「牛乳を摂取するとテトラサイクリンの吸収が妨げられるのでしょうか?」という質問がありましたので、論文を検索してみました。
J Am Acad Dermatol 1985;12: 308
要約:水、牛乳、食事、鉄剤と一緒にテトラサイクリンあるいはミノサイクリンを服用した場合の、血中の薬剤濃度を比較しました。薬剤の吸収率低下を示します。
テトラサイクリン ミノサイクリン
水 0 0
牛乳 -65% -27%
食事 -46% -13%
鉄剤 -81% -77%
解説:牛乳と飲み合わせの良くない薬剤がありますので、列記します。
1 薬剤が牛乳中のカルシウムと結合し、キレートを形成するため、薬剤の吸収率が低下するもの(服用後2時間は牛乳の摂取を避ける):テトラサイクリン系抗生剤(上記2剤など)、ニューキノロン系抗菌剤(シプロフロキサシンなど)
2 大量の牛乳摂取により、高カルシウム血症などの副作用が現れる可能性のあるもの(牛乳の大量摂取は控える):酸化マグネシウム(マグミットなど)、炭酸カルシウム(キャベジンUコーワなど)
大事なのは、薬剤はお水で飲むことです。
下記の記事を参照してください。
2017.9.23「イノシトールと亜鉛の関係」
2017.10.5「よもぎ蒸しと妊娠治療」