アプローチの仕方は人生も数学も同じ ~ グロタンディーク ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

何か行動したいとき、

 

自分のアプローチの仕方の特徴を

知っておくといいですよね。

 

強み

 

というのでしょうか。

 

自分なりの手段や方法を知っておくと、

物事をスムーズに進めるのに役立ちます。

 

 

今回は、そんなことを考えてみます。

 

 

 

 

物事のアプローチの仕方は人によって違います。

 

アドラー心理学では、

 

人の行動は主観的であり、

アプローチの仕方もさまざまである

 

と考えます。

 

主観的

 

というのが鍵です。

 
 
人によって考え方や価値観は違います。
 
 
だから行動の仕方も、
人によって違いますよね。
 
 
しかも、、
 
 
行動のパターンは無意識のうちにでているので、
本人も自分の傾向に気づいていなかったりします。
 
 
 
 
そんな主観的な人の行動ですが、
 
 
ここでは、

 

数学者のグロタンディークの言葉をもとに、

物事のアプローチの仕方について考えていきます。

 

グロタンディークは数学の世界で

力強く前進したフランスの数学者。

 

数学にはノーベル賞がありませんが、

それに相当するフィールズ賞があります。

 

グロタンディークはフィールズ賞を受賞したというだけでなく、

 

フィールズ賞を何度もとれるくらいの

ものすごい業績を残した数学者なのです!

 

 

怒涛の洪水のようにすべてを押し流して、

力強く進んでゆく

 

数学者の広中平祐氏は、そのような意味の言葉で、

グロタンディークの凄まじさを述べました。

 

(正確な表現は忘れましたが、

そのような意味のことを本に書いておられました)

 

 

広中平祐氏もフィールズ賞を受賞した世界的な数学者。

 

そんな広中平祐氏から見ても、

グロタンディークは圧倒的だということです!

 

 

しかし、、、

 

そんな力強いイメージとは裏腹に、

 

 

彼の数学へのアプローチはゆるやかだったと

本人は言っています。

 

 

 

 

 

グロタンディークは、物事へのアプローチを、

大きな視点から見てに分けました。

 

 

何か目標があったとき、

 

力強く、

目標に向かってまっすぐ進むのを、

 

陽のアプローチ

 

と呼び、

 

それに反して、

 

ゆるやかに、柔らかく、じわじわ進むのを、

 

陰のアプローチ

 

とグロタンディークは言いました。

 

 

たとえば、、、

 

目の前に木の実があって、

硬い殻を割らなければ、食べれないとします。

 

そんなとき、

 

カナヅチでガツンと割って、

実を取り出すのが陽のアプローチ。

 

それに比べて、

 

もっと柔らかいアプローチ。

 

木の実を水の中に何日もつけておいて、

殻が取りやすくなるまで待ってみるとか、

 

そんな変化球のアプローチが陰のアプローチ。

 

 

 

 

そう考えたとき、

 

グロタンディークは、

 
自分は日常では陽のアプローチだけど、
数学をするときは陰のアプローチになる
 
と言うのです。

 

 

とても興味深いです。

 

 

では、、、

 

グロタンディークが数学をするときに、

どんな傾向があったのでしょうか?

 

 

彼は数学をする際の

内面に秘めた傾向を

 

謙虚さ

奉仕の態度

 

という2つのキーワードで表現しています。

 

 

グロタンディークは、次のように言います。

 

 

・「謙虚さ」について

 

今まで誰も注目しようとしなかった、

実に単純な、

実にバカ気たものに見えることがらを

見ること

 

また、

 

ばか者だと思われるのではないかという

恐れをもたずに、

描くこと

 

 

謙虚さがあるゆえに、

これらのことができると、

グロタンディークは言いました。

 

 

これは、、、

 

自分が興味を持ったことは、

たとえ誰からも注目されていないことでも、

 

バカにされるのではないか

という不安も持たずに、

 

やってみる。

 

ということです。

 

 

・「奉仕の態度」について

 

ほらここにあるよ

これであなたは好きなようにすればよいでしょう!

と二行だけ書く代わりに十ページを費やす

あるいは一万ページさえ費やす

 

また、

 

もっと大切な仕事にこと欠かない人が、

まる1日費やす、

 

あるいは、

必要なら生涯全体を費やす。

 

 

これが奉仕の態度だと言います。

 

他の人の立場になって

貢献という姿勢で、やるということ。

 

 

グロタンディークは

この2つのことに対して、、、

 

必要な時間だけ、

必要なら孤独の中で、

 

糧を与え、

生み出していく

 

と言います。

 

 

 

 

グロタンディークの言葉を

もう少し分かりやすく翻訳すると、、

 

たとえば、数学の世界で未知の問題があったとします。

 

その問題は、他の人からすれば、

 

とるにたりない

つまらない問題

 

のように見えていたとします。

 

 

が、、、

 

他人の目を気にせずに、

 

自分が興味を持った問題ならやってみる

 

ということ。

 

 

もしかすると、

 

そこから、偉大な発見があるかもしれません。

 

 

ただ、、、

 

偉大な発見をするとか、しないとか

そんなこととは関係なく、

 

謙虚な気持ちで、

 

純粋にやってみる

 

ということです。

 

 

また、、、

 

難しそうな短い論文があったとします。

 

難しいし、説明が少ないので、

他の人々が読みにくい。

 

そんなとき、

 

分かりやすい、長い解説をつけて、

誰でもその論文が読めるようにする

 

ということ。

 

 

すでに分かっていることに、

長い解説をつけたとしても

 

自分の業績になるわけではないですよね。

 

もちろん、ノーベル賞とも関係ありません。

 

だからこそ、

 

奉仕の態度

 

だと、グロタンディークは言うのです。

 

 

貴重な発見は、

より多くの人々にオープンにする

 

という姿勢です。

 

 

しかも、、、

 

彼は、

 

孤独に耐えて、

多くの時間を費やし、

 

やり続ける。

 

 

そんな精神力の強さがあります。

 

 

< グロタンディーク >

 

 

「謙虚さ」や「奉仕の態度」って、

 

数学だけじゃなくて、

人生でも大切ですよね。

 

 

 

そういえば、、、

 

アドラーも、

 

カウンセラーやセラピストの心がまえとして、

 

謙虚さ

 

を挙げています。

 

 

最近、ネットSNSの発達で、

自分をどんどんアピールする時代になり、

 

必要以上に自分を大きく見せている人たちが

多いように思います。

 

そんな時代だからこそ、

 

「謙虚さ」ということが、

大切だと思います。

 

 

 

また、

 

アドラー心理学では、

 

貢献

 

ということを最も大切にします。

 

相手と争い、打ち負かすという

競合的な姿勢ではなく、

 

相手を尊重し、信頼し合えるような

協力的な姿勢を大事にするのです。

 

他者への貢献

 

ということです。

 

これがアドラー心理学のになります。

 

 

< アドラー >

 

 

あなたはどうでしょうか?

 

物事へのアプローチにはどんな傾向がありますか?

 

陽のアプローチでしょうか?

陰のアプローチでしょうか?

 

 

仕事に対して、

対人関係に対して、

趣味に対して、

 

など、それぞれの状況によって、

陽であったり、陰であったり、

 

それに、

 

同じ陰であったとしても、

人によってアプローチの仕方は違いますよね。

 

 

これは、

 

どちらが良い、悪いではなく、

 

自分の傾向や強みを

ちゃんと理解し、

 

自分らしさ

 

を失わずに前に進むことが

大切だということです。

 

 

あなたも物事のアプローチの仕方について、

意識してみてはいかがでしょうか。

 

前に進むときの指針を与えてくれると思います。

 

 

 

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■ 私の本 『数の世界』 について

 

私の本では、実数から八元数までの

「数の広がり」 について、詳しく書かれています。

 

実数、複素数、四元数、八元数は、

1次元、2次元、4次元、8次元の数とみなすことができます。

 

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