(つづき)
ふたりが玄関で「じゃあね」って手を振り、玄関の扉が閉まり、リビングへ戻ってきた瞬間……。
あれ?
なに、この気持ち?
心にぽっかり穴があいて寂しい。
居ても立ってもいられません。
あの「惑星ひとりぼっち」の再来です。
ず~んと魂に響く強烈な孤独感……。
どうしよう、
どうしよう!
いやいや、あれはもう解放したんだから、大丈夫なはず。
でも……どうしようもない孤独感。
ず~んって……
落ち着いて、分析しよう。
最初にカオさんが「じゃあ」って立ち上がったときには何も思わなかった、
次にミクさんが「じゃあ、私も」って席を立ったときに動揺したような気がする……
ってことは、ミクさんとの間の過去世が原因?
深呼吸して気持ちを落ち着けて過去世をリーディングします。
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古い西洋の時代に私が母親、ミクさんが幼い娘だった過去世が出てきました。
母ひとり子ひとりの生活です。
貧しくて子供を育てることができず、娘を裕福なお屋敷の養女に出します。
まだ2~3才でしょうか。
お迎えに来た人に手を引かれ、去って行く幼い娘の背中と、さきほど扉が閉まる瞬間に見えたミクさんの後ろ姿が重なります。
お屋敷は離れた街にあったため、それ以降、娘と会うことはできませんでしたが、ある時、お屋敷の人たちが所用でこの町に来ると聞いて見に行きます。
娘は17~18才になっていました。
白いふわふわした帽子をかぶり、きれいなワンピースを着て馬車に乗っています。
その成長した姿を物陰からそっと見て、涙が溢れます。
なるほど。
このときの悲しみがよみがえってきたのでしょう。
当時の切なさが胸にこみ上げてきます。
書き換えのストーリーを視てみます。
子供を手放した悲しさで泣き暮らしていたところ、その噂がお屋敷の耳に入ります。
ある日お屋敷から使いのものがやって来て、私を娘の身の回りの世話係りとして雇ってくれると言います。
ただし、決して自分の身分を明かさないという条件です。
私は喜んでお屋敷で娘と一緒に暮らします。
そして、娘が20歳になった時。
娘は教会の神父さんに大事な話があると呼び出されます。
産みの母親が別にいる事、その人がどこの誰かは明かせないこと、世の中には貧しくて我が子を育てることができず、子供の幸せのために泣く泣く手放す人もいることなどを聞かされます。
娘は黙って涙を流しながら聞いていました。
屋敷に戻ってくると、私に、今日神父からそういう話を聞いたのよと。
私は驚きますが、動揺を見せないようにふるまおうとします。
が、娘は私の目をしっかりと見つめ、こう言うのです。
「あなたですよね?」
私の目から思わず涙がポロポロとこぼれます。
なぜ娘がわかったかというと……。
「小さい頃からずっと世話を焼いてくれているあなたの、自分を見つめる目が、普通の使用人とは思えないほど慈愛に満ちていたから」だと。
娘はそっと私を抱きしめて、「ありがとう」と言ってくれます。
ここまでのストーリーをミクさんにLINEで送ると、
「私も、本当のお母さんがいることを知って、再会して抱き合っているイメージが見えました」と。
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書き換えると、さっきまでの孤独感が薄くなりました。
翌日、また微かによみがえってきましたが、解放するとなくなりました。
あ~、びっくりした。
ミクさんと出会ってからもう5年になりますが、まさか今になってこんな過去世が浮上するとは。
しかし、きっとこのタイミングで必要な解放だったのでしょう。
この過去世では私の悲しみの解放がメインでしたが、実は第1回目の「ミラクルズご一行様」のとき、ミクさんにとってのかなり大きな過去世を解放していました。
ミクさんは5年前、講座にいらしたときから片想いの人がいました。
その方との過去世もかなり解放したのですが、それでも気持ちは軽くならず、今回(5月の高尾山)お会いしたときも、まだその気持ちを引きずっていると言うのです。
(こんなに長くひきずる気持ちって何だろうなあ)と思いつつ、高尾山の山道を息を切らしながら登っていたとき、突然……。
あっ…!
ミクさんと相手の方の過去世が浮かんできました!
きっとこれ、すごく影響を受けている!
でも……。
伝えていいのかな…。
(つづく)
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