確かにそうかもしれません。一理あります。
しかしながら、ちょっと考えてみませんか?
事業再構築補助金の通常枠には5類型あります。「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「 業態転換」、「事業再編」です。
これに当てはまるかどうかについて確認する必要がありますよね。よって、これらの定義についてしっかりと支援者側は理解する必要があります。
さらに各類型には、「要件」があります。たとえば、「新分野展開」においては、「製品等の新規性要件」、「市場の新規性要件」、「 売上高10%要件」の3つを全て満たす(=事業計画において示す)必要があります。
たとえば、「製品等の新規性要件」についてですが、手引きには以下のような説明があります。
さらに、「要件を満たさない場合」の解説もあります。
※詳細はこちらにアクセスしてください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin_tebiki.pdf
確かに細かいかもしれませんが、ここに書いてあることは、ごくごく当たり前のことです。
3補助金(もの補助、持続化、IT)以前の補助事業においては、こういう詳細な解説さえなく、「新規性について書け」という指示の申請書ばかりでした。
ここまで丁寧に解説をしているのは、「ちゃんと作成して、補助を受けてアフターコロナを乗り切ってほしい。単にお金だけ貰いたい!みたいな事業者さんには補助しません」という姿勢かもしれません。こういう見方もできないわけでもありませんよね。
もし、これが心底、「細かすぎて申請できる事業者が少ない!経産省は補助する気などないのでは?ふざけるな!」と本気で思っている専門家がいるとしたら、そういう方は、本来、「補助金」の申請支援には不向きな方なのかもしれません。
もちろん支援するかどうかは、その専門家が決めること。
事業者の方で、専門家に相談をして、前提として以下のようなことを言われたら、他の専門家を当たった方がよいかもしれません。
私から言わせれば、事業者が考えている事業内容が、先ずは、5類型に当てはまるのかどうか?について確認をして、たとえば、「製品等の新規性要件」、「市場の新規性要件」、「 売上高10%要件」については、どのような事業スキームであれば、これがクリアできるのだろうか?と一緒に考えていくのがプロコンだと思うのです。
最初に相談を受けた際に、この社長はどこまで事業再構築を成し遂げようとしているのか?についてヒアリングを通して判断をします。そして、事業モデルの検討をしなくてはいけないけど、社長がそこまで本気なら支援しよう!と判断できれば依頼を受けます。私が相談を受ける際の基本姿勢でもあります。
社長やスタッフなどからブレストをすることもあります。競合他社の技術やサービスを実地調査することもあります。技術担当者に何度も説明を受けます。そうやって一緒に事業計画(申請書)を作り上げていくのが、補助金支援コンサルの役目です。
「そもそも経営に要件に該当しないと支援できません・・・」と言ってしまう方は、給付金や協力金と同じに考えている専門家だと思います。そういう人には、残念ですが、事業モデルを構築する支援は困難でしょうね。
ただ、認定支援機関さんにも支援の限界があります。よって、要件に合致するのが前提で、それなら何とか支援することができる、というフィルターをかけるのも一つの考え方だと思います。(実際、そうしないと支援しきれない、と考えいる先生もいらっしゃると思うのです。)
認定支援機関であれば、誰でもこのようなノウハウを有しているのか?といいますと、そんなことはありません。人はスーパーマンではありません。
特に認定支援機関に多い税理士の先生は、「税務」の専門家です。決して、無理強いできないと思います。だって、税理士の先生にだって、できることとできないことがあります。
事業再構築補助金は、認定支援機関の支援が必要です。主に顧問税理士さんに相談されるでしょう。もし、顧問税理士さんから支援を受けることができない場合は、他の認定支援機関(士業、民間コンサル、商工会、金融機関など)に相談することになります。
先ずは、積極的に取り組んでくれる信頼できる認定支援機関の先生から支援を受けることができればよいですよね。ノウハウを有していることも大切ですが、「大変かもしれないけど、全力で支援します!一緒に事業計画を練りましょう!」と言ってくださる先生が有難いと思います。
今回の事業再構築補助金の支援がビジネスチャンスだと思って、積極的に取り組もうと考えている専門家の先生は、そこまで覚悟をして、実際にアフターコロナを生き抜けるようにコンサルティングして欲しい!って切に思います。
人それぞれ限界があります。
私もそれは理解しております。
そういう私は、実際、事業者さんへの直接的な支援はできません。資金調達サポート会の先生方のバックサポートに全力を尽くします。
ある意味、このような偉そうなことが言える立場ではないのかもしれませんね。
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