日経ビジネスクリエーション塾の講座の1つになりますがこちらの講座は小樽商科大学ビジネススクールの瀬戸助教授がコーディネーターとなり、毎回ゲスト講師を招いて2時間ほどの講義を1日に2講、月に1回ペースで開いていくものになっています。この日は午前中が(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメントの土井社長より「ビジネスモデルの構築とビジネスプラン作成」というテーマ、午後は新日本監査法人の江戸川泰路氏よりIPOとM&Aをテーマにお話が聞けました。

土井社長さんのメインのお仕事は人事系のコンサルティングだそうですがヒューマン・キャピタル・マネジメント以外にベンチャー企業の社長、役員をされてもいて、時間的にはそちらにかける比率が高いそうです。お話としては基本的な内容を事例を交えながら説明いただいたのですが特に印象が残った点は下記の通り。

・ベンチャー企業の主な事業モデルと収益源は異なる事が多いように経験的には感じる。このような事が結果としてそうなっているのか、あるいは肝心なところは社外秘で表に出していないのか?は土井社長さん自身も把握されていないようでした。
・文字で説明できない経営数字は意味がない。
・二人の経営チームは成功できるかもしれないが三人の場合は成功が難しいかもしれない。経営に関する決定事項は多数決ではなく、納得できるまで話し合う事が必要である。
・実務者レベルは人材紹介企業からの斡旋でも良いが経営幹部は人格まで含めた判断が必要。出来れば本音で話が出来る大学院の教授からの推薦が得られるなど、人物としても問題がない人を探す必要がある。結局は信頼できる人でないとダメ。

午後の講義の講師、新日本監査法人の江戸川泰路氏は30才になったばかり。なんと在学中に公認会計士の二次試験合格をしていたとの事。先を読んでいるというか、能力がある人は違うというか、何というか。。。現在は産学連携関連のお仕事をされているそうです。お話としてはそもそも投資の意味するところから、ベンチャーキャピタル(VC)とのつき合い方、IPOとM&Aの選択についての議論等、幅広くお話が伺えました。記憶に残っているところは下記の通り。

・経験的には1年間にVCと接触するベンチャー企業が2万社とすれば投資受入に至る企業数は1000社(5%)程度である。そしてIPOできる企業はそのうちの300社程度、倒産する企業も同じくらいだろう。他の企業の多くは売却か休眠という形を辿る事が多い。
・大学発ベンチャー1000社創出の構想は達成できる見込みだが、今後はIPO100社実現のための方策が求められていくだろう。
・監査法人の立場から見れば株式公開するのに少なくとも2年はかかる。2年より短い期間で創業からなんらかのEXITを目指すとすればIPOという選択は難しいのではないか?
・今までの大学発ベンチャーのIPOは事業のキャッシュフローが確立していない段階でのIPOが多い。これは技術への投資であって企業への投資とは言い難いところもあるのではないか。
・事業拡大の手法としてM&A戦略を企業は今後も拡大していくのではないか。大企業にとって時間を買う意味とリスク分散という意味は大きい。さて次回(7&8講)は2月の開講です。この日が最終日となるのですが税理士の方からストックオプションと税金についての講義と瀬戸先生から総括の講義という事になる予定です。
日経ビジネスクリエーション塾の講座の1つ、スーパーサラリーマンブラザーズ講座の第三講は一橋大学イノベーション研究センターの米倉教授をコーディネーターに「マーケティングと情報処理」というテーマで開催されました。

講師はキリンビールの執行役員、前田仁氏。当日の話はタイトルとはちょっと違って前田氏のサラリーマン人生の浮き沈みとか、後輩のために書き留めているというメモで取り上げている事などを中心にお話をいただきました。前田氏が送り出した商品は「ハートランド」、「端麗<生>」、「一番絞り」・・・とキリンビールの中でも節目になるようなものばかりです(先を読みすぎて失敗した商品もあったそうですが)ワイン事業や合弁会社での仕事など一時期は主流のビールから離れながらも現在は執行役員として活躍されている前田氏とはどういう人なのだろうと思っていましたが、非常に温和な雰囲気をもった方でした。

配布されたメモの方はほんとに箇条書きの「メモ」なのと全ての話をしていただいたわけでもないので意味不明な部分も多いのですが、記憶に残っているところを書いておきます。このメモは「企画の技術」を大きく「発想の技術(勘)」「実行の技術(経験)」「運営の技術(権威)」という3つに分類しまとめているものです。

・ABC分析はあくまでも解析対象の中での順位付けしかできない。それ以外の対象を分析する事は出来ない。
・売れ筋こそ常にリフレッシュしていく必要がある(ミッキーマウスを事例にあげていました)
・DMは「私信」である。手書きが一番。
・受け取り手の立場で情報を組み替える事で伝わり方が大きく変わる。もし企画を通したいのなら相手が受け取りたいメッセージが何かを理解して企画書を作るべき。

2003年3月号のインターネットマガジンでなぜか、前田氏のインタビューが出ていた事があって改めて読んでみると今回のお話がより理解できました・・・事前に読み返しておくべきでしたね。失敗しました(苦笑)

これ以外の話として記憶に残っているものとしては・・・

・問題が見えた時点で答は見つかっている。素直にそれに対処すればうまくいく(わかっていて、そこに手をつけられないからうまくいかないってのが話としては多い気もしますが)
・正しいか間違っているかは別にして方向性を打ち出した方がポジティブだと人は捉える。
・正解の無い時代には合意の出来た方向性を一度やってみるという事が大切。もし間違っているとわかったら修正すれば良い(スピードが大切という事だろう)
・人と人との関係はGive&Giveである。

講義終了後はハートランドを呑みながらの懇親会となりました。残念ながら前田氏と直接、お話するタイミングは逃しましたが、まぁまた何かの機会はある気がするな(確証があるわけではありませんが)さて次回は「人材開発」、次々回は「会社人から社会人へ」と題した内容なのですが仕事上の都合で参加できるか、どうかが直前までわかりません。参加できるといいんですが。。。
Outlogicというサイトがあります。

ここはイノベーションを主テーマにした会員制のコミュニティです。私が以前、参加していた読書会の流れでこのコミュニティの会員になっていますが運営者及び会員の方にアクティブな方も多く私も非常に刺激を受けています。この1月から実験的に一般の方の会員募集をする事にしたそうです。ご興味のある方は問い合わせをされてみてはどうでしょうか? ただしコミュニティに積極的に参加しない方は歓迎されませんのでROMな方はちょっとあわないかもしれません。

運営者の意向としては、主に社内ベンチャーや新規事業開発、ビジネス・インキュベーション、イノベーション全般に関心のある方の問い合わせを歓迎しているとの事です・・・つまり、そのような方々と情報交換・議論をしたいという事ですね。

詳細はこちらをご覧下さい。
米倉 誠一郎教授がコーディネートしているセミナーに参加しているのですが、そこで紹介されたのが、この本。


著者: ロバート サットン, Robert I. Sutton, 米倉 誠一郎
タイトル: なぜ、この人は次々と「いいアイデア」が出せるのか―“儲け”を生み出す12の“アイデア工場”!

本のタイトルがイマイチな点を除けばシンプルにまとめられている良書ではないかと思います。こんな方法もあるよね、あんな方法もあるよね・・・みたいなヒントをまとめたような本なので、ここに答が書いてあるって訳ではありませんので、ご注意。
東京・丸の内で新規事業立上・起業をテーマに2003年末から始めた勉強会もこれで6回目になりました。今回は(株)チップワンストップの高乗正行(こうじょう まさゆき)社長様にお話をしていただきました。今回は最終的に20名ほどの参加となりました。

高乗様は日商岩井に入社されてベンチャー投資事業を経験されてから起業をされているのですがオーナー経営者ではなく、出資者を募り、自身はプロの経営者に徹して成功(先日、株式公開をされました)されたというところが特徴的なところではないかと思います。当日のお話はチップワンストップの電子部品業界でのポジションを中心にお話が展開されました。ビジネスモデルとして業界の特質を捉えた興味深いものではあるのですが結局は高乗様自身の魅力のようなものが最大の成功要因という意見が参加者からは多く出ました。学ぼうとしても学びがたいところです。。。

約1時間ほどの講演終了後の恒例である懇親会は部屋を移動して立食形式で開催。今回の勉強会のトピックとしてはビジター2名の参加があった事でしょうか。お一人はDoblogでの告知、もう一人はGREEでの告知からご連絡をいただきました。不特定多数への告知はまだトライアルではあるのですが、今後も継続していきたいと思います。

年内は忘年会のみの開催で終わりそうですが、講師の候補として某測定器メーカーのマーケティングに関わる方にお話をしていただく交渉をしていますので1月後半か2月には次回の開催が出来るのではと思っています。
先日の燃料電池市民講座でお話を聞いた神谷教授に日本国内で燃料電池分野においてベンチャー企業の登場はありえるのか?という問いかけをさせていただきました。

神谷教授によれば大企業中心で開発が進んでいる技術の場合、どうしても情報や技術がクローズで進んでいるため、多少技術的に劣る中小企業でもビジネス的には参入の機会はあり得るのではという指摘がありました。現実として部材のレベルではそういう企業もあるようです。最先端の技術分野だからといってビジネスチャンスを掴むのに最先端のレベルである必要性は実はないのかもしれません(もちろんいずれは技術レベルが上がらなければ淘汰されるのでしょうが)

そういえば会場には多孔質の炭素材の販売事業を始めようとしている企業の方がいらっしゃいましたね。ニッチなところではビジネスのチャンスはあるのかもしれません。
PEM-DREAMというNPOが主催している燃料電池市民講座に本日は参加させて頂きました。本日の講師は横浜国立大学大学院の神谷信行教授による燃料電池の基礎講座。大学時代は化学工学専攻とはいえ、20年間ほとんど縁がなかったので少々辛かったのですが最新事情を聞く事が出来て私としては良かったです。

MCC+での講演ネタも今日の宴会で少しアイデアが増えました。年内には何とか次々回を開催したいですね。
GREEに登録してみました。GREEに登録されている方で、この勉強会に関心がある方は「丸の内新事業創造コミュニティ GREE分室」というコミュニティを作ってみましたので、そちらもご覧下さい。

そのうちに「浜松町新事業創造コミュニティ GREE分室」でも作ってみようかな(笑)・・・こちらは勉強会はなくて宴会だけかもしれません(苦笑)
10月28日(木)に開催予定の勉強会の概要です。詳細が決まりましたら適時、更新いたします。

◇ タイトル : 未定

◇発表者:別途案内(今回はIPOされた企業の社長様にお話いただきます)

◇ 開催日時:2004年10月28日(木) 午後7時00分開始(受付は午後6時30分より)

◇ 会場:東京丸の内近辺(別途ご案内)

◇ 参加資格:新事業創造に興味を持つ方で、勉強会のオリジナル・メンバーの推薦により参加が可能。

◇ 会場定員(40名:予定)になり次第締め切らせていただきます。

◇ 講演の後に講演者、講演出席者の交流を目的とした懇親会(有料)を予定しています。
東京・丸の内で新規事業立上・起業をテーマに年末から始めた勉強会もこれで5回目になりました。今回は(株)テックス アウトソーシング事業部/碓井宏典様にお話をしていただきました。今回は夏休み明けという事で皆様お忙しかったようで14名の参加となりましたが、まぁこのぐらいが相互の会話が出来る上限の人数なのかもしれません。前回に比べると意見の交換はスムーズに出来たように思います。

テックス社は主にメーカーのドキュメント制作受託をしている企業です。実際には顧客の職場に人を派遣して業務を行う事も多いという事もあって新規事業として人材派遣・教育のビジネスへの参入を決めたようです。

実際にアウトソーシング事業部としての業務を始めたのが8月に入ってからという事もあって、成果はこれからという状況ですが日経を含めて数紙に記事として取り上げてもらっているという事でしたから注目度としては高いようです。この日のお話では事業参入のきっかけなどをお話いただきましたが1年後にまたお話を伺う機会を作りたいですね。

講演終了後の恒例である懇親会は部屋を移動して立食形式で開催。立ち上げたばかりの事業という事で色々と厳しい意見もあったようですが、20代前半で1つの事業をまかされているのですから先が楽しみです。参加した皆様にも良い刺激になったようです。

さて次回は10月28日(木)に第6回が開催予定です。