Q&A171 だんだんできなくなって、、、 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 妻41才、夫43才。7回採卵&移植をしていますが、着床しません。私の卵が老化してるのは当然ですが、夫の精子も心配です(運動率や濃度がとても低くて、いつも顕微受精です)。
夫は元々は性欲は強いほうだったのですが、2~3年くらい前から性交渉がちゃんとできなくなってしまいました(膣内射精できない)。治療のストレスと仕事のストレスがあるんだと思います。
先生に教えていただきたいのですが、よく「体外受精の前の禁欲期間は短めに」と言いますが、それは、性交渉じゃなくても自分で出してもらっていればいいのでしょうか。性交渉をお願いすると、できなかった時にストレスになってしまい、かわいそうな気がしています。彼も治療に協力したい、という気持ちは十分あるので、余計にかわいそうです。また体外受精において、性交渉ができないことのデメリットは何がありますか。

A 体外受精に限らず、人工授精や精液検査の前の禁欲期間は1~3日が良いでしょう。この場合、性交渉でなく、マスターベーションで構いません。体外受精において性交渉ができないことのデメリットとして、強いてあげるなら、精液への暴露がないことです。精液への暴露により免疫寛容となり着床が促進される可能性があるからです。

詳細は、下記の記事を参考にしてください。
2012.9.23「☆排卵後の性交は意味がない?」
2011.11.29「体外受精のあとにも性交を!」

しかし、移植後の性交は気分的にも嫌だと思いますので、移植前の性交をお勧めしています。