2022年12月の初め、
マリーナによるアドラー心理学の講義を受けました。
アメリカと日本を結んだオンライン講座
このときのテーマは、
アドラー心理学に応用するソクラテスの対話法
< 以前、対面で受けた時の写真 >
< 今回はオンラインの講座でした >
実は、
以前から私には、ささやかな疑問がありました。
それは、、
現代のアドラー心理学における理性的な手法は、
どこから来たのだろう?
という疑問でした。
もちろん、心理学は学問である以上、
論理的なのは当然なのですが、
それにしても、特にアドラー心理学からは
理性的に対処する雰囲気を感じていました。
< 朝、ホットコーヒーを買って、講座に臨みました >
< 本格的な冬が到来する直前、公園にはイチョウの葉が落ちています >
そんなささやかな疑問が、
マリーナの講義を受けて、晴れました。
アドラー心理学の手法には、、
古代ギリシャのソクラテス式問答法が
理性的な形で取り入れられていたのでした。
そんなことから、
講義で学んだ「ソクラテス的」な手法が、
私にとっては極めて「アドラー的」に感じられました。
つまり、もはやソクラテス的な手法は、
キレイにアドラー心理学の中に溶け込んでいるというわけです。
古代ギリシャの考えが、
現代の心理学に受け継がれているというのは興味深いと思いました。
< ソクラテス >
< アドラー >
そういえば、
数学と古代ギリシャはどうだろうか?
数学についても、
古代ギリシャ時代は重要な意味があります。
起源としては、
古代メソポタミア文明の頃から数学はありましたが、
古代ギリシャ時代に大きな転換を迎えます。
それは「証明」の概念の登場です。
古代メソポタミアにおいても、
かなり数学が発達していましたが、
あくまで計算が中心でした。
いくつかの仮定や公理から出発し、
論証を積み重ねて、定理を証明する、
という手法が古代ギリシャ時代に整備されたのです。
その典型が、ユークリッド幾何学です。
ユークリッド幾何はその後、約2000年ものあいだ、
数学の教育では中心的な題材になりました。
すなわち、
アドラーが生きていた時代まで、
ユークリッド幾何は数学教育の中心だったのです。
ユークリッドの他にも、古代ギリシャ時代には、
ピタゴラスやアルキメデスなど、様々な数学者が活躍しました。
数学が豊かに花開いた古き良き時代。
< ユークリッド >
< ピタゴラス >
< アルキメデス >
その後、
数学教育の中心は、
ユークリッド幾何から微分積分学へと移り変わりました。
このように、
数学における「証明」の概念は、
古代ギリシャが起源となります。
証明とはある意味、
論理的な考察により正しいかどうかを吟味する行為。
とても理性的な営みです。
そう思うと、
古代ギリシャの理性的な問答法が
現代アドラー心理学の手法に生かされているというのは、
とても興味深いと思いました。
哲学としてソクラテスが始めた問答法が、
約2000年の時を経て、
心理学としてアドラー心理学に取り入れられている。
私は、マリーナの講義を受けて、
古代ギリシャに想いをはせました。
< 古代ギリシャ、パルテノン神殿 >
午後、
講義のあと、
遠方から京都に訪ねてきてくださった方がいました。
私の自宅近くまで来てくださったので、
待ち合わせをして、
2人でカフェに行き、
まったりした時間を過ごしました。
< 上品なカフェでひとやすみ >
< その日の私 >
< 時間を忘れて夕方まで、カフェでゆったりしました >
< その方に、シュトーレンをプレゼントさせていただきました >
こんなにゆったりするのは久しぶり。
夜は、
スピリチュアルな感覚になる六角スタバでひとやすみ。
まだ3週間もあるのに、
街はすっかりクリスマスの雰囲気でした。
< 六角スタバ >
午前中は、マリーナの講義で、
古代ギリシャに思いをはせ、
午後からはカフェをめぐって、
まったりスピリチュアルに過ごした1日でした。
ありがとうございます。
【エッセイの執筆者】
松岡 学
高知工科大学 准教授、博士 (学術)
数学者、数学教育学者
大学で研究や教育に携わる傍ら、
一般向けの講座を行っている。
アドラー心理学の造詣も深く、
数学の教育や一般向け講座に取り入れている。
音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。
ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。
出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。
『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。
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