今日から地元の祭典です。久しぶりに山車と一緒に一日歩いてきました。
山車の引き回しはコロナ以来、三年ぶり。お酒も食べ物もなしで、安全対策に気を配る祭り青年団、皆の苦労は見るからに大変です。心よりご苦労さまと言いたい。
おかげで、というか引回しのスケジュールがユルくて、山車に付いても身体が楽チン。アルコールを入れずに済むのも身体が楽チン。明日も一日頑張ります。
で、昨夜、2022年10月7日、浜松のエスケリータ68にて友部正人さんのライブを観て来ました。プロのコンサート観戦をするのもコロナ以来で、実に2019年以来。口火を友部さんから切れるってのがいい。よくぞ歌い続けてくださった。再会をそれはそれは楽しみにして来ました。
ユミさん(奥さま)はこのフライヤーのように黒の御召し物が多いですが、昨夜のユミさんはとても可愛い服でしたよ。
【2022年10月7日 友部正人at エスケリータ68】
[一部]
01 船長坂
02 ただそれだけのこと
03 一月一日午後一時(高橋さん)
04 明日になれば(新曲)
05 小林ケンタロウの家中華(新曲)
06 6月の雨の夜チルチルミチルは
07 夢のカリフォルニア
08 地獄のレストラン
09 こわれてしまった一日
[二部]
10 風がこんなにも(新曲)
11 陸前高田のアヴェ・マリア(新曲)
12 銀座線を探して(新曲)
13 弟の墓
14 ブルース
15 乾杯
[encore]
16 ぼくは君を探しに来たんだ
この新曲の多さ!三年ぶりだから余計に驚かされました。前半が9曲、後半6曲にアンコールを加えて、計16曲。足りない。もっともっと聴きたいって思う。弾き語りのライブでこれほど求心力があるって、とんでもないことです。
友部さんの弾くギターのストロークが、やたら気持ちいい。僕なんかが弾くのとはぜんぜん違う。何が違うのかわかんないけど、ギブソンの低音の弦がお腹にズンズン来て、ただシンプルに刻むエイトビートがとにかくご機嫌。この日は声もよく出ていて力強かったです。
二部の冒頭で歌った新曲「風がこんなにも」を聴きながら、もし吉田拓郎がこれを聴いたら《友部がこんな歌を作ってるのに、引退している場合じゃないだろう》って思うんじゃないか、って考えてました。《君のマスクを外したい》ってフレーズ、これは拓郎が思いついても良さそうなフレーズだと思ったのです。
「小林ケンタロウの家中華」はいいですね。聴いていて楽しかった。「ニレはELM」では風邪に効くモノを歌詞に連ねてたけど、この歌は料理本に出てくる食材が次から次へと押し寄せて来た。こんな歌を聴いたら誰だって小林ケンタロウのことが気になってしまいます。
「銀座線を探して」は出色の出来!。歌詞も曲も、過去の友部クラシックと比べてもぜんぜん遜色ない、まさに友部正人ここにあり、って一曲。感動しました。
余談ですが、終演後に友部さんとちょこっとお話した時に、僕が《今日は新曲がいっぱい聴けて楽しかった》とライブの感想を言ったら、横からユミさんが《(新曲)つまんない曲も多いよー》と仰って、その場にいた全員が固まった(!)。でもすぐ《でも「銀座線〜」は良いよ》と仰ってました。これが名プロデューサー&敏腕マネージャーの卓見か。
懐かしい歌では「夢のカリフォルニア」良かった!。ジャック・エリオットの話も相まって良かった。ランブリング・ジャックの愛称の由来が、ジャックがステージでのお喋りがあまりにも長いからってエピソード、可笑しかったな。
この日の「弟の墓」の演奏は格別。胸にズンと来ました。どうしてこの日歌ったのかしら。ひょっとして弟さんの命日が近かったとか?それはわからないですけど、そう感じるほどに良かった。CDで聴く何倍もグッと来る演奏でした。
で、この日のハイライトと言うなら、やはり本編最後に歌った「乾杯」でしょう。先だっての安○元首相の国葬の日に《歌詞の内容がピッタリだから》とリクエストをもらってこの歌を歌った、と言うMCから「乾杯」のタイトルを告げられた時は、思わずマスクの下で《オオオッ!》と声が漏れてしまいましたね。
名曲「乾杯」を、エスケリータの至近距離で聴けた至福。これまでずっと抜かれずにいた名刀がついに抜かれた!って印象です。その切れ味の凄さは客席にいた全員が感じたに違いないです。丁寧に丁寧に歌ってくださってるのが伝わってきて、目頭が熱くなりました。
久しぶりの友部正人ライブ、もっともっと聴きたいと思ったけど、「乾杯」を生で聴けたと思えばそれだけでお釣りがくるってものです。ああ来れて良かった。
ライブ終演後、物販を買うファンにサインをする友部さんを横目に、だあこえさん、ポテティ中村さん、フルーキーさんと雑談お喋り。そして客が掃けた後は、なんと僕らの隣のテーブルにユミさん友部さんがいらして(!)、お食事されてる御二人とお話することが出来ました。フルーキーさんはユミさんに《フラワーカンパニーズの圭介くんに話し声がそっくり!》と言われてた。なんか羨ましいぞ。
《マシス、久しぶりなんだから(友部さんと)話しをしなよ》と中村さんが促してくれたけど、そんなん言われてもしどろもどろ。三年ぶりに聴けて嬉しかった、と告げたら、このコ見覚えある、とユミさんよりお言葉を賜ってしまった。なんてこったありがたや。
あとは本当に、色々な雑談を横で聞いて、たまに合いの手を入れて、ファンとしてはとても貴重な時間を過ごさせてもらいました。ユミさんと友部さんが《すごく面白い》と話題にした本「戦争は女の顔をしていない」は、タイトルと内容に聞き覚えあるなーと思ったら、連れ合いが所有してて我が家に有りました。これは読むしかないな。
そうそう、新曲が聴けて嬉しかった、って僕のライブ感想のあとにユミさんが、先だって友部さんが初めて入院された時の話をされて、ユミさん曰く、《友くんにもし後遺症が残って歌えなくなったら、今ある新曲たちはこの世から消えてしまう》と、気が気じゃなかったそうです。
《だって、私はこれらの新曲をもう聴いていて、その存在を知っているのに、とも君がもし歌えなくなったら、全部消えちゃうんだよ?!。とも君が入院したっていうのに、真っ先にそんなこと考えてた》んですって。これは夫婦というよりもう、アーティストの才能を文化遺産のように守ろうとするプロデューサー&マネージャーの目線です。
で、退院してすぐレコーディングの手配をして、新曲の5曲を急いで録音したという。ため息しか出ないお話。これも愛の形。
この夜は23時をまわったところで、エスケリータを後にする友部さんたちをお見送りして、僕も帰路につきました。友部さんお疲れ様でした。来年は三回来てくれたら本当に嬉しいですよ。
帰る前に、10月29日のThe Endのエスケリータ公演の予約をしてきました。The Endをついにエスケリータで聴ける!中西こでんさんも出演されるのは嬉しい。ということで、10月はもう一回エスケリータに来れます。楽しみすぎる。
マシス