(つづき)
動物にいきなり「今何を考えているの?」「おもちゃは何が好き?」なんて聞いても、相手は戸惑うかもしれません。
「コミュニケーション」ですから、お互いに心を開く、信頼関係を築くのが大事です。
アユさんが家の猫ちゃんと話せないと言うのですが、猫ちゃんの方はアユさんの言っていることを理解しています。
ただ人間の言葉では返答できません。
アユ:でも、ちゃんとトイレで用を足してねって言っても、やっぱり粗相するんです。
それはアユさんの言っていることが分からないからではなく、粗相する理由があるからかもしれません。
小さい子供に「こうしてね」「ああしてね」と一方的に言い聞かせているのと同じで、「コミュニケーション」にはなっていません。笑
猫ちゃんの気持ちを聞くことが大切なのですが、そのためには……。
以前、アニマルコミュニケーターの方とお話した際、動物と話せるようになったきっかけを聞いたことがあります。
捨て猫を保護し、かわいがって育てていたら、あるとき、ふと「ありがとう」と聞こえたような気がしたそうです。
そして、母猫のヴィジョンが浮かんだので、ああ、お礼を言ってくれてるんだなと。
このように、植物でも、物でも、チャンネルが合うきっかけはこちらの「愛情」に反応して始まることが多いように思います。
ですから、植物と話せるようになりたいという生徒さんには、いきなり「お水は足りてる?」とか、「居心地はどう?」と聞くのではなく、まずは「私のところに来てくれてありがとう」「いつも見ていて癒されるよ、ありがとう」など、愛の言葉かけをたくさんするといいよとお伝えしています。
人間も同じですが、自分を愛してくれているんだなと信頼すると心を開いてくれるので、意志の疎通が図れるようになっていきます。
私が初めて植物の意識を感じたのは11年前です。
当時、リビングのテレビの横に、息子が買ってきた小さなシクラメンの鉢を2つ置いていました。
ひとつは濃いピンク、もうひとつはオレンジ赤です。
どちらも私が大好きな色です。
テレビを見るたびにその花が視界に入るので、
「ほんとにきれいだね」
「ほんとに可愛いね」
「ここにきてくれてとても嬉しい」
「なんて素敵な色、うっとりする」
毎日毎日そんなふうに話しかけていたら、ある日突然、「レイキ、やって」と聞こえた気がしたのです。
え? 空耳?と驚きました。
帰宅した息子に言うと、息子がじっとシクラメンを見て、
「ほんとだ、レイキやって、って言ってる!」
植物と通じるようになったのは、それからです。
「物」の意識を感じるようになったきっかけは「ケトル」から話しかけられたことです。
10年位使っていた笛吹きケトルがボロボロになり、捨てようとしたとき。
その真っ黒なケトルを見て、買った時はピカピカだったのになぁ、私がちゃんと手入れしないから、こんなに真っ黒になっちゃったと思って見つめていたら、急に悲しくなって泣けてきました。
人生にいろいろあって引っ越しを繰り返してきました。
そのたびにこのケトルも連れ添ってくれました。
そうだよね、ずっと一緒だったよね、ありがとうね……そんな思いがこみ上げて、買ったときのようにピカピカにしてから捨てようと思いつきました。
で、タワシでゴシゴシと磨いていたら、突然「ありがとう」と聞こえてきたのです。
えっ?
思わず手を止めて、ケトルを見ると、
「どうせ捨てるだけなのに、こんなにきれいにしてくれて」って。
そんな、そんな。
こちらこそ、ありがとう
辛いときも苦しいときも、いつも一緒だったよね。
ケトルを抱きしめてわんわん泣いてしまいました。
考えてみればみんな同じ素粒子(=砂場の砂粒)でできていて、砂粒ひとつひとつに意識も意志もあるのですから、その砂粒が固まって「ケトル」という形になったとしても、ケトルにだって意識も意志もあるのです。
こんなふうに万物がつながっていることや、それぞれに意識があることを理解した上で植物や動物や物に意識を向けると、固い殻がすうっと溶けて相手と繋がるようになります。
10年ほど前、アメリカ在住のアニマルコミュニケーターの太尾さんという方が、日本でセミナーを開催した際に参加したことがあります。
太尾さんは、宇宙に存在する命は、石でも、植物でも動物でも、人間でもすべて対等だとおっしゃっていました。
植物や動物などの存在はすべて真理を知っていて、知らない(忘れている)のは、人間だけだと。
動物は、自分たちが輪廻転生することも知っているので、人間のように「死」への恐怖心もないそうです。
また次の肉体を持って生まれてくることもわかっているから。
動物、特にペットは人間をサポートするために生まれてくるので、飼い主の過去、現在、そして未来に至るまですべてを知っていて、批判もせず、裁くこともせず、常に愛情のみを注ぎ、飼い主の幸せを一番に考えながら寄り添ってくれるそうです。
そんな話をしながらあゆさんに、
「例えば、このテーブルの上のお菓子を感じてみて?」
と促します。
私:正解はないの。
行列のできるラーメン屋さんで食べても、
「おいしい」
「私にはちょっとこってりしてるかな」
って人の感想はまちまちでしょう?
それと同じで、相手の意識をどう感じ取るかは人によって違って当たり前なの。
自分が「感じたそのまま」でいいの。
私:じゃあ、この「黒胡椒せんべい」から。
さっき食べて「おいしい」って言ってたよね?
おせんべいにいきなり話しかけるのではなく、
「私、黒胡椒せんべいが大好きで、あなたを選んで買ってきたんだけど、すごくおいしかった」ってお礼を言ったり、「好きだよ」っていう気持ちを伝えて下さい。
(おせんべいに手をかざしてもらう)
そうしたら、なんとなくでいいです、なんとなく、空耳でも自分の思い込みでもいいけど、どんなふうに感じる?
アユ:黒胡椒がピリッとして、いいアクセントになってるでしょ?って。
私:そうそう、それでいいの!
意識を合わせて、ただ感じてみてね。
じゃあ、次はカオさんが持ってきてくれた、山梨のお土産のクッキー。
(信玄餅をイメージしたきなこ味のクッキーです)
さっき、これ食べて、
「信玄餅をかなりいいいいレベルまで再現してますよね、おいしい」
って言ってたよね?
それを伝えてください、そのまま。
「おいしかったよ、すごいよね! すごく再現されてるね」って。
そしたらどんなふうに感じる?
なんとなくでいいから。
アユ:褒められて嬉しいよ、って。
私:うんうん、それでいいの。
じゃあ、次は今使っているそのボールペンにも話しかけてみて?
アユ:このボールペンはノックをカチカチって押してペン先を出すこともできるし、振って出すこともできるんです。
どっちが好き?って聞いてみたら、ノックの方が好きなんだよねって。
今度からなるべくノックで出すようにします。
すごい、すごい!
アユさん、「物」の意識を感じることができるようになりました!
動物も植物も石も、みんな同じようにやってみてください!
相手にもちゃんと意志や意識があると理解して、相手の気持ちも尊重しながらのコミュニケーションを心がけてね。
他の人と答えが違っても大丈夫です。
と、ここまで書いたら、アユさんからLINEがきました。
アユ:コンタクトレンズの件ですが、先日解放してもらってからは全く濁っていません。足の痛みも気にならなくなりました。
★そのときの記事
わ~!
良かったあ!
さて、次は動物絡みで、生徒モエさんのエピソードをご紹介します
(つづく)
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