先して意思決定するべきかと。
コンサルタントはもとより、世の中のプロフェッショナルに是非読んでもらいたい本です。
- ジーン・ワルツ (新潮文庫)/海堂 尊
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カッコウの卵は誰のもの
東野圭吾氏の今年出た単行本。
文庫はほぼ全て制覇したので単行本に最近触手を伸ばしているのですが、これは外れました。
外れたというのは、この本はいわゆる推理ものではなく、人情もの(時生、秘密、等)と思って買ったのですが、推理ものでした。
東野圭吾氏の本は、推理ものは、意外性を楽しむもので、余韻が残らないもの。人情ものは、ストーリーが読めるもので、余韻が残るもの(敢えて読者に読ませているのかもしれません)、の二つに分別できると考えている。
どちらも好きですが、最近の気分は人情もので、それを読みたかったのですが。
ちなみに、一人の作家(コーポレートブランド相当)で、このようないくつのもの小説タイプ(商品ブランド相当)を持つというのは、マルチブランド展開の成功例として、いつか研究してみてもおもしろいかも、と経営コンサルタントとしては思います。
ちなみに、本作は、推理ものとしても、ガリレオ等と比べても、普通の作品ではないでしょうか(特筆すべきところなし)。
氏の人情ものの増加を期待します。
- カッコウの卵は誰のもの/東野 圭吾
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戦略暴走
神戸大学の三品教授の最新作。
これは、玄人受けはする本かもしれませんが、素人受けはしない本だと思います。
購入を検討される方は、一度書店で中身を一読して、フィーリングが合うかを確認してからの購入を奨めます。
とにかく、リサーチの視点とアプローチはイノベーティブで素晴らしい。
特別損失とは、過去の戦略の失敗(筆者は暴走と定義)の帰結である。
故に、特別損失が出た企業の事例を調べていけば、戦略はなぜ失敗するかが帰納法的に検証できる。
というのが、筆者のリサーチの視点とアプローチ。
これは、おもしろいと思いましたし、これが、本編をしっかりとブレずに貫いていて読み応えがある。
コンサルタントとしても、このような視点の妙というのは非常に参考になりました。
一方で、一つ一つの事例には1-2頁程度しか割いていないため、どれも浅い分析になってしまっていて、読み応えが全くない。
事例好きの人には全く物足りないであろう。
好き嫌いが分かれる本だと思います。
- 戦略暴走/三品 和広
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日本の成長戦略
日本での経営コンサルタントのはしりだった堀紘一氏の政策提言の本。
これは、買って失敗しました。
政策に目新しいものもなく、それでいて体系化されているわけでもなく、価値を見出せませんでした。
具体的には、中ほどで教育が大事だと主張されていますが、特にそのくだりが最も平凡的でした。
一方で、一番冒頭の地方の高卒の人が地元就職できて幸せに生活できる社会が理想の社会だ、という主張は、その是非はともかく、一つの選択肢としてはおもしろいと思いました。
いずれにせよ、堀氏の本は、出版される度にどんどん面白くなくなってきている気がします。
(これは大前氏の著書群にも同じ傾向が見受けられます)
- 日本の成長戦略/堀 紘一
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時生
東野圭吾氏の小説は、ほぼ全て読んでいるが、その中ではこの本が一番好き。
今日は、小説では滅多にしない、再読をしてしまいました。
再読してみて、改めて、おもしろい。
簡単に言うと、自分が歴史の中で生きていて、過去の世界に感謝したくなり、そして、未来の世界のために頑張ろうと思える。
そして、結果的に、今のを素直に生きたいと思える小説です。
読後の気分がとてもよい小説です。
東野圭吾氏は、個人的には、推理小説よりも、このような非推理小説もののほうが私の感性には合います。
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