0701 Soul Kitchen
なんと、最近私は毎日自炊をしている。食べたい野菜を買ってきて、昨日買った野菜と肉類の残りを適当に組み合わせて煮たり焼いたりする。とても人様に出せるような料理ではないのだが、自分で食べる分には美味しい。味とか見栄えはともかくとして、なんだか正しい食生活をしているというような実感があるのがいい。外食すると、なんて味が濃くて油が多いんだろうと思うようになる。
料理をする時は大抵、なんらかの音楽をかけている。最近はこのアルバムがものすごくいい響きをしているなあと思った。
今日は玉葱を煮込み鶏肉を入れてコンソメ粉を混ぜたスープを作った。隠し味に残っていたカレー粉をほんのちょっとだけ混ぜたのだが、カレー味が全体を支配してしまって、カレースープになってしまった。私に言わせればこのアルバムでのジェフ・トゥイーディの立ち位置はカレー粉のようなものだ。ほんのちょっと混ぜただけなのに、その存在がばれてしまう。ばれなくては混ぜる意味がない。ばれるくらいでないとその存在理由がないというくらいの。ごくごく最小限、素材を引き立てるよう努めているような姿勢は伺えるのだが、自作曲(2曲目とか)はどうしてもwilcoのような何かになってしまう。しかし他の曲はそれをわかった上で素材の味がちゃんと伝わってくる。
このアルバムはなによりふくよかな音質が良い。アナログ盤だと45回転12インチの2枚組になっていて、しかもCDがついてるのだけど、いや、すげえ音が良いのはCDだけ聴いていても十分に伝わってくるのだが。
0700 追分の刹那
- スクリーン特編版 外国映画の戦後50年 チラシ大全集 パート2 1970~1979/著者不明
- 小学校5年の頃、映画のチラシを集めるのが一部で流行っていた。今でも映画館に行くと館内の隅っこに置いてあるあれだ。当時は映画館に入らなくても、もぎりのお姉さんに「チラシください」と言えばもらうことができた。もらうのはもちろんタダだった。もらえない映画館も多かったが。
でそういう映画のチラシは例えば中野ブロードウェイの4階とか池袋東武の2階にあった切手ショップで売ってもいた。古いものはかなり高価なものもあった。集めている人はやはり映画ファンもしくは俳優のファンであって、クリント・イーストウッドとかスティーブ・マックイーンが出演しているものは特に人気があるらしく、5千円とか1万円近い値段で売られているものも少なくなかった。
私が集めていたのはもちろんそういうのではなく、自分にもなじみのある最近のものだった。そういうのも先のお店では売っていた。1枚50円位から、中にはわずか1年前とかのものでも300円とか500円とか値がついているのもあった。何らかの理由でレアだったりするのだろう。そういえば「レア」とか「初版」とかいう言葉も私はその頃に覚えたものだった。
で当時、要するに映画のチラシはお金になった。
なぜか日曜の朝にテアトル新宿1階のスペースに行くと、そういった同士が集まってサークルみたいなのが出来ていた。私に言わせればあの連中こそがオタクの走りだと思うのだが、今思えば十分にイリーガルな子供達でもあった。彼らはクリアファイルに入れたチラシを見せ合って売買していた。2歳上の従兄弟に連れられて初めてそこに行った私も、ダブって持っていたチラシを分厚いクリアファイルに入れて持って来ていた。2枚50円です、と言って人に渡すとこれが面白いくらいに売れた。午前中の数時間でトータル2千円とかになった。当時の小学5年生にしたら、なかなかの大金だった。
やがて噂は広まったのか「中学生たちがここでチラシの売買をしてるらしい、けしからん」ということで、ビルの管理人っぽい大人の人が「よそでやってくれ」と追い払うようになった。なのでガキども(私含む)は退散し、他の違う場所に移動する。
一度、紀伊国屋と新宿ピカデリーの間の道を何人かでうろうろしていると、ある男から「君達チラシ買わない?おれ珍しいのいっぱい持ってるんだぜ」みたいに声をかけられた。見るからに怪しい感じの奴だったが、一人なので警戒をさせない。しばし歓談の後、みんなオレんち来てみる?来た方が話は早いぜということになった。 - もしかしたらこの人はいい人でいい話なのかもしれないけど、これはきっとめんどくさいことになる。絶対になる。当時から私は直感的にそう判断するらしかった。私はパスしたが、何人かはその人に付いて行った。
それには間接的になかなかワイルドな後日談があったような気がするのだが、詳しいことは忘れた。私はいつの間にか映画のチラシを集めているような人とは会わなくなっていた。
- 当時、あの界隈では「カメラのさくらや」のパンチのあるCMソング(これ だ)が何度も何度も何度も何度もフルコーラスで流れていた。あの歌を聞くと私はその事を思い出す。しかしあの歌を聞く機会はこの先もう二度と無いだろうと思っていた。それがこのCDに入っていた。
- 懐かしのCMソング大全5/CMソング
今年になって、あの場所からさくらやが撤退した時でさえ私は何ら感慨を持たなかったが、この曲を聴くと迂闊にもあの頃の新宿の匂いまでがよみがえる。音楽って困ったものである。
0699 Television Personalities in 高田馬場西友
今年出たMGMTのアルバムに「Song For Dan Tracy」って曲があって、そうだねえテレヴィジョン・パーソナリティーズ(以下TVP's)は良いよねー、なんて改めて思っていたわけである。でタイミング良くTVP's、来日という。早速、高田馬場で観てきたわけである。
元々はモノクローム・セットが来るはずだったのがビドが急病で延期、共演のロータス・イーターズはそのままで、TVP'sが代わりに招聘という流れなのであった。いやTVP'sだったらオレ超観たいんですけど。久しぶりの新作も出てたし、モノクローム・セットなんかより全然タイムリーな来日じゃないすか。今回で確か3回目の来日なのだが、観たことなかったし。
んで予習ではないがここのところこの3枚目のアルバムをずっと聴いていたのだが、これがまったくもって素晴らしいアルバムなのだった。聞くところによると、ダン・トレーシーは薬を買うお金がなくて万引きして服役してたとか、ホームレスのような生活をしてるらしいぜとか、どこまで本当かわからないが、とにかくワイルドな状況ではあったみたいである。なのでもしかすると、この先こういう機会はそうそう無いんじゃないのか、なんて思ってしまったわけである。前の来日からもう15年位経ってるし。
で、先にあった下北沢での公演は出番が最後だったらしいので、正直ロータス・イーターズはどうでもいい私は焼酎でかなりいい状態になってから、20時前に会場入りしたわけである。すると、あららー、テレヴィジョン・パーソナリティーズもう始まってるではないか。この日は順番を逆にしてるらしかった。もう既にやってるかもしれないわけで、聴きたい曲をリクエストでがなることができないじゃん。こういう展開は困ります。
とは思いつつThree WishesとかDorian GrayとかSalvadol Dali's Garden Partyとか聴きたかったやつは淡々と演奏している。ここは良しとしたい。まあこのあたりは必ずやるだろう曲ではあるのだが、要するに私はいつもの王道TVP'sが観たいわけであって文句なしなのであった。
このバンドがスカスカでヘナヘナでグダグダなのは何種類か出てるライブ盤で重々知ってる。むしろ今回の演奏は意外なほどタイトであった。でもレコードではもっとちゃんとしてるんだけどな、なんて思いながら、気持ち良いくらい曲がするすると次から次へとすり抜けていくのである。いや、でもおかしいなと思いながらすっぱすっぱっと叩きられていくような感じで演奏されていくのである。これ間違いなく本人達の曲だし、なんでこうなっちゃうんだろなあとか思いながら、単に私が激しい酩酊状態だったからかもしれないけど、高揚しつつ何も頭の中に残っていかないこの感じは、他のバンドではちょっと得られないものだったような気がしている。曲自体は非常によく出来たポップソングであって、グダグダな毒気とリアルでロートルなゆるさがほどよく中和されたような、何物でもなくしれっとそこに存在していているような、そんな感じで演奏は1時間近く続いたと思うのだが、あっという間に終わってしまったのだった。果たして私は伝説とやらに付き合っていたのだろか。いやいやそれはちょっとくだらない考え方だぜ?なんて思っていると、いつの間にかロータス・イーターズのセッティングが済んでいて演奏が始まったのであった。
0698 playlist101023
So Tough / The Slits
Always Something There To Remind Me / Jim O'Rourke Featuring Thurston Moore
The Skin Of My Yellow Country Teeth / Clap Your Hands Say Yeah
All to You / Kitty Craft
Istanbul(Not Constantinople) / They Might Be Giants
It's Working / Mgmt
Cool / 柚木隆一郎
Release Me / The Like
Record Collection / Mark Ronson & The Buisiness International
Losing Sleep / Edwyn Collins
Downward Road / Mavis Staples
Between The Sheets / The Isley Brothers
0697 マーク・ロンソンの新作
こ、これは ・・・。そうかーこう来ましたか、と思ってしまうマーク・ロンソンの新作であった。考えてみたら前作はカバー集だったので、むしろあっちの方が企画モノっぽさがあったといえるわけですが、今作はボーイ・ジョージだのサイモン・ル・ボンだのを引っ張り出して来て、全編分厚いシンセが大フィーチャーである。楽曲も殆どが妙にメロディアスな歌モノになっていて一体これは何の真似ですかと思ってしまうわけである。いや比較的わかりやすい80年代オマージュではあるけど、この人、75年生まれなのだそうで、なるほどそのせいか嫌味なパロディっぽいニュアンスはちょっとだけにしておいて、あくまでドライな視点というか好感が持てる感じになっている。そのために悪趣味スレスレのところを美味いことキープしている印象があることはある。そこになぜ日本を絡めるのか(笑)は正直よくわからんです。元ピペッツのお姉さんがボーカルで大フィーチャーというのもなかなか意外なキャスティングである。変なのー。
0695 レコード棚の秩序
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- レコードやCDをある程度の数量で所有している人ならば、おそらく誰でもアルファベット順もしくは50音順とかに並べていている事と思う。本来ものぐさな私ではあるが、そこは整理整頓の最低限である。
で単純にアルファベット順にする前に「ロック・ポップス・クラシック」「いわゆるオルタネイティブ系」「ソウル」「ジャズ・ラテン・サントラ」みたいな感じでジャンル分けもしている。7インチだともっと独特な分け方で「懐かし系洋楽、ディスコ」「80年代以降」、邦楽だと「歌謡曲」「ロック系」という感じでざっくりと分ける。基本はレコード店もしくは中古レコード店の棚に近い考え方である。
しかしこれ、分ける必要が本当にあるのかしら?という疑問を私は常に持っていた。いわゆるひとつの問題提起である。どちらかというと私は先入観なしで雑食的にいろんなものを一緒くたにして自分に取り込みたいという志向を持ってるのではなかったか。それこそがDJっぽい感覚とかなんとかではなかったか。
なので実験的に、というほどのことではないが以前住んでた所ではアナログ盤だけ、すべてのジャンルをガラガラポンした上でアルファベット順に並べていた。
するとどうなったかというと、この前まで全く気がつかなかったのだが、引越の準備でダンボールに詰める時に「あれオレこんなの持ってたっけ?」の連続だったのである。つまりオール・イン・アルファベット方式は一見、検索性を最優先しているようでありながら、実はそうでもなかったという大変興味深い結果となったわけである。これはどういうことかというと、要するにあるものを探す時に途中でそれに近い関連のものがぼろぼろ見つかり易いか・そうでないかで、その後の聴き方・接し方に大きく影響が出てくるということに気がついたわけである。わかりにくい書き方かもしれないけど、わかってくれるとうれしい。要するにレコード屋で買い物するのってそういう事でもあったのねという話でもあるわけであって、思いがけず深い話になっている気がするのだが。
となるとアナログ盤、やっぱり分けますかこれ、なんて思っていざ始めたのである。するとこれが全く捗らない。いちいち躊躇しまくりなのである。例えばフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの7インチは本来だと「80年代以降」かも知れないけどまあディスコだしオレ的には「懐かし洋楽系」でいいんじゃないの、違うかもしれないけどオレ的な引き出しはそこなんじゃないの?っていうかそもそもこれ要るのか?なんなら売っちゃいましょうか?いやいやこれは持ってても良いでしょう、みたいな余計な葛藤が絡んで全然先に進まないのである。全くもってどうでもいい問題とも思えるだけに消耗する作業なのである。どうしようか、これ。
0694 NEVAEVA
先日、ブルベに柚木隆一郎グループが出演するというので、わりと早めの時間にエルマロの「Fools」をかけていたら、「ありがとう!これ今日オレ歌うんで!」なんて声をかけてくれたのだが、そうか、この曲って考えたら10年以上も前の曲だったのだなあと思った。でも全然そんな気がしない。
エルマロは90年代においてオレ的には結構重要なポジションにいたユニットで、当時は渋谷系の裏番町などといわれていたものだが、あの中では実際に最もイカ臭いロックをやってたのがエルマロだった思う。ていうかただのファンなんですけどオレ。とりわけ柚木氏の書く曲が私はマジで大好きだったのだ。
その日の柚木隆一郎グループは、パーカション2名+マニピュレーター+アコギ、ボーカルという編成で、本人いわく「下町のシド・バレット」との事であったが(笑)、いやいやこれがなかなかどうしてかっこいい。ジプシー風で時々ブラジルっぽいテイストが混ざる味わい深いステージングだった。若干意表をつく編成ではあるけど、ものすごくらしい感じがあって、なんていうかこう健在だなあと思ってしまった。
そういえば再結成のやつはチェックしていなかったし、2年前にこんなソロアルバムを出していたことも私は知らなかったのだが、これは早速チェックした。聴いてみると先日のライブとはまたちょっと違うスタイルではあるけど、サポートメンバーがなかなか凄腕かつ華やかなメンツで、テンションが高く緩急も激しくて、いろいろなスタイルから柚木氏の本質がにじみ出ている印象がある。
とりわけこれの7曲目が先日のライブでも演奏されていて、私は一発で気に入ってしまったわけだが、このアルバムでは意外とストレートなアレンジになってる。とにかくいっぱい持ってる感じがする人だけど、今はああいう感じでやってて、というのがいいなと思った。しかしなんだ、こんなアルバムをスルーしてたのかオレは。いかんなあ。
0693 plalylst100925
- FOOLS e.p./EL-MALO
- Circus Midget Parade / Honzi
Shang hai / Nino Trinca
Fools / El Malo
Proud Mary / The Checkmates LTD
Eine Shinphonie Des Grauens / The Monochrome Set
Nuclear War / Yo La Tengo
ニュールンベルグでささやいて / Pealout
Ready-Mades / The Bonzo Dog Band
Ambitions / Vic Godard & The Subway Sect
King & Country / Television Personarities
Song For Dan Tracy / Mgmt
Show Me The Way / Dinosaur Jr.
Guess I'm Dumb / Glen Cambel
Sweet Enemy /Peter Ivers
Banho De Lua / Mutantes
Super-Bacana / Caetano Veloso
Monkey Time / Aflo Blues Quintet Plus 1
Cirena / Calexico
Pow! To The Poeple / Make-Up
I Wanna Be Your Dog / Richard Hell & The Voidoids
The Dream's Dream / Television
Blue Moon / The Marcels
0692 Release Me
引越準備の際、CD・LPが詰まった数十箱では済まされないダンボール群を目の当たりにして、さすがの私もいいかげんにしろと思ったわけです。しかし久しぶりにタワーレコードに行くとこういうのが売っているわけで、やぱりたまにはCD屋に足運ばないとダメネ思ったわけです。
この人達は確か誰それの娘さん方が結成したとかいうグループだったはずだが、今作はマーク・ロンソンによるプロデュース作。音の方もいかにもな感じが爆発している。ここまで徹底していると企画物バンドっぽいたたずまいすら漂うので、従来からのリスナーは大混乱必至と思われるのだが、どうなんでしょうか。しかしこの、実は私たちこういうのがやりたかったのよとでも言わんばかりの徹底ぶりが痛快でかっこいい。マニア性をスタイリッシュに開花させるキーワードは「MOD」ということでOKか。もっと暑い時期にガシガシ聴いておくんだった。





