さて、今回7人が集合した際に聞かれたことのひとつが、「今までで、一番印象的だった過去世は?」というもの。
たくさんあるのですが…
ふと浮かんだのは、降霊術師の過去世です。
★そのときの記事
一部転載します。
2年ほど前、「1day講座」にいらしたAさん。
ヒプノを受けたことがあるとおっしゃったので、
「その時どんなふうに見えましたか?」と聞くと、
「イメージが見えると言うよりも入り込んでくるんです。入ってきて、イタコのようになるんです」と。
「入ってくる」の意味がよくわからないまま、講座をスタートし、潜在意識を視るためのイーメージング練習になると…。
Aさんが、イメージを思うように見ることができないと言います。
A:間違ったらどうしようと。間違うことにとても恐怖がある。
私:「正しいイメージ」なんてないから、視えたままを言ってくれれば大丈夫ですよ。
A:でも、間違うのがこわい。
私:ふうん? それ、なんだろう?
ヒプノを受けたときは何かヴィジョンが見えましたか?
A:降霊をやっている人が出てきました。生き埋めにされたんです。
そのとき。
床に描いた円の真ん中に立つ魔術師が見えました。降霊を行っているようです。その周囲をぐるりと取り囲むように人々が座り、見つめています。
でも、何か大変なことが起こったようです。
失敗したのかな?
それで生き埋めにされたのかな?
「間違ったらどうしよう」という恐怖心は、この過去世から来ているんだわ。
このときはまだAさんの過去世だと思い込んでいました。
イメージング練習を中断して、先にこの過去世を解放することにしました。
エンプティーチェアでやってみようと思い、Aさんの向かい側に椅子を置き、魔術師をイメージしてもらいます。
その魔術師に、「あなたはAさんの過去世の人?」と聞くと、突然、頭や両腕をゆらゆらと揺らし始めたかと思うと、全身を小刻みにぶるぶると震わせ、
「私は間違ってない! わたしは……ちゃんと視た!」
と泣き叫び始めたのです。
まるで何かに取り憑かれたのようです。
さきほどまでのAさんではありません。
そして、このあと大変なことになりました!
(Aさんに入り込んでいる魔術師が)ぶるぶると震えながら、
「私は…私は……ちゃんと視た!」
気が狂ったように「おおおっ」と背中を丸めて泣いたり、私に取りすがって、「助けてください、助けてください!」と叫んだり。
魔術師:わ、わたしは……間違って…いない、私は……ちゃんと…やった…。
ぶるぶると体を震わせ、大声で泣き叫んでいます。
ああ、やっぱりさっき視えたヴィジョンの通りなんだわ。
ちゃんと降霊できたのに何かが起きて、この人は生き埋めにされたんだわ。
だから、自分はちゃんと視たのに!と訴えているのでしょう。
魔術師:はや…く、はやく…。わた…しは…ちゃんと……やった。
大きな目に涙をいっぱいに溜めて、私に取りすがってきます。
「分りました、分りました。ちゃんと解放するから」
そう言って背中をとんとん叩きながら、レイキの光を入れますが、効果があるのかないのか、ぶるぶると大きく震え続けています。
私:えっと、視るね。あ、やっぱり降霊している。
(先ほどの、床に大きな円を描いて降霊している場面が視えます)
ええっと、何があったのかな…。
皆があなたの周りに円陣を描くように座って見ている。
すると、魔術師が突然、椅子から転げ落ちるように床に突っ伏し、号泣しながら、「わたしは…わ……わたしは……ちゃんと…やった…」
私:うんうん、あなたはちゃんとやった。待って、解放するから。えっと…
魔術師は横にごろんと転がり、膝を抱え、エビのように背中を丸めてぶるぶると揺れ続けながら、
「はやく…はやくここから……はやく…出してくれ……」
とわめくのです。
ああ、これ、埋められたときの姿勢なのでしょう。
体をくの字に曲げた上体で両手足を紐で縛られ、生き埋めにされたのです。
過去世を視ようとするのですが、
「はやく…はやく……助けてくれ!」
と、のたうち回り、大声で泣きわめくので集中できません。
暴れ回るとまではいきませんが、じっとしていられないのでしょう。
「まあまあ」と肩をとんとん叩きながら、
「ちゃんと解放するから、静かにしてね。大丈夫だから」
それでも、「はやく……はやく! 助けて……」と号泣しながら、「わ……わたしは……まちがって……いない!」
次の瞬間、ぱっと上体を起こしたかと思うと、かあっと目を見開いて、私を睨みつけました。
これはもうAさんの目ではありません。
当時の魔術師の目です。
ぞっとしました。
こわかったからではありません。
魔術師の「目」が、死に物狂いで真剣に訴えていたからです。
Aさんの目の奥に、魔術師の目が視えます。
涙でいっぱいの、その目の奥から、言いようのない悲しみや絶望感や怒りが、私の胸になだれ込んできました。
私:(驚きながら)わかったわかった。私が解放できるのね?
魔術師:だから……頼んでいる……。
荒い呼吸をしながら、血走った目で私を見ています。
私:(は? なんかちょっと上から目線? まあ、いいや)
えっと、視るから静かにしてね。ちょっと落ち着いてね。でないと、気が散ってリーディングに集中できないから。
リーディングを続けます。
(つづく)
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