体外受精の卵巣刺激にはFSH製剤よりHMG製剤 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

FSH製剤、LH製剤、HMG製剤についてはこれまで何度もご紹介してきました。本論文は、体外受精の卵巣刺激にはFSH製剤よりHMG製剤が有効であることを示しています。

Hum Reprod 2007; 22: 2404(デンマーク)
要約:731名の方をHMG刺激363名とFSH刺激368名の2群に分け、前方視的に体外受精の成績を評価しました。HMG群とFSH群では、3日目良好胚は11.3%と9.0%、生産率は48%と32%、着床率は41%と27%とHMG群で有意に高くなっていました。

解説:2007年の論文ですが、体外受精の卵巣刺激にはFSH製剤よりHMG製剤が有効であることを示しています。HMG製剤はFSH+LHですので、LHが必要という訳です。HMG製剤を極端に嫌う先生もおられますが、その根拠は明らかではありません。

FSH製剤とHMG製剤については、下記の記事を参照してください。
2015.2.14「☆卵巣刺激にはLHが必要」
2015.1.7「卵巣反応不良の方へ新しい刺激の試み」
2014.12.30「☆最適な刺激(LH/FSH=0.3~0.6)」
2014.7.20「Q&A399 LH含有hMG製剤の成績が良いのは?」