0041 最近驚いたこと
なんとなく秋が近づいてくると、このアルバムが聴きたくなる。
このアルバムは97年にクリエーションから出たセカンドにして、今のところラスト・アルバム。ちなみにこの人の旦那さんはアンディ・ベルで、元Rideのギタリスト、その後ハリケーン#1なんてバンドなんかも立ち上げたりしたけど、今はオアシスでベースを弾いている。そういえばこのアルバムには入っていないけど、イーダはかつてプライマル・スクリームのカバーなんかもやったりしていた。いや何がいいたいかというと、何気に徹底してクリエーションな道を歩んでいたわけだ。でもこのアルバムは、いわゆるマンチェでもシューゲイザーでもなくて、女性シンガーソングライターの良い所だけ集めたような、全曲名曲の珠玉なアルバムなのです。ビジュアルもお洒落だし(重要)、なかなか美人ですし(これも重要)、女性ボーカルもののアルバムとしては、ここ10年の女性アーティストの中でもピカイチではないかと私は思っています。なおUSインディのIda(アイダ)とは別人ですので間違えないように。飯田(Idha)さんと相田(Ida)さん、というふうに覚えておくように。
で最近、これのナニに驚いたのかというと、バック・ヴォーカルとして元Dolly Mixture、現BirdieのDebseyが参加してたのね!しかもラストの曲の2コーラスめは、まるまるDebseyがソロボーカルをとっていたのだ!この曲、大好きだったのに私は全然気がつかなかった。両者とも微妙にハイ・ラマズ人脈がかぶっているから、そのあたりのつながりがあったのかもしれない。まあとにかく私もなんだかんだで似たようなのが好きだったりするから、こういうのは偶然とは言わないのかもしれないけれど、でも驚いた。
0040 立ってしまわれた!!
「パネルクイズ・アタック25」というテレビ番組は30年くらい続いている長寿番組なので、説明は要らないであろう。山下毅雄作のテーマ曲が醸し出すモンドな雰囲気や、視聴者参加番組にしては微妙にダークなノリ、クイズ番組にしてはかなり個性的といえるルールや、なんといっても司会の児玉清の名セリフが作るグルーヴ感などなど、すべてが「独特」の一言である。私は毎週見ているというようなコアなファンでは全然ないのだが、気がつけばなんとなく見てしまう番組のひとつではある。
で、その「独特」な電波は、やはり強烈なものがあるらしく、「パネルクイズ・アタック25」で検索すると、非常にハードコアなファンサイトやスレッドがたくさんヒットする。みんなやられているわけである。個人的にはこのサイト が面白かったのでおすすめだ。
で次回、9月3日の放映 はちょっと要チェックっすよ。芸能人大会は過去にも何度か見たことがあって、どこかバーチャルな面白さがあるのですが、今回はなんといっても博多華丸との競演である。日曜日のこの時間はついうっかり「噂の東京マガジン」を見てしまう人も多いと思うのですが、今週のは予約録画しなくちゃだめよ。
0039 ミータン~!!!
早川義夫さんの「猫のミータン」という曲が好きだ。こういう歌は早川さんが歌うからこそ良いのだと私は思ってしまう。「恩をきせ合うあうなんておかしな事だよねえ!!」なんて歌われると、私はそうそう、ほんとにそうですよねえ!!なんつって強く思ってしまう。
うちの実家にも同じように妙にうちになついてきた野良猫がいた。しょうた(小太)くんといって、小さいのに太いヤツだ、というわけで私が名前をつけた。ミータンみたいに全然イリオモテヤマネコみたいなりりしい猫じゃなくて、ぶちゃいくな白黒の、いかにも野良猫の血を引いているような半・野生の猫だった。こいつはもう眼を離したとたんに、うちに放置してある食材という食材の入った袋を片っ端から破いて散らかしまくって、それでいて代わりに怒られるのはこの私なので正直、困った。何度か怒ってみたけど、まったく教育の甲斐がない困ったやつだったニャー。でもお口からピンクの舌をだして気がつけば1日中寝てばかりのところはミータンと同じ猫なのだった。
私が実家を出てから小太くんはうちにやってこなくなったらしい。弱いくせに喧嘩ばっかりしてたから、きっとどこかでのたれ死んでるんじゃないかな、とさびしそうに母は言った。そうかもしれないなあ。
0038 バカ話
あれはレザース のライブの打ち上げだったから、この前の3月、シェルターでの話だ。最近のお笑い芸人で誰が面白いか、という話になった。いわゆるバカ話である。で、ベースのカツジさんが「レイザーラモンHGってさ、あれ要するにルー・リードだよね」と言うのだった。ピンと来るまでにちょっと時間がかかった。そうそう、ルー・リードって昔はゲイだったんだよ、と思い出すと、連鎖的にこのジャケットが思い浮かんで、なるほど!と思ったのでした。ウケるまでちょっと時間がかかった。ルー・リードがかつてゲイであったことを私は完全に忘れていたのである。まあどうでもいいけど、年季の入ったロックファンにしかわからないであろうバカ話って、時々すごく幸せな気持ちになる。
0037 playlist06.08.26
Blue Velvet Night playlist
・「夏のお嬢さん」 二階堂和美
・"Music" Cornelius
・"Superbacana" Caetano Veloso
・"The Skin of My Yellow Country Teeth" Clap Your Hands Say Yeah
・"Good Dancers" The Sleepy Jackson
・"Mercy Mercy me" The Strokes featuring Eddie Vedder and Josh Homme
・"The Room Get Heavy" Yo La Tengo
・"The W.A.N.D." The Flaming Lips
・"Papa's Got a Brand New Pig Pag " Losalios
・"The Ruling Class" Ego-Wrappin'
・"She Does it Right" Dr.Feelgood
・"Bad Moon Rising" Creedence Clearwater Rivival
・"Day Tripper" Sergio Mendes & Brazil '66
・"My Little Red Book" Love
・"Orange Skies" Love
・"Chasing Cars" Snow Patrol
0036 チョ~気持ちイイ
「北島商店のメンチカツ」を近所の某スーパーでゲット。
北島商店とは、2年前のアテネ五輪で大活躍した平泳ぎの選手・北島康介のご実家が営む精肉店だ。当時、というのはアテネ五輪直後の時のことだが、日暮里にあるそのお店では、このメンチカツを買いにきたお客さんが大行列をなして、連日4000個のメンチカツを早々と完売していたという。
あれから2年、「北島商店のメンチカツ」は堅実に販売網を拡大して、うちの近所のスーパーでも普通に買えるようになった。元々あまり興味はなかったのだが、夜の23時に近所のスーパーに行くと、微妙にディスカウントされてるこれが売っていたので、買ってみてうちに帰ってパンに挟んで食べてみることにする。もちろんビールも飲む。便利な世の中になったと思う。
味は特に手作り感を強調しているわけでもなく、肉質の高さをアピールしているわけでもなく、味付けに特徴があるわけでもなく、ごくごく正攻法として「普通のメンチカツ」を目指している印象があって、私は好感を持ちました。しいて特徴といえば大きめに刻まれたたまねぎがたくさん入っていて旨みを増しているあたりか。これ、出来たてだったらもっと美味しかったんだろうなと思います。
本当にどうでもいいですが北島康介といえば、ちょっと前に萩原舞(だっけ?確かAV女優の)との熱愛だかが写真週刊誌で報じられていた。「チョ~気持ちイイか?」なんつって絶対ネタで言わしてるよな、なんつって私は思ったものだ。うらやましい限りである。
0035 ヨ・ラ・テンゴのニューアルバム
ヨ・ラ・テンゴの新作「なんぼのもんじゃワレ、ケツいわしたろかい」をゲット。3年ぶりとはいうものの、去年は3枚組ベスト盤なんか出て来日公演もあったし、クリス・ステイミーのバックアップなんかもあったし、そういえばこの3月にもひっそりとラジオセッション
集なんか出したりしてたので、あまり久しぶりな感じはしない。でも3年はやはり長かったかなと思う。
一聴して、あれ?なんか変わったか?と思ったのは、音の感じがいつもとちょっと違うとこですかね。いつもよりマイクの近いところで録ったのをリミッターでガンとつぶしてるような感じといえばいいのか、カッと起きてるような印象を持つ音になっている。なかなか新鮮な感触だ。
でいきなり10分以上も反復する曲が1曲目だ。ありえるー。ものすごく有り得る。で、これがまた、いかにも真骨頂なカッコイイ曲だ。そんな感じでオープニングこそ辛口なトーンで始まるのだが、2曲目なんてこれ、バンド史上最強ではないかと思ってしまうようなポップソングが続く。今回のヨ・ラ・テンゴは予想以上にガチだ、と思わせるには十分な展開だ。全体的な印象しては、例によってバリエーションが豊かであって、いつも以上にPOP度が上がっていると思うのだが、どこか気圧が高い感じがあって、そのトーンがひとつのものにしていると思う。作風としては「ストレンジ・バット・トゥルー」と対を成しているような気もするのだけど、どうでしょう。
でヨ・ラ・テンゴのアルバムはいっつもそうなのだけど、なんていうかすごく新しいムードが常にあるのが良いなと思う。だけどこれは安心して聴けるというのとはどこか対極の、喧嘩腰なポップアルバムだと思った。
ちなみに最後の曲も10分以上あります。 この曲、確かにどこかで聴いだ覚えがあるのだけど、なんだったっけな。
どうでもいいけどこれ、ディスク・ユニオンで買うとこんなマウスパッド がついてきますって。こんなもんいらねー、と思ってしまったが(笑)、アイラ・カプランにこれ渡したらどんな顔でサイン書いてくれることだろう?なんて想像すると無性に欲しくなってくる。
0034 愛こそはすべて・同時通訳で
フリッパーズ・ギター「Love & Dreams Are Back」のイントロは、キャンパー・ヴァン・ベートーベンの「テイク・ザ・スキンヘッズ・ボウリング」だったりするのだが、一般的に元ネタとされているのはライラック・タイムということになっている。歌詞が「オール・フォー・ラブ&ラブ・フォー・オール」の引用だとか、ギターソロが「ザ・ガール・フー・ウェイヴス・アット・トレインス」まんまだったりとか言われている。まあそういわれてみればそうなのかもしれないと思うけど、そんなムキにならなくたって、何ら意外性もないだろうだろうに、と私は思ってしまうわけである。
で、私に言わせればライラック・タイム「オール・フォー・ラブ&ラブ・フォー・オール」の元ネタは、佐良直美の「世界はふたりのために」である。というのはどうだ?凄い発見だろう?何しろタイトルからしてまんまだし、Aメロとサビの展開がクリソツだ。まあそういわれればそうなのかもしれない、とここは思ってもいいよ。
で、これをビートルズ風にアレンジしたのがアンディ・パートリッジである。私がこんなふうに断言する時は、大抵泥酔しているのだが、これはこれで、まあそういわれればそうなのかもしれない、と思ってください。
0033 ダイジョウブワルイヒトイナイヨ(後編)
台湾の話・パート6
(つづき)
「ネエオ兄サン、ヒトリ?」
???あ、はい。???
「ダイジョウブ、ワルイヒトイナイヨ、ミンナ、トモダチ」
どう考えてもこれはアレである。思えばそもそも中正空港を降りた時から襲ってきているこの緊張感は、あくまで私の経験から想定できる範囲の、例えばこういった状況のためのものであった。私は過去、決して楽しいとは言えない経験をしてきた事もあったので、今まさにその記憶の引き出しが直感的に開いているのである。
「ネエ、チョットコッチ来テヨ」と、カルーセル麻紀が後ろのテーブルから一人の男を連れて来る。女子バレーボールの柳本監督に似た、一見温厚そうな白髪の男が私の隣の席に座る。
「日本人ですか?私も日本人です。一人なんですか?」
はい。
硬直。
炸花枝丸がテーブルにやって来る。
「すみません食事の邪魔しちゃって。ほらもう、こんな驚いちゃってるじゃない」
とカルーセル麻紀に言う。
「イイノ!」
サッカーで言うならば、これはきっとコーナーキックからのセットプレーみたいなものである。
で?
「どうぞゆっくり食べててください。ここの人たちはみんな仲間なんです。私はここにきて2年くらいになります。毎日ここに来ています」
そうですか。
「ネエオ兄サン、イツ来タノ?」
え。今日です。さっき。
「ああ、そうなんですか。それじゃあびっくりしますよね。すみませんゆっくりしててください。ここには何日までいるんですか?」
4日間です。
炸花枝丸に塩・胡椒をまぶして食べてみる。美味しい。
「ホテル?ホテルドコ?」
え、ホテル?まあいいや、何もウソつく必要はない。
天津ホテルです。
「ナーニ、アンナ20年前ノトコ!ダメヨ」
「ああじゃあほんとに、すぐそこなんですね」
土地勘。
「ナニスルノ?ドコイクノ?」
「何かこう、やったりするんですか?台湾に来て」
いや特に。ゆっくりしたくて。
「ウミニ行ク?」
海?ああ、いいですねえ海。行ってみたい。
この近くで海といえばどの辺になるんですか?
と私は聞いてみる。
「うーん、金山あたりかな?ここから1時間半くらいで行けますよ」
「金山?イイネ。温泉アルヨ。温泉モイイヨ」
海鮮粥がテーブルにやってくる。店員さんがカルーセル麻紀に何かちょっと注意したのかな?
「イイジャナイヨ、ネエ?チョットホラ、イッテヨ」
「ああ、ほんとすみません。大丈夫ですよ、心配しなくても」
柳本監督が私にフォローする。
「私はもう2年間ここに来て、実はまだ言葉もよくわからないですけど、台湾人はみんな日本人に親切ですよ」
そうみたいですよね。
親日。
今、日本では靖国問題で中国と韓国が大騒ぎしています。でも台湾とか全然騒いでないですよね。
「ああ、靖国ね…。」
靖国の話、終了。
で?それで?
「あの、良かったらお名前を聞いてもいいですか?」
え、名前?
マツダといいます。
何もウソつく必要はない。
あなたは?
「私?私はフジタといいます」
こちらでは何かお仕事とかされてるんですか?
と聞いてみる
「いや仕事はしてません」
そうなんですか。
テーブルに何か新しい料理がやって来た。え?オレこれ頼んでいない。
「コレ食ベテ。ホラ、モットエイヨウアルノ食ベナイト」
いや、いらない。これほんとにいりません。せっかくなんですけど、もうこれで食べきれないくらいなんです。ほんとに!これはいりません。
「せっかくだから、包んでもらって後で食べたらどうですか」
「オイシイヨ、コレ」
んー。
後ろのテーブルに大きな火鍋が届いた。仲間らしき人が二人を呼んでいる。
「じゃすみません、ちょっと戻りますね」
「ジャアネー」
二人が元のテーブルに戻って行った。
え?これで終わり?
海鮮粥と炸花枝丸を完食した私は、さっさとこのお店を出ることにする。さて、ひとつも箸をつけていないこの料理をいったいどうしようかな、と私は思う。もしすると、今の二人はただ単なるいい人たちだったのか?もしかしてこれ、ほんとにただの好意だったのか?だとすればこのお皿をこのまま置いて帰るのは、この上なく失礼な行為になってしまう。
結局私は店員さんに包んでもらうようジェスチャーで伝えて、勘定を払う。300元。するとさっきのカルーセル麻紀姉さんが飛んでやってきて、私の伝票を確認する。包んでもらった料理の金額が伝票に含まれていないことを確認しに来たのだ。
「マタアシタ、ココキテネ」
「ああもう帰りますか。じゃあまた」柳本監督が微笑む。
「ジャアネー!」
あの、今日はこれ、ありがとうございました。
じゃあ、また。
ホテルに戻って、包みを開けてみると、さっきは全く感じなかったニンニクの強い匂いが部屋中に漂った。小魚のフライとナッツの炒め物だ。ピリ辛で美味しい。ビールを飲み直した。
結局これって、飲み屋で私は一品奢ってもらってしまいました、というだけの「いい話」なのだろうか。これで本当に終わりなのだろうか?と思った。そういえばホテルの名前も聞かれたし、私の名前も知ってる。もしかして、この部屋にめんどくさい電話が入って来る事だってあるかもしれない。でも4日間、結局変な連絡など来ることはなかった。
次の日の夜、私はそのお店には行かなかった。もしかしてまたあの店に行って、あの二人がいたとしたら、当初直感したような得体の知れない「本題」が始まったかもしれないし、それはわからない。
最後の日の夜、やっぱりまたその店に行ってみようかなと思ったが、結局、私は行かなかった。士林の夜市に行ったらぐったり疲れてしまったので、ホテルに戻るとそのまま倒れるように寝てしまったのだ。士林の夜市は、まるで不器用な感じの観光地だった。懐かしい昭和の縁日を私は思い出した。
0032 ダイジョウブワルイヒトイナイヨ(前編)
台湾の話・パート6
中正国際空港を降りて、うわどうしよう、と私はまるで初めて海外へ行った時のようにうろたえてしまった。とにかく台湾について私は何も知らない事をこの時になって改めて実感したわけである。なにしろ言葉だって「ニイハオ」と「シェーシェー」しかわからないのだ。マジで。自慢できるほどではないが、英語ならもっと全然わかる。マジで。そもそも台湾は日本語がだいたい通じるからOK・問題無い、という認識でいたのだが、この段階でその「だいたい」という言葉の解釈に大きなブレが生じていることに初めて気がついたわけである。
とりあえずタクシーに乗った方が明らかに早いし、楽チンだ。それはわかっている。しかしバスで行けば、交通費がタクシーの約10分の1で済む。急ぐ理由は何も無いのであって、ここは思い切ってバスに乗ってみることにする。いいじゃん間違ったって、などと開き直ってみることにする。私はもういい歳をした大人なのである。実際のところは、かなりビビっているわけだが、まだ心のどこかでそれを楽しんでいるところがある。
空港から市内へ出るバスの窓口は4社、合計6系統ある。手前から2つ目の空いている窓口に行き、ホテルのある林森北路近辺に停まるバスを尋ねて、なにがなにやらわからないままとりあえず切符を買い、バスに乗りこんでみた。市内まで約1時間くらいかかると「地球の歩き方」には書いてある。
夕方を過ぎていたので、市内に入ると街はいっそう華やかになるのがわかる。どうやらこのバスは、停留所についての車内アナウンスが無いみたいなので、後ろに乗っていた若い兄ちゃんに聞いてみる事にする。「今ここは何処ですか?私はこの地図のここで降りたいのですが」と拙い英語で聞いてみると、地図も見ずに「オー、アイ・ハブ・ノーアイデア」と返されてしまった。まあいいや、適当に勘で降りてみる事にする。
街並みから気持ち華やかさが薄れてきた頃、信号待ちのタイミングを狙って運転手に聞いてみると「ここならもう過ぎちゃったよ」みたいな事を言って後ろを指差す。慌てて私を降ろしてくれた。思っていたとおりだ。そこからはもうタクシーに乗る、で良い。
林森北路近辺はこの本の舞台になっているようなところである。要するにスケベな日本人観光客のご用達エリアである。どうして私がこのあたりのホテルに決めたのかというと、私がスケべだからである。というのはもちろんウソで(笑)、宿泊費が不安にならない程度に安かったのと、日本語が充分に通じるホテルだったからである。実際は見慣れた日系のコンビニが乱立していて、なかなか便利なエリアである。
台湾はいわゆる風俗産業が禁止されていて、その手のビジネスは法律をくぐるようにして「闇」で成り立っているようだ。紹介する人やお店を介して、非公式なスタイルでサービスを受けるシステムであるらしい。そこが有名になってくると、当局のガサ入れがあったりするらしい。要するにそれは有名だろうが無名だろうが、それなりに自己責任を伴った「歩き方」であるみたいである。実際、歩道で信号待ちをしている時に、片言のおじさんが私に声をかけてきた。アッチ年寄リデ8千、コッチハ若イノ6千、コッチゼッタイイイネ、といわれた。良くわからないけど、それかなり高いんじゃないのか?と思ったが、いずれにしても、私ははなから遠慮しておくつもりである。
そうこうして私は無事ホテルへチェックインすると、いったん荷物を降ろして、お腹が空いたので近所をうろついてみることにする。取り急ぎ、炸花枝丸(イカのすり身を団子にして揚げたもの)と海鮮粥(名前の通り魚介類が入った塩味のお粥)を食べてみたかったので、店頭でそれらが置いてあることを確認して、とある居酒屋っぽいお店に私はゆっくりと入っていった。
お店に入ってみるとそこは思いのほか気軽な雰囲気のお店で、とりあえず安心した私は4人がけの小さなテーブルに座る。食べるものはすでに決まっているのだが、一応メニューを見てみる。店員さんがなかなか来ないようなのんびりしたお店だったので、しばらく店内ウォッチングをしていると、隅っこにガラスの冷ケースが置いてあって、瓶ビールとかが入っている。前にいるお客さんがそこから勝手にビールを取りに行って、それを開けて飲んでいる。どうやらそういうシステムらしい。私も早速まねして取りに行くと、キリン一番絞りとハイネケンと見慣れないタイワンビールがあったので、ここはタイワンビールを取る。テーブルに戻ると注文を取りに来たので、さっそく2品オーダーする。
タイワンビール、うまい。台北ではこれから先、ずっとこればっかり飲んだ。
初めてのタイワンビールをゆっくり味わいながら、あーオレは今、台北に来ているんだよなあ、と感慨にふけっていると突然、派手なピンクのワンピースを来たカルーセル麻紀みたいな女の人が私のテーブルに座ってきた。
「ハーイ、ナニ?一人デ来テルノ?」
やばい。
(つづく)












