(つづき)
私:では本来の解放すべき過去世へ行ってください。
のぞみ:魔女の時代。学校の生徒同士。
マサコさんと私はお互い違うグループに属している。「私の方が能力が上よ!」といがみあっている
私:それで何が起きましたか?
のぞみ:言い合いだけではなくてつかみ合いの喧嘩になった。
マサコさんが私を押したら、よろけて転んで頭を打った。マサコさんは「やばい」と思って逃げた。
周りには誰もいなかったので、見ていた人もいなかった。私は頭を打って痛いし、意識朦朧として動けずにいた。
その後、後遺症で思うように魔法が使えなくなった。
マサコさんは自分のせいだと知っているけど、それを誰にも言わず秘密にしているのでモヤモヤしている。謝りたいけど、謝れずにいる。
私:それで、どうなったの?
のぞみ:私は心を閉ざしてしまい、学校も辞めてしまった。
魔法はもう使えなくなったけど、薬草は作れるから、薬草を作っている。
このことさえなければもっといろんなことができたのにと悔しく思っている
マサコさんに対して「私の能力を返して!」って。
そう思って一生をすごした
中間世へ行きます。
私:この経験は何のためですか?
のぞみ:「能力だけが優れた」人生にしないため。
「能力が高い=偉い人」ではないんだよと言うことを知るため。
転んで頭を打って能力が弱くなる
それで学校を中退する
仕方なく薬草を作っている
でも、人の役に立っていることを感じたから、能力が優れていることだけが幸せでないというふうに、人の心を取り戻すことができた。
書き換えのストーリーを見てみます。
のぞみ:マサコさんは優秀な魔女になっている。
私が薬草を作っていると誰かに聞いてやってくる。
罵倒されると思っていたのに、あなたのおかげでこの幸せに気づけたからありがとうと言われ、和解する
マサコさんが「私で力になれることがあったらいつでも言ってね」って。
書き換えます。
のぞみ:2人で薬草の店をやっている。
マサコさんが見立てて処方箋を作り、私がその薬を調合してお客さんに渡している
私:なるほど・・・。
正直、なんだかピンとこないのです。
これが「マサコさんをこわいと思った」過去世なのかなあ・・・?
今朝の記憶が蘇ります。
のぞみさんの中に「一番になりたい」っていう思いがあるよね?
★この記事です
それがすごく気になるのです。
なぜそう思ったんだろう?
魔女学校のときも、「私の能力の方が上よ」と争っていたし。
のぞみさんを誘導して、そう思うようになった「きっかけの場面」を視てもらいます。
のぞみ:(さっきの過去世で)両親にそう聞かされて育ったから。
「力のあるものが全てなんだよ、何でも手に入るし、幸せなんだよ」って。
5次元マサコ:では、「両親がそう思うようになったきっかけ」へ行ってください。
(3次元マサコ:ん? なんでだろう? なんでそれを見ているの?)
のぞみ:お父さんの職場の後輩で、とても能力がある人がいて。
その人はどんどん出世していった
周りが、それはおかしいのでは?と思うようなことでも、それが彼の意見なら通ってしまうし、みんな彼の言うことを聞く。
お父さんは自分ごときが正しいことを訴えても誰も聞いてくれない、だから力がないと認められないと思うようになる
書き換えます。
後輩は出世していく。
(彼のやり方に対し)ちょっと違うのでは?ということも、お父さんがそれは間違いだよと、こういうやり方もあるのでは? とアドバイスをしていくうちに彼も正しい考え方をするようになった。
己の浅はかさに気づいた
うわべの能力ではなく、必要なのは心だとわかった。
お父さんが根気よくアドバイスをしてくれたから。
みんなのためではなく、あなたのためにとアドバイスをしてくれた、そこに愛があったから。
お父さんは彼の間違った能力の使い方を正してあげた。
お父さんは職場で、「能力」という形でアピールするのではなく、コミニケーション力で信頼関係を築きあげていたから、後輩もそれを見ていて、力が全てじゃない、力があっても愛がなければ何も生まれない、愛に共振共鳴するのだと気づけた。
この書き換えを踏まえて、魔女学校の私とのぞみさんに戻ってみると・・・。
父親から
「能力なんて人それぞれだから、そこに囚われないでくれ。大事な事はどれだけ愛を持って人に接するかだよ」
と言って育てられるので、学校でもお互いに認め合っている。
マサコさんが「私の方が上」と言っても、「うんうん、そうだよね」と。
何にいがみあっていたのだろう?
能力は各々差があるのに。
とりあえず書き換えますが・・。
疑問に思ったのは、なぜ5次元マサコが「両親が、能力がある方がいいと思ったきっかけ」を見に行ったのかということです。
本来なら、親に「能力が一番と言われて育った」とわかったことで書き換えは可能なのです。
なのに、なぜ両親の「きっかけ」にまで及んだのか?
私の推測ですが、
これはきっとこの両親が今生でのぞみさんのそばに転生しているから、そして当時の「能力がある人がえらい」という思考を持ち越しているので、それを解放する必要があるのではないかと思いました。
過去世を書き換えた後、のぞみさんに「この父親は今世で知っている人ですか?」と聞くと、かなり身近にいる方でした。
やはりその方を解放するためだったようです。
さて、ここま解放をしてきましたが、さきほどの宇宙戦争のとき、戦っているふたりは途中で「こんなことをしていてもお互い得にならない」と気づくのですが、気づくきっかけがありません。
今回も、傲慢な後輩は先輩のお父さんにアドバイスを受ける中でいつしか己の浅はかさに気づいていくのです。
どちらもこれといったきっかけがないにも関わらず、自然と改心していくのです。人間界ではほぼお目にかからないかたちです。笑
映画でもドラマでもそうですが、そのきっかけがドラマチックであればあるほど人は感動し、心を揺さぶられます。
たとえば善良な主人公がいて、意地悪なライバルがいる。
その意地悪な女の子があるとき窮地に立たされる。
主人公はいつも意地悪をされているにも関わらず、その子に手を差し伸べる。
そのとき、意地悪さんは「愛」に気づき、これまでの行いを悔いて改心する。
ドラマや物語はたいていこんな感じです。
たぶん、
「あんなに意地悪をしてくる相手に対して、相手が困っていたら助けてあげるなんて、なんて愛があるんだろう」
ということなのだと思います。
そばで「人に意地悪をしちゃだめだよ」とアドバイスをしても、意地悪さんは改心しないはずなのです。
ですから、窮地に立たされる何かの出来事があり、そこで愛に気づくというきっかけが必要。
これは潜在意識に聞けば良いのです。
あっさりした書き換えではなくて、もっと人の心に響くストーリーを見せて、って。笑
潜在意識はこちらが気に入るまで何度でも「これはどお?」って見せてくれます。
ただし、ご本人のクリアリングは必須です。
その人のクリアリングの進み具合や気づきの深さに比例したドラマが出てきますから。
さて、この時点でのぞみさんの私に対するこわさはかなり薄らいだようですが、のぞみさんが魔女時代の過去世を語ってくれている間、私には別の過去世が視えていました。
「能力さえあれば・・・」という過去世。
出てきたのは奴隷市場です。
誘拐されたのか、親に売られたのか、小さな子供たちが収容されている場所があります。
定期的に開かれる奴隷市場に順番に連れて行かれるのです。
子供たちは一様に怯えています。
のぞみさんもその中にいます。
当時は男の子です。
市場が立つ日は部屋のドアが開き、
「おまえとおまえと・・・」というふうに子供が選別され、連れて行かれるのですが、あるとき、毎回連れて行かれない子供がいることに気づきます。
観察していると、「この子はここで使えそうだ」という子供は残されているようなのです。
売人たちが頭の良さそうな子は手元に置き、手下として育成しているのでした。
「能力がある」子供は、奴隷として売られなくてすむのだと男の子は思いました。
この人生では奴隷となり過酷な人生を送るのですが、このときの思いが強く残ったのです。
たとえ売られなかったとしても、奴隷売買の仕事に関わることは、それはそれで過酷なのですが、幼かった彼にはそこまではわからず、単に奴隷として売られなくてすむというふうに映ったのでした。
書き換えを視にいきます。
奴隷として売られた彼は農場で働いています。
経営しているのは老夫婦です。
子供がいません。
奴隷を買うのは気が進まなかったのですが、加齢と共に仕事がきつくなり、働き手を確保するためやむを得ませんでした。
そういう事情だったため、彼を奴隷としてではなく、家族のように扱ってくれました。
彼が18歳になったころ、老夫婦は農場をたたみ、彼に「君はもう自由だよ」と言います。
彼は町へ行き、自分の経験を踏まえて奴隷解放運動に関わるようになります。
これで「能力さえあったなら」という感情は解放できたのかもしれませんが、「一番になりたい」というのとは別の気がします。
今度は「自分が一番になりたい」をテーマに過去世を視てみます。
(つづく)
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