何とか次回開催を確定させました。7月21日(水)に毎度おなじみの場所での開催です。

2007年9月に一度お話をいただいた(株)ブルー・シフト・テクノロジー代表取締役 岡本伸一様に御願いしました。

講演内容はこれからの調整ですが正式告知を今月中にはしたいと思いますのでお待ち下さい。




昨日(2010年5月15日)、知財関係者(私は違うけど)が集まるSMIPSの講演会でファイザー(株)中央研究所研究連携戦略部長を務め、中央研究所閉鎖後はIV社に転じた平手純司ディレクターの講演を聴講いたしました。内容としてはIV社の会社紹介レベルと思いますが、私としては興味深くお話を聞けました。

なお多少誤解をしている内容もあるかもしれませんので、念のため(配付資料ナシなので)

・変化の激しい時代に1企業が単独でイノベーションを起こすだけの時間的な余裕はない。また1つの技術的な革新だけでは具体的な商品として完成する事も難しくなっている。オープンイノベーションはそれを解決できると考えている。IV社はアカデミックも含めたグローバルなイノベーションの取引市場を成立させる事を目指している。

・IV社は
1)特許を買う
・・・だけでなく
2)シーズレベルのものを共同して特許に仕上げる事業
3)自らラボを持ち特許のベースとなる知見を発見する事業
・・・も展開している。日本では2)について事業を行っているし将来的には(あくまでも個人的な意見と述べていたが)3)についても可能性があるとの事。時々、特許を買って欲しいという相談を受けるが日本では事業を行っていないので本社に問い合わせてもらっているとの事。

・上記の事業は独立しておりファンドを形成して運営しているような説明をしていた。ファンドとしての利回りは非公開だが、まだ始まったばかり(設定後20年と述べていたと思う)なので何とも言えない段階との事。

・IV社は特許を独占的に許諾、売却する事を基本的にはしない。その代わりに妥当な水準での金額を設定する事で複数の企業が特許を利用してもらう事を考えている。

・ IV社は今後解決すべき課題を具体的に書類としてまとめる事を継続的に行っている。日本語として現在、100件程度になっているが今後200から300件程度まで数年で作成して有望な技術・アイデアを募ったり発明者・研究者を見つけて発明の機会を与える事に注力していきたい。

・上記の書類 (レポート)を見たいという研究者は多いが契約者以外には見せる事が出来ない。どうしてもという要望も多いのでタイトル程度は案内する事もあるとの事。

・ヨーロッパではなくアジアに注力しているのは特許出願に比べると利用されている比率が少ないからである。埋もれた知見や研究者を掘り起こす事が必要。

・アメリカでさえ「発明家」と名刺にある人と挨拶した事はほとんどない。ごく普通に「発明家」と名刺に表記できる社会にしていきたい。・ IV社はパテントトロールではないし、今後もなる気はないという事は強調していた。よく指摘されるのだろう。

・IV社の事業はまだまだ始まったばかりだが最近、新聞記事になったテラパワー社はIV社の投資先の1つである。ただし現時点で東芝との関係は交渉中であるとしか言えないとの事。
Shipahead/冨田ラボ
¥3,059
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この人の多重録音(死語だなぁ)やコンピュータを使ったバンドアレンジの音楽は不自然さが見事にない。以前聴いたアルバムは捻りすぎだろって思うところがあったが本作品ではかなり押さえてきている。素直に影響を受けただろう音楽の要素がちりばめられている作り方は私としては好感が持てますよ(笑)

過去の作品同様にVoはゲストを迎えてバリエーションを出してます。BGMとしてしばらく聴いていようかな。
新規事業・成功の〈教科書〉 ―200社以上に命を吹き込んだプロ中のプロが教える/坂本 桂一
¥1,575
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本書における著者の主張はごもっとも事が多いのだが、ある程度の事業規模の企業でないと辛いように感じる。でもわかりやすい内容でした。幾つか気になったところをメモとして残します。

・新規事業を起こすための資金は事前にプールすべき。その金額は東証1部クラスで3億から5億円/1事業(子会社)、全体で10~50億円程度。これだけの投資は無理だから小さく始めるというのは多くの企業でありがちな話なのだが結果としてはうまくいかないという。

・ルールを作れる・変えられる市場にこそビジネスの機会がある。その手段は技術革新だけではなく新しいコンセプトを生み出す事がもっと大切。→制度設計や大きな意味でのデザインという事を意味しているのだろう。
ナチュラル・ウーマン/流線形と比屋定篤子
¥2,500
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いわゆるAORの影響を強く受けたのが良くわかる音作り。20代の時にAORをリアルタイムに聴いていたとは言っても、ハードロックかプログレ寄りのものをもっぱら聴いていた私。こういうのを頻繁に聴くようになるとは思ってませんでした(笑)

あぁでもこれはいいですよ。移動中でも十分に聴ける。オススメしておきます。
忘却の整理学/外山滋比古
¥1,260
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知識(情報にもならないものが多いのは実情ですが)偏重の世の中で忘れる事が悪い事であるという認識の方が多いんでしょうが本書は「憶える」と「忘れる」はセットであるという事を繰り返し述べたエッセイって印象。知識が多ければ思考は停止する→専門バカになりがちって主張も興味深かった。

ありがたくない、多少の責任を感じる事は忘れられやすい。意志が及ぶ話ではないが本心には正直である・・・と。また、一夜漬けは必要でもあるが弊害もあると・・・現代はtwiiterあたりで顕著であるが一夜漬けが席巻する世界かな(笑)
以前、講演いただきましたインフォテリア/平野社長さんは青山学院大学大学院で技術系ベンチャー経営の講座をもっていらっしゃいますが、その枠で公開講座をされるそうです。講演者はNTVP代表 村口和孝氏、私も2回ほど村口様のお話を聞いた事がありますがお話される内容も語り口も魅力有るものと思います。

お時間の都合とご興味次第ですが私はオススメいたします。残念ながら私は勤務先のイベントで東京に戻るのが夕方のため参加できません。。。

日時:11月7日(土)13:10 - 16:20   
※前半:村口氏講演、後半:質疑応答とディスカッション
場所:青山学院大学大学院(青山キャンパス内)

詳しくは平野社長さんのBlog をご覧下さい。
30th Anniversary Live
¥3,990
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本Blogのテーマとは外れて個人趣味ではありますが気になるものをご紹介。未だ現役・最前線でライブ、スタジオで活躍の松原正樹(G)30周年記念ライブのCD。
 
学生の頃のありったけの資源(時間もお金も)をバンド活動に費やしていた感覚を思い出させてくれる熱い演奏 !が聴けます。フュージョンとかAOR好きな方であればチェック済みなんでしょうけど、この音は多くの方に経験していただきたいものです。

天才・異才が飛び出すソニーの不思議な研究所/所 眞理雄
¥1,680
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一般論として企業関係者が自ら所属している組織について執筆している(この本の場合は創設者であり現所長である所眞理雄氏)場合、その本はPR本として考えるべきというのが私の認識。

ただメディアの露出度が高い茂木健一郎氏が所属している組織としても知られるソニーコンピュータサイエンス研究所がどんなところかを知るという点では悪くはない内容だとは思った。いわゆる社史のような内容から現在、所属している研究員のテーマ、そしてスタッフからの視点まで楽しい読み物になっている。

科学と工学、そして生物(医学)、経済学・・・色々な分野の境界が曖昧になっているという事を改めて知るという点でも面白い内容でした。ソニーコンピュータサイエンス研究所の持つ知財の社内展開を支えるスタッフの話をどこかで伺いたいものですね。
脱「ひとり勝ち」文明論/清水 浩
¥1,575
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EV(電気自動車)マニアな清水先生の本。内容としては新書で十分って感じだけど主張としては割と面白かった。

太陽電池と電気自動車の普及が世界を変えると著者は信じながら、既存勢力(エネルギー産業と自動車産業)へのインパクトの大きさから動きが鈍くなる事への懸念を提示。世論が動く事で政策も変わる事への期待も述べている。

本書には古い技術に変化を加えた新しい技術が普及するのに必要な時間は7年程度とある。そして太陽電池マーケットにおける価値は性能(効率)ではなく、価格であるとしている。参入企業が急激に増えつつある今は太陽電池バブルなのかもしれないが、その後には太陽電池は「当たり前」のものとして普及しているのかもしれない。

EVに関する世間一般の主張や課題は10年前となんら変わっていないと私は思ってますが、10年後なら何とかなってるかもとは改めて思います。