Q&A4025 第2子希望で質問5回目 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2022.12.15「Q&A3511 2人目希望で質問」、2023.9.27「Q&A3797 第二子希望で質問」、2024.1.17「Q&A3909 Q&A3797のつづき」、2024.4.5「Q&A3988 3511、3797、3909のつづき」で質問した者です。リュープリン2周期投与後、ST法+胚盤胞移植で2回妊娠、出産1回、流産1回の妊娠歴があります。

 

30歳

採卵1、移植1 SEET+3AB 陰性
採卵2、移植2 SEET+BL2 陰性
採卵3、移植3 SEET+4BB 陰性
 CD138陽性(2個)→ビブラマイシン内服
31歳 リュープリン2周期投与後 

移植4 ST法+3AB 陽性(BT10:hCG 167.9)  → 第1子出産

33歳

 子宮鏡検査:慢性子宮内膜炎なし、ポリープあり→切除
 バセドウ病(チウラジール1錠/日 内服中→TSH:1.01)
 リュープリン2周期投与後
移植5 ST法+4AA 陽性(BT10:hCG 164.3)  → 心拍確認後流産、絨毛膜検査せず

 不育検査:第12因子:45、NK細胞活性:51 → 次の移植からアスピリンとイントラリポス投与
移植6 BL1x2個 陰性(BT10:hCG 3.0)
移植7 リュープリン+SEET+5AB 陰性(BT10:hCG 3.4)

 子宮鏡検査:慢性子宮内膜炎疑いでビブラマイシン服用
移植8 リュープリン+スクラッチ+BL1 陽性(BT10:hCG 41.5) →hCG 2.5 化学流産

移植9 スクラッチ+5BA 陽性(BT8:hCG 21.4) →hCG 1.3 化学流産

 

ホモシステイン、微量元素、貧血等の血液検査で、フェリチン低値以外異常なし

MIRA(ORAという血液検査で着床の窓がわかるかもしれない海外の臨床実験の検証としての検査)で、窓ズレなし

4ABと3BAの胚盤胞凍結あり

次の移植はエストラーナテープ減量、ウトロゲスタン増量してみようと思います


①MIRA検査時と薬剤の量、開始時間ともに変えることに少し不安があります。妊娠した時の量で行う場合も、着床の窓が狭いとして、松林先生ならまずは朝開始にずらしてみますでしょうか。第一子は夜開始、第二子流産時は朝開始、いずれも移植時BL3、現在貯胚はBL3とBL4です。
②新たに採卵したのでSEET液がありますが、スクラッチ+SEETよりも、スクラッチだけの方がいいでしょうか。
③また移植前のリュープリンの量ですが、1.88mgを注射してもらっています。現在は第一子治療時より体重が増えて50kg以上ありますが、生理が止まっていればこの量で問題ないと考えていいのでしょうか。おりもの的に、排卵してるのではないか心配です。

 

A 

①MIRA検査は海外の臨床実験の検証とありますので、現在のところ、正式に認められたものではありません。黄体ホルモン製剤の開始時間が、第一子は夜開始、第二子流産時は朝開始(いずれも移植時BL3)であるとの情報は、とても混乱を招きます。私なら出産した時と同じ、夜開始でやってみたいと思います。
②SEETでは妊娠していませんので、妊娠した時に行なっている、ST法かスクラッチが良いでしょう。
③リュープリン(1.88mg)は、生理が止まっていれば問題ありません。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。