シンプルなことをシンプルに繰り返すと、思いもよらないようなCrazyで素晴らしい結果が生まれる | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

今週末は魔術師養成スクールですが、Magic(魔法)と言えばマジシャンですw

僕はShin Limというマジシャンが好きなのですが、彼らのようなクロースアップマジックがすごいのは、技術の鍛錬の密度です。

いわゆる仕掛けの素晴らしさというよりは、クロースアップマジックの場合は、その技の洗練度合いを見るところがあります。




テクニックとしてはシンプルなことを、繰り返し繰り返し自然にできるまでに鍛錬することで、魔法のような手技を完成させていきます。

以前も紹介したことがありますが、是非、時間があるときに是非Shin Limの素晴らしいShowを堪能してください!



面白いことに、彼が子どもたちやマジックファンにテクニックを教えている動画がありました。
考えてみれば当たり前なのでしょうが、こうやってマジシャンたちにもプロやアマチュアを問わずコミュニティーがあり、そこで技を競い合い、教え合い、影響を与えあっているということです。その様がかなり感動的です。
(プロもアマチュアも種や仕掛けを購入する点でも同じです)


*「なんでそんなに一生懸命に練習するの」と聞かれたら、彼らは「それが楽しいから」と答えるでしょう。成功も失敗もチャレンジもそのどれもが楽しくてしょうがないのです。


これは当然ながら、バレエの世界でも同じですし、学問の世界でも、気功の世界でも同じです。

新しい知見や最新の理論を知ることはとても大事ですが、学んだことを繰り返して、徹底的に無意識に落とし込むまで鍛錬することはもっと大事です。


英国ロイヤルバレエ団で長らくプリンシパルをつとめた吉田都さんが、ザハロワについて書いていました。

ザハロワは何度かこのブログでも紹介していますが、バレエファンならば知っていると思います。
バレエ漫画から飛び出してきたような容姿とプロポーションのバレリーナです。


*「ザハロワに学ぶ解剖学に基づく身体の美しく高機能な使い方 2014-03-19」にて、はじめて紹介しました。

都さんいわく、

(引用開始)
ダンサーとしてとても恵まれていて、なおかつその先へと成長し続ける人。そのひとりが、ボリショイ・バレエ団のプリンシパル、スヴェトラーナ・ザハロワです。彼女の舞台を観ているとその健気(けなげ)さに、涙がこみ上げてくるほどです・・・・・・美しく、バレエ向きな身体を与えられているだけに、さぞ苦労しただろうと。(引用終了)

健気さに、涙がこみ上げてくるほど」というのはいかほどかと思います。
(僕自身は都さんの踊りを観て、「ああこれがバレエだ」と感動したことがあります)

もう少し続けます。

(引用開始)
しかしザハロワの踊りを見れば、彼女が相当な努力をしていることが想像されます。脚の細やかな筋肉を使った、丁寧なホップやジャンブ、ピルエットーーー。あんなに恵まれた身体を与えられていても、それに甘んじることなく、わずかな一瞬の動きのために毎日毎日地道な稽古を積み重ねているのだということが、同じバレリーナだからこそわかる。いえ、バレエの知識が全くなかったとしても分かるでしょう。
天才肌でありながら、その上にさらに努力を重ねられるという人は、なかなかいません。心から彼女を尊敬しています
(引用終了)

わずかな一瞬の動きのために毎日毎日地道な稽古を積み重ねている」というのはきわめて重い言葉です(「同じバレリーナだからこそわかる」という部分は大きいように思います。それも同じ偉大なバレリーナだから分かることが)


少し卑近な例かもしれまんせが、ゲーテが晩年に若い友人(エッカーマン)にこう言います。
私がとばす洒落の一つ一つにも、財布一ぱいの金貨がかかっているのだ
偉大な人というのは、ささやかなところにも膨大な投資がなされている(時間もエネルギーも資金も)ことに我々は気づくべきです。


今週末に魔術師養成スクールを開催しますし、風水師養成スクールでもそうですが、技術自体は至極(しごく)普通のシンプルなものです。




しかしそれを繰り返し繰り返し練習して、自家薬籠中(じかやくろうちゅう)の物にすることで圧倒的な結果が生まれます。


我々は論理学を学んだり、数学を学んだりしますが(これから生命科学やパラダイム論と寺子屋は続きますが)、そこでもカラクリは同じです。

一つ一つのステップは自明と言えるようなもので、ちょっと習えば当たり前だと思えるようなことです。
しかし、丁寧に学び、できるだけ繰り返して自然にできるようになるまで、身体に落とし込むことができると、それは魔法のような力を持ちます。

ステップの一つ一つに神秘性や魔術的な力があるのではなく、単純で誰でもできるような、そして誰でも分かるようなことを積み上げて、それを繰り返し洗練させていった先に魔法や神秘的な力があります。


同じことをシンプルに繰り返していったさきには、同じ結果が待っているということはほとんど無く、むしろカオス理論の初期値鋭敏性ではないですが、それぞれの個性にあわせて全く違う結果が出てくるように思います。

同じ技術を繰り返し使っても、その結果や出力はかなりバリエーションがあるということです。
(ただもちろん数回繰り返した程度では、当然ながら結果は似通ってきます。オリジナリティを確保したいならば、ともかく単純な反復を異常な回数繰り返すことかと思います)


数学も科学も哲学も宗教も等しく同じで、一つ一つのステップはシンプルです。
気功もそうですが、技術自体は幼い子供でも覚えられるほど単純なものです。理論自体も一つ一つのステップはシンプルで、自明とも言えるようなものです。ただそれが組み合わさり、積み重なっていくと、気付いたら相転移を繰り返し、別の次元へ飛躍するのです。

ですから、悪い意味で「夢のような魔法」という子供じみた安易なソリューションを求めず、ひたすらにシンプルなトレーニングをシンプルに積み重ね、ささやかな変化を意識に上げ続けましょう。それを楽しむ中で、ふと気付いたら圧倒的な高みへ移動していることに気付きます。



【書籍紹介】
バレリーナ 踊り続ける理由/河出書房新社

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端正な文章ですが、丁寧に読むとかなり赤裸々な内容で、非常に面白いです。


高等魔術の教理と祭儀 (教理篇)/人文書院

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エリファス・レヴィの魔術書ですが、意外なことにシンプルな記載が多く見られます。
朝早く起きましょうとか、規則正しい生活を心がけましょう、というようなシンプルな記載です。

魔術や悪魔、悪魔召喚についても、これまで見てきたように、派手さとは程遠い内容です。
ただその当たり前な記述を読んでいくと、これまでの悪魔観や魔術観が根底からくつがえります。そしてレヴィのガイドに従えば、気付いたら魔術師になっている自分に気づくと思います。


最後に紹介するのは、今回のテーマに関連した書籍です!!
マスタリー: 仕事と人生を成功に導く不思議な力/新潮社

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蛇足であることは重々承知ながら、Mastrery講座で紹介したニーチェの言葉を最後に引用します!
今回のテーマに深く関わるかと思います。

(引用開始)
天賦の才能について、持って生まれた資質について話すのはやめてくれ! わずかな才能しか持たなかった偉大な人間はたくさんいる。彼らは偉大さを獲得し、『天才』(いわゆる)になっ たのだ。実体を知らない人々が褒めそやす資質を欠いていたからこそ。いきなり全体像作りにかかる前に、適切な一部を組み立てることを最初に学ぶ有能な職人のごとき真面目さを、彼ら全員がそなえていた。彼らはそのための時間を取った。なぜなら、華やかな全体像よりも、あまり重要でない小さなものを作ることのほうが楽しかったからだ。(引用終了)

華やかな全体像よりも、あまり重要でない小さなものを作ることのほうが楽しかったからだ」というのはまさに我々の指針です!!

楽しいことを徹底的にやり続けましょう!!
自分が好きで楽しいシンプルなことを、シンプルにひたすらに続けた先に、輝かしい未来が待っています!!



ゲーテとの対話(全3冊セット) (岩波文庫)/岩波書店

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