【潜在意識のセラピーと数学的感性とアドラー心理学】もっと「想い」を出しませんか?
本エッセイは、潜在意識や心理学を取り入れる
ことで、豊かで幸せな日常を送れるようになることを目的としています。
潜在意識を読みとり、鑑定に活かしておられる湶(いずみ)さんと協力して、執筆したエッセイとなります。
潜在意識やアドラー心理学、数学的な視点から書かれています。
あなたが幸せな毎日を送るために、
参考にしていただければ幸いです。
1.あなたの中にある風船
「もっと出したほうが、いいみたいですよ」
私(いずみ)が鑑定をしているとき、ふいに、そんなことを言い出すことがあります。
相談者の方が、無意識のうちに溜め込んでいる想いがあることをキャッチしたとき、そんなふうに伝えるのです。
率直に、
「なんでもいいからしゃべり倒すといいです」
と伝えることもあります。
とはいえ、相談者の方が無意識の領域で溜めていることなので、自身でも自覚がなく
「ハテナ?」
といった状態になることも、しばしばです。
ただ、何か糸口があって、いったんしゃべり始めると……
次々にしゃべり続けることもあります。
そして……
どんどんしゃべってもらうと、
「あ、もういいんだ」
という状態になります。
あなたの中にある風船が、パンパンに膨らんでいて、しゃべるという行為によって、シュ〜って小さくなったみたいに。
これは…
悩みを解決するとか、しないとかではなく、
「吐き出すこと」
それ自体に意味があるのです。
それは吐き出すことで体感として感じられます。
深いところで何かがスッキリしたと感じるからです。
無意識レベルで、「心を満たす、欲求を満たす」ということは大切なのです。
たとえば、
鑑定のときに私(いずみ)が、
「気になることとか悩みとかありますか?」
とお聞きしたとき、相談者の方が、
「悩みってないんですよね〜」
と言って、とりあえず、何気ない話しを始めて……
それでも、後半になると、話しが弾んできたりすることがあります。
心を通わせるとか、心で話しをするとか、そういう状態に近いように感じます。
そんなときね、
相談者の方自身が「たくさんしゃべって、吐き出すことで、気持ちが浄化された状態」になったことをキャッチすることがあります。
なにも深刻な悩みでなくてもいいのです。
無意識の領域にたまっていることを吐き出すことで、あなたの心は浄化されます。
悩みが風船のように膨らんでしまったときは、外に吐き出すことを意識してみましょう。
2.「公理」という考え方を意識しよう
普段の生活で、ストレスなどがチリのように、
心の中に積み重なってきます。
お部屋なら、そのつど掃除をしますよね。
それと同じで、
「話して吐き出す」
ということで、心に溜まったモヤモヤの発散になります。
このことは、心理学者のフロイトが発見しました。
患者にカウンセリングをしているとき…
相手が溜まっている悩みをどんどん吐き出すことで、気持ちが楽になるという現象を発見したのです。
このことは、フロイトが「無意識」の存在を発見するきっかけになったといいます。
さらに、数十年が経って、
セラピストのフレデリック・パールズが、
「心に溜まった感情を吐き出す」
ということを実践の柱にした「ゲシュタルトセラピー」を提唱しました。
「話して吐き出す」ということは、
想像以上に効果があるのです。
(なので、他の心理学の流派の人たちも、さりげなく、ゲシュタルトセラピーの方法を取り入れています)
ですから、普段の行動の指針として、
「話して吐き出す」
ということを意識してみてはいかがでしょうか?
〈 フレデリック・パールズ, 1893ー1970 〉
数学では「公理」という考え方があります。
心理学やスピリチュアルを実践する際、
公理という考え方は役立ちますので、
説明いたします。
「公理」というのは、
証明抜きに認める前提のことです。
たとえば、平面上に異なる2点AとBがあるとします。
このとき、この2点を通る直線を引くことができる。
これは、古代エジプトの数学者・ユークリッドが発見した公理です。
でもね、よく考えてみてください。
異なる2点を通るように、直線を引くことができるなんて、当たり前ですよね?!
あまりにも当たり前すぎて証明できない。
もしくは、証明抜きで、そこから理論をスタートする。
そんなイメージです。
古代ギリシャ数学で、そのような考え方が確立しました。
古代ギリシャ時代の数学を、ユークリッドがまとめて、『原論』という書物を発表しました。
そして、長い年月を経て…
1800年代にフランスの青年・ガロアが考えた、
「群論」という理論のアイデアをもとに、
現代数学では「公理」の考え方がさらにはっきりしました。
〈 エヴァリスト・ガロア, 1811ー1832 〉
ちょっと考えてほしいのですが、心理学というのは人の「心」を扱っています。
それがゆえに、自然科学などと違って、理論が正しいかどうか証明しにくい学問といえます。
だって、人の心がどこに存在するかどうかも分かってないですよね。
(心の正体といっても、その人の宗教的な価値観にもよりますし、科学的に証明できるものではないですよね!)
ですから、実践する際は、
その考え方が正しいかどうかというより、
それを実践することで自分が幸せになれるかどうか、という判断基準が望ましいといえます。
先ほどの例でいうと、
悩みが溜まってきたとき、「話して吐き出す」ことで気持ちが軽くなることが経験的に分かっています。
ということは、
「ストレスが溜まってきたときは、話して吐き出す」
ということを公理として、取り入れるというわけです。
自分自身の心得というわけです。
3.実践に役立つ他の公理は?
他にも、日々の実践に役立つ公理はあるでしょうか?
パールズは、「オープン」ということも大切にしました。
これは文字通り、「隠し事をせずに、正直に相手と接する」という意味です。
それによって豊かな人間関係が育まれるからです。
とはいえ…
これって、簡単に見えて、とてつもなく難しいことかもしれません。
自分のことを正直に話すのことは、勇気が入りますよね。
ただ、あなたが正直に話すということは、
あなたが思っている以上に、相手は好意的に受け止めてくれる、とパールズは言いました。
勇気を出して、普段から「オープン」を心がけてみませんか?
そう思うと…
「勇気」ということも公理(心得)として、採用したいですよね。
「勇気を出す」ということの他にも、
「勇気づけ」という言葉もあります。
・落ち込んでいる相手を勇気づける
・自分自身を勇気づける
どちらも大切です。
普段から、「勇気づけ」を意識することで、
プラスの波動を発することができます。
4.潜在意識の声を聴く秘訣は?
潜在意識の声とは、何なのだろう?
本エッセイでは「潜在意識」が大きなテーマです。
ここまでもお話ししてきましたが、さらに考えてみたい。
たとえば、何かを受けとるとき、「学び」と名付けたなら、これは学びなのだと一段むずかしく構えてしまいます。
一方、「心の声」もしくは「潜在意識の声」と名づけると…
心の声はどれだろう?
と思考が働いてしまい、自然な形から遠のいてしまうこともあるかと思われます。
幼き頃は、
「頭で考える」
「心で思う」
と2つに分けることなく、思ったことがそのまま心の声であり、頭で考えていたことではなかったでしょうか。
このプロセスを吟味してみますね。
大人になったいま、時にモヤモヤしたとき、
「自分は今モヤモヤしているなぁ」
→「何にモヤモヤしているのかなぁ」
と思い巡らせ(思考を働かせ)、
「あの時のあれが……」
と、考えをまとめているのではないでしょうか。
ただね…
残念なことに、だまされていることがあります。
実は、まとめた考えではなく、
まったく別なシチュエーションにて蓋をした感情や記憶がモヤモヤの親分であったりする。
それこそが本当の潜在意識の声なのです。
もっともらしく整理した考えに、だまされないでほしい!
前回のエッセイの私(いずみ)の例でいうと、
「雨の日が好きな理由は、きっと、1/f のゆらぎが理由に違いない。雨音のゆらぎって癒されるよね」
というのが、もっともらしくまとめた考えです。
でもそれは、本当の潜在意識からの想いではありませんでした!
(前回のエッセイは、こちらから)
心とは自由領域ですので、複雑にもなり、またよくわからない状態に陥ることもありますが、本来シンプルで清らかなのです。
どうかあなたも、潜在意識の声に耳を傾けてみませんか?
それが、あなたらしさを取り戻し、幸せな生活を送る秘訣です。
というわけで、本エッセイでは「潜在意識のセラピーと数学的感性とアドラー心理学」と題して、3回連続で発表させていただきました。
いかがでしたか?
あなたが何かを感じ取っていただけたなら、幸いです。
それでは、あなたが潜在意識の声を聴き、幸せに包まれることを願って、本エッセイを終わりたいと思います。
最後までお読みいただき、
ありがとうございます。
< これまでのエッセイ >
【潜在意識のセラピーと数学的感性とアドラー心理学】悩みが生じるプロセス
【潜在意識のセラピーと数学的感性とアドラー心理学】インナーチャイルドの想い
【執筆者の紹介】
■ 湶(いずみ)
占い師、鑑定士、セラピスト
姫路を拠点に、オンラインを含め、全国で活動している。
相談者の潜在意識を読みとり、幸せに生きるための気づきや助言を与える。高いスピリチュアルの感性を持つ。
また、現実的な視点からのカウンセリングも得意とする。
繊細な感性で悩みを聴き、相談者が前向きに進むためのサポートをしている。
■ 松岡 学
数学者、博士(学術)
高知工科大学 准教授
大学で研究や教育に携わる傍ら、一般向けの講座を行っている。
アドラー心理学の造詣も深く、数学の教育や一般向け講座に取り入れている。
最近は、スピリチュアルへの関心が高い。
音楽(J-POP)を聴くのが趣味。
ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。
出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。
『5歳からはじめるいつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。
『キララな恋愛や結婚生活を送るエッセンス』CLAP。
『アドラー心理学とスピリチュアルの境界で見つける本当の幸せ』ココCLAFT出版。
詳しいプロフィールはこちら
<お問合せ先>
※本エッセイの書籍化につきまして、
出版社様から、松岡学、いずみさんへの執筆(出版)の ご依頼は、
こちらから直接ご相談ください。
(商業出版のみ前向きにご検討させていただきます)
※企業様などからのお仕事のご依頼もこちらから。