【潜在意識のセラピーと数学的感性とアドラー心理学】悩みが生じるプロセス
本エッセイは、潜在意識や心理学を取り入れる
ことで、豊かで幸せな日常を送れるようになることを目的としています。
潜在意識を読みとり、鑑定に活かしておられる湶(いずみ)さんと協力して、執筆したエッセイとなります。
潜在意識やアドラー心理学、数学的な視点から書かれています。
あなたが幸せな毎日を送るために、
参考にしていただければ幸いです。
1.なぜ悩みは生じるのでしょうか?
物理学の「運動の法則」と同じように、心の世界にも「運動の法則」があることを、ご存知でしたか?
それをもとに、悩みへの対処について、考えてみましょう。
心理的なカウンセリングやセラピー、スピリチュアル、占いなど、様々なジャンルがありますが、人は悩みがあるからこそ、相手に相談をします。
まず根本的なテーマとして、悩みって何なのでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
この悩み、あなたの中の「何から」もしくは「どこから」生まれるのでしょうか?
生じた悩みに対し、幸せな日常を送るために、どのような心理学的なアプローチをすればいいのでしょうか?
私(いずみ)の占いを受けられる方々は、いろいろで、次の通りです。
・悩みがあって占いをする方。
・悩みはないけど占いが好きで楽しみにされる方。 ・占いを人生の舵取りに取り入れる方。
・たまたま、そこにいたから占いをされる方。
このとき、私は相手の方の潜在意識を読みとりながら、鑑定をしております。
そんな中、
悩みが生まれるプロセスについて、
これまでの経験をもとにして、私(いずみ)なりに、次のように定義しました。
「理想と現実が一致しない状態にストレスを感じ、そこから悩みが生じる」
つまり、悩みとは、心の中の「理想」と実際の「現実」とのギャップというわけです。
それが「悩み生産回路」なのです。
2.心理学の運動の法則から解釈できる
このことは、アドラー心理学の観点からも捉えることができます。
ここでは、私(松岡)から説明いたします。
アドラー心理学には「心の動き」を読みとるための「運動の法則」があります。
次のような法則です。
「人の心は理想的な目的に向かって、絶え間なく運動している」
心理学というと静的なイメージがあるかもしれませんが、アドラー心理学では心の動きを考察します。
物理学における「ニュートンの運動の法則」と区別するために、この法則を「アドラーの運動の法則」といいます。
物理学にも心理学にも、どちらにも「運動の法則」があるというのは、興味深いですよね。
「理想的な目的」というのを、別の言葉で「パーフェクション(完璧さ)」ということもあります。
アメリカのアドラー心理学者・マリーナ博士は、「完璧さ」という言葉をよく用います。
この言葉には美しい響きがあります。
ただ…
「完璧な理想」というのは、ある意味、はかないと思いませんか?
人は完璧さに憧れ、近づいても近づいても、たどり着けない。
「完璧な理想の状態」というのは、距離を縮めることはできても、たどり着くことはできない「理想郷」のようなもの。
これは、数学的には「極限」の概念となります。
完璧さへの極限といえるでしょう。
ニュートンの運動の法則にも、極限の概念は含まれています。
不思議なことに、「物理学の世界のニュートンの運動の法則」と「心理学の世界のアドラーの運動の法則」は、類似しているのです。
〈 アルフレッド・アドラー, 1870ー1937 〉
ちなみに…
ニュートンの運動の法則の1つ目を分かりやすい言葉でいうと、次のようになります。
「止まっている物体は止まり続け、動いている物体は同じ速さ同じ向きで動き続ける」
これは 1687年、ニュートンによる「プリンキピア」と呼ばれる有名な著書の中で発表されました。
これが近代物理学の出発点だと言われています。
その約230年にアドラー心理学が生まれました。
フロイトやユングの心理学もその時代に生まれました。
また、現在、スピリチュアルと呼ばれている分野も、フロイトたちの少し前に生まれました。
すなわち、
ニュートンが運動の法則を打ち立てて、近代物理学がスタートしてから、約200年後に、心理学やスピリチュアルが生まれたのです。
「200年後」というのが偶然なのか、必然なのか、興味深いところですが、本エッセイでは深入りせずに先に進みますね。
〈 アイザック・ニュートン, 1643ー1727 〉
それでは、「悩みの生成」の話に戻ります。
アドラーの運動の法則で考えると…
心というのは、運動しています。
「理想」と「現実」のはざまを、動いているということ。
このとき、
心の運動が目指している「理想」と、現在置かれている「現実」がズレていて、
しかも、そのズレを修正するために、どのように対処すればいいか迷っている、
そんな状態から「悩み」が生み出されると解釈できます。
先ほどの
「理想と現実が一致しない状態にストレスを感じ、そこから悩みが生じる」
というのは、アドラー心理学の運動の法則からも説明できるのです。
3.日常の「悩み」に当てはめてみる
それでは、これらの理論を具体的に考えてみましょう。
悩みのひとつの源として、心的ストレスがあります。
たとえば……。
・彼氏/彼女がほしい
・夫/妻に不満がある
・給料がUPしてほしい
・職場の人間関係がうまくいっていない
・人生の選択に迷っている
それほど大きなことではないにしろ、
「ちょっと、こうなりたいな〜」
と思い描く理想像のようなものと、今の状況・環境がかけ離れているストレス。
なぜ?
どうしたらいい?
ひとつの悩みを何年も持ち続けると、いつしか諦め心になることは少なくありません
では……。
悩みを諦める?
悲しいかな、人とはそういうもののようです。
このとき……。
悲しい気持ちを抱いたままの諦めでは、精神的にネガティブな影響を受けてしまいます。
実際のところ、
マイナスの気持ちのまま諦めたことで、心の中に「理想」や「欲求」がくすぶる火のように在り続けている状態になっている人を、私(いずみ)は見かけることがあります。
スピリチュアルな言い方をするなら…
心の中に潜む『くすぶる火』は形を変えて、来世へと持ち越すこともありますので、注意が必要です。
悩みにとりこまれ、深刻な雰囲気で相談に来られる方もいます。
そんなとき、私(いずみ)からの助言として、
「自分の思い通りにしようとしないこと」をお勧めすることがあります。
その意味ですが、キーワード的にいうなら、
「自分の思い通り」ではなく、「自分らしさ」ということ。
あなたが自分らしいと思える状態に、自分を戻すということです。
まずはそこから始めませんか?
そんなお勧めです。
4.生じた「悩み」に、どう向き合うか?
このように生じてきた悩みに対し、どうすればいいのか?
私(松岡)から、アドラー心理学の視点から説明いたします。
アドラー心理学のセラピーやカウンセリングの場合、先ほどの「アドラーの運動の法則」に、具体的にあてはめて考えます。
具体的には、
自分自身(もしくは、相談者の方)の
・現在の状況
・理想的な目標
・アプローチするための手段
・強み
・信念
・価値観
などを見つめて、吟味することになります。
このとき、最初に明確にしたいのは「現在の状況」と「理想的な目標」です。
この「理想的な目標」というのは、無意識のうちに心に思い描いていることもありますので、それを潜在意識の中から抽出する必要があります。
次に、その人に合った「アプローチするための手段」を見つける作業に入ります。
人によって、価値観や信念、物事への捉え方は異なりますので、これらの作業には抽象的な思考が必要となります。
抽象的な思考というのは、数学的な感性ですよね。
ただ、それだけでなく、セラピストのほうに温かいハートがないと、相談者の方は安心できないでしょう。
そして、解決するための方法が見つかったとき、相手の方が、それを行動に移す勇気を持てるように、セラピストのほうはサポートします。
それがアドラー心理学の勇気づけ。
すなわち、
「ハート」と「勇気」と「抽象的な思考力」
それが、幸せになるための秘訣です。
まとめると、
具体的な悩みに対して、アドラーの運動の法則の観点から、「現在の状況」と「理想的な目標」を読み解き、
その人の価値観や信念、物事への捉え方などを考慮しながら、
「アプローチするための手段」を考えていくというわけです。
そのとき、抽象的な思考力や温かハート、
実行に移すための勇気(もしくは、勇気づけ)が必要になってきます。
まさに主観と客観が織りなすプロセス。
悩みを抱えたときは、悩みが悩みを生む負のスパイラルにはまらないことです。
いい意味で吹っ切れたり、望みのある楽しい解決法を探したいものですよね。
「意識的な悩み」もしくは「無意識的な悩み」と向き合われるときの参考にしていただければと思います。
【執筆者の紹介】
■ 湶(いずみ)
占い師、鑑定士、セラピスト
姫路を拠点に、オンラインを含め、全国で活動している。
相談者の潜在意識を読みとり、幸せに生きるための気づきや助言を与える。高いスピリチュアルの感性を持つ。
また、現実的な視点からのカウンセリングも得意とする。
繊細な感性で悩みを聴き、相談者が前向きに進むためのサポートをしている。
■ 松岡 学
数学者、博士(学術)
高知工科大学 准教授
大学で研究や教育に携わる傍ら、一般向けの講座を行っている。
アドラー心理学の造詣も深く、数学の教育や一般向け講座に取り入れている。
最近は、スピリチュアルへの関心が高い。
音楽(J-POP)を聴くのが趣味。
ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。
出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。
『5歳からはじめるいつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。
『キララな恋愛や結婚生活を送るエッセンス』CLAP。
『アドラー心理学とスピリチュアルの境界で見つける本当の幸せ』ココCLAFT出版。
詳しいプロフィールはこちら
<お問合せ先>
※本エッセイの書籍化につきまして、
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