3年ぶりに個人セッションを再開したところ、第一号のクライアントさんが卒業生のカオさん!
「マサコさん、個人セッション受けたいです~! 一番早くていつが空いていますか?」って。
私:ど、ど、どうしたの?
(6日後には「ミラクルズご一行様」で会うことになっているのに、そのときでは遅いのかな?)
カオ:このままだと占い依存になって何を信じたら良いか分からなくなって、また恋愛ぶち壊しそうだから…笑
ああ、恋愛相談ね。
で、早速翌日にセッションを行ったのですが、とても不思議な内容だったのです。
カオさんと相手のAさんとの解放すべき過去世を視たところ・・・。
江戸時代でしょうか。
カオさんは当時、大きな商家の3人姉妹の真ん中です。
家には奉公人が何人もいます。
その中のひとりが、今世に転生しているAさんです。
彼は15歳から奉公にきています。
カオさんに憧れを抱いているようです。
3人姉妹は年頃になると、親が決めた相手の元へ嫁いでいきます。
姉と妹は幸せな結婚生活を送っているのですが、商家に嫁いだカオさんは、ご主人が暴言を吐いたり、彼女に対して支配的な態度をとるため、つらい日々を送ります。
姑もとても厳しい人です。
その辛い日々の中、娘と息子を授かったカオさんは、とにかく我慢して耐え忍ぶしかありません。
年に一度里帰りしてくるのですが、そのたびにやつれ、痩せ細っている娘の姿をみて、両親は心配で仕方がありません。
しかし、当時は性格の不一致で簡単に離縁などできる時代ではありません。ましてや嫁ぎ先は実家よりも大きな商家で、実家の商売とも関わりがあります。
奉公に来て15年になるAさん。
3人姉妹が子供のころから成長していく様をそばでみていますから、姉妹の幸せを願う気持ちは人一倍強いものがあります。
特にカオさんに対しては……。
(その理由があとでわかるのです)
それゆえ、やつれていくカオさんのことをとても心配していました。
ある日、Aさんは突然店を辞めると言ってきます。
店の主人は驚き、引き留めます。
長い間真面目に働いてくれたAさんに信頼を置いていましたから、ゆくゆくは番頭にでもなって、より一層店を助けてくれたらと期待していたのです。
辞める理由をどんなに聞いても、Aさんは「田舎に帰る」としか言いません。
そして姿を消してしまいました。
それからほどなくして、事件が起きます。
カオさんのご主人が仕事で出かけた際、暴漢に襲われて命を落とすのです。
連れの者も2,3人いましたが、彼だけが胸を刺されたのです。
犯人はAさんでした。
とても大きな商家の跡取りでしたから大騒ぎになり、Aさんはすぐに捕まってしばり首になりました。
Aさんはカオさんを苦しめている彼を許せなくてそのような行動に出たのですが、そのことによってカオさんはますます窮地に追い詰められていきます。
犯人がカオさんの実家の奉公人だったことであらぬ噂が立ち、カオさんは離縁されて子供を残したまま実家へ戻らざるを得なくなり、実家の商売も傾いていきます。
ここまで聞いていたカオさんが口を開き、
「誰もハッピーになれなかった」
私:うん、誰ひとり幸せになってないよね。
憎しみで行動を起こしてもみんなが不幸になるだけ。
中間世でガイドも、
「彼女の幸せを願っているからといって、彼女を苦しめている人を単に消せばいいという安易な発想では、人は幸せになれない。憎しみからは誰も救えないんだよ」と。
書き換えを視てみます。
さきほどと同じように嫁ぎ先でつらい日々を耐え忍ぶカオさん。
心が苦しくなったときには、そっと家を抜け出して裏山の竹林でひとり泣いています。
次の場面を視ようとしたとき、突然、「かんざし」がふっと浮かびました。
私:あれ? なんだろう?
急にかんざしが出てきたんだけど。
この過去世と関係ない気がする・・・。
え~?
なんで、かんざし?
首をかしげていると、カオさんが
「マサコさん、それ、あのときのかんざし?」
私:あのときの? え、なんだっけ?
カオ:ほら! 花魁の過去世のとき。
書き換えのストーリーで、かんざしが出てきたじゃないですか!
カオさんの話を聞きながら、少しずつ思い出してきました。
・・・・・・・
5月に高尾山へ行ったとき、カオさんから恋愛相談を受けたのです。
その相手がこのAさんでした。
事前にRikaちゃんに視てもらったら、花魁の過去世が出てきたと言います。
私:花魁……、うん、花魁の過去世があるね!
カオさんは家が貧しく、家計を支えるために遊郭に売られた女性です。
花魁ですが、自由になりたくてしょうがない。
でも、親が多額のお金を受け取っているため、おそらく一生ここから出ることはできないでしょう。
自由になるには誰かに身請けしてもらうしか方法はありません。
あるとき、客としてAさんがやってきます。
ふたりは恋に落ちますが、ただの藩士にすぎない彼には、彼女を身請けするほどの財力はありません。
ここから出たい、自由になりたいという彼女の願いをなんとか叶えてあげたいと思ったAさんは、考え抜いた末、遊郭に火を放つのです。
「火事だ、火事だ!」と大騒ぎになっているどさくさに紛れて遊郭を抜け出した彼女は、田舎へ戻ります。
かたや、火をつけたAさんは、たまたま見ていた人に取り押さえられ、火あぶりの刑に処されてしまいます。
カオさんは彼が放火犯だったことも、処刑にされたことも知らないまま、田舎で身を隠すようにしてひっそりと暮らすのです。
その人生が終わって中間世(=あの世)へ戻った彼女は、自分を自由にするためにAさんが命を犠牲にしたことを知って、罪悪感に苛まれるのです。
書き換えを視ると……。
彼女を身請けすることのできないAさんは、これ以上会っていてもお互いがつらい想いをするだけだから、もう会わないと告げます。
別れのとき、カオさんは「これを私だと思って」と自分のかんざしを渡します。
5年後、彼女のもとにきれいなかんざしが届きます。
身請けも出来ず、何もしてあげられなかったけれど、あなたのことはずっと思い続けているというAさんからの文が添えられていました。
彼女は涙を流し、花魁という運命からは逃れられなかったものの、彼の「愛」を心の支えにし、自分の人生を全うするのです。
・・・・・・
私:そうか! あのときのかんざし!
今視ている過去生は、その後、ふたりが転生したあとを視ているのね?
うわ~、びっくり!
その続きは、こうです。
竹林で泣いていたカオさんが、ふっと空から何かが落ちてくるような気配を感じて足元をみると、そこにかんざしがあるのです。
「かんざし?」
不思議に思いながら拾って手のひらに載せると。
ああ……。
なんともいえない暖かい、優しい、「愛」のエネルギーに包まれる感じがします。
涙がぽとぽとと落ちてきます。
過去世が思い出されるわけではないのですが、なにか自分がとても愛されていたという感覚が蘇ってきて、心が温かくなるのです。
それからはつらいことがあるたびにそのかんざしを手に取り、心を癒します。
やがて娘や息子が成長してくると、カオさんの頼もしい味方となり、常に母親を気遣い、かばってくれるようになります。
ご主人も年月を重ねるうちに少しずつ性格が丸くなっていきます。
こうしてつらい日々を乗り越えたカオさんの人生は、ゆるやかにではありますが、穏やかになっていくのです。
書き換えが終わると、カオさんも私も感無量でしばらく無言。
私:それにしても、よくかんざしがあのときのってわかったね?
カオ:うん、あのかんざし! って思った。
いや~、不思議な過去世解放だったなあ・・・。
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『過去世診療所〈実例集①〉』~2014年度分
『過去世診療所〈実例集②〉』~2015年度分
『過去世診療所〈実例集③〉』~2016年度分
『過去世診療所〈実例集④〉』~2017年度分
『過去世診療所〈実例集⑤〉』~2018年度分
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