相手への気持ちが分からないときは? ~ 恋愛や結婚のコラム ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

いきなりですが、

 

恋愛や結婚で、

 

相手への気持ちが分からない

 

ということは、ありませんか?

 

 

付き合い始めの不安定な時期だと、

相手のことが本当に好きなのかなぁ?

と悩んだり、

 

逆に、

 

恋愛期間や結婚生活が長いと、

好きというより当たり前のような感覚になったり、

 

好きって一体なんなのでしょうね。

 

 

今回はそんなときにどうすればいいのかを、

アドラー心理学的に考えてみます。

 

 

 

 

こんなときどうすればいいのか、

ドライカースがとても深いことを言っています。

 

ドライカースはアドラーの後継者で、

アドラー心理学をアメリカで広めた人です。

 

ドライカースは積極的に活動をして、

特に、教育の分野にアドラー心理学を導入しました。

 

 

ドライカースはについて、

次の言葉を残しています。

 

 

「愛とは感情ではない。愛とは関係性である」

 

(Love is not an emotion. Love is a relationship.)

 

 

パッと聞いただけでは、

 

意味が分かりにくいところもあるので、

説明させていただきます。

 

 

後半の 関係性 の意味ですが、

日本語に訳すと関係となるのですが、

 

元の英語が relation ではなくて、

relationship を使っていることから、

 

単なる関係ではなく、

 

親しさ

つながり

親密さ

 

といったニュアンスが含まれています。

 

 

このことが分かれば、

ドライカースの言葉の意味が少し見えてきます。

 

つまり、

 

相手のことが好きかどうかという感情ではなくて、

相手との親しい関係の中に愛が潜んでいる

 

ということです。

 

 

ニュアンスとしては、日本語に直すとき、

『絆』 と訳してもいいと思います。

 

つまり、

 

相手が好きかどうかを気にするのではなく、

相手と絆を深めることが大切である

 

ということです。

 

 

さらに、

 

絆の深め方ですが、

アドラー心理学の文脈で考えると、

 

相手と 協力的な関係 を築くことで、

絆を深めることが大切であると読みとれます。

 

たとえば、

 

相手の話を誠実に聴く

言い争いにならないように意識する

相手が困っていたら手助けをする

相手が自分で出来そうなことは、信じて見守る

 

 

このようなことを心がければ、

協力的な関係が育まれていくと、

アドラー心理学では考えます。

 

 

すなわち、

 

関係性

 

という言葉の裏側に、

 

親しさ

協力的な関係

 

といった意味が含まれているのです。

 

 

とても知性的な言葉ですね。

 

私は、愛を育むには、

優しさ と 知性 が大切なのかなと思っています。

 

 

 

 

あなたはどうですか?

 

 

もし、あなたがパートナーとの付き合い方で迷っているのなら、

 

普段の生活の中で、

 

相手との協力的な関係を築くことから始めてみませんか?

 

 

そのときに、1つ心に留めてほしいことがあります。

 

それは、

 

相手に協力的な関係を期待するのではなくて、

まず自分から、相手に思いやりを注ぐということです。

 

 

まず自分から

 

 

というのが、合言葉です。

 

 

もし、

 

お互いが、相手にばかり期待していたとしたら、

何かあったとき、相手のせいにしていたとしたら、

 

2人の関係がうまくいくはずがありません。

 

 

 

私の好きな言葉で、

 

「砂粒を磨く」

 

というのがあります。

 

これは日本にアドラー心理学を広めた

野田俊作さんの言葉です。

 

これは、

 

小さな行動をこつこつ変えていくことで、

やがて、大きな変化がもたらされるという意味です。

 

 

 

 

では、

 

具体的には、どうすればいいのでしょうか?

 

 

協力的な関係や絆といっても、

 

あまり大げさに考えずに、

日常のちょとしたことでいいのです。

 

 

たとえば、

 

夫婦の間で、燃えるごみや燃えないごみなどの

「ゴミ出し」 は旦那の役割だと決めてあったとします。

 

ところが、忘れっぽい旦那で、

朝、ゴミ出しをせずに仕事に出かけようとしたとします。

 

そのとき、

 

次のように言葉をかけたら、どうでしょうか?

 

 

「ちゃんとゴミを出してから行ってよ!」

「忘れっぽい人ね!」

「何回言えばわかるの!!」

 

 

うっかり忘れたのは旦那のほうですが、

いざこんな風に言われたら、さすがにムッとします。

 

旦那のほうも、

 

「こっちだって、出勤前で急いでいるんだよ!」

 

と言い返したくなるものです。

 

 

じゃあ、どうすればいいのでしょうか?

 

 

そんなとき、

 

まず、最初にすべきことは、

イライラする感情を抑えることです。

 

深呼吸して、気持ちを落ち着けたら、

 

笑顔で優しく

 

「いつもお疲れさまです!

 急いでいるのね。

 

 今日は私がゴミを出しておくから、

 お仕事頑張ってきてね!」

 

 

と声をかけたらどうでしょう。

 

 

そうすれば、旦那も内心申し訳ないと思い、

次回からはちゃんと忘れずに、ゴミを出してくれると思います。

 

それに、ケンカもせずにすみますし、

仲が深まるかもしれませんね。

 

 

『まずは自分から』

 

 

日常生活のゴミ出しの言葉かけ

というようなちょっとしたことですが、

 

協力的な関係

親しい気持ち

 

を意識して、こちらの行動を変えることで、

2人の関係は少しずつ変わってきます。

 

 

このようにちょっとしたことから

具体的な行動 (行為) を少しずつ変えていくことを

『砂粒を磨く』 と言うのです。

 

 

ちょっとしたことと書きましたが、

いざ、自分の行動を変えるには、

実は、大きな勇気が必要なのですけどね。

 

小さな行動を変えることに、大きな勇気でのぞむ

 

ということです。

 

 

 

 

あなたもぜひ、小さな 『協力』 を

こつこつ積み重ねることを意識してみてください。

 

大きなことを考える必要はないのです。

 

 

 

プロ野球の言葉で、

 

ヒットの延長がホームラン

 

というのがあります。

 

 

これは、

 

ホームランばかり追い求めて、

大振りをしていては三振をするが、

 

そうではなくて、ヒットを打つ気持ちで、

バットの芯に当てることを意識すれば、

その結果として、ホームランになる

 

という意味です。

 

 

今の場合と似ていますね。

 

 

つまり、

 

相手のことが好きかどうか分からない、

という感情としての愛ばかり追い求めていても、

 

感情としての愛は、目に見えないので、

実感がなかなか湧かない。

 

それよりも、

 

協力的で親しい関係をこつこつと育んでいけば、

気がつけば、そこに愛がある

 

ということです。

 

 

というわけで、

 

相手への気持ちが分からないときは、

協力的で親しい関係から始めてみましょう。

 

きっと何かが変わるはず。

 

 

 

【コラムの執筆者】

 

 

松岡 学

 

高知工科大学 准教授、博士 (学術)

数学者、数学教育学者

 

大学で研究や教育に携わる傍ら、

一般向けの講座を行っている。

 

アドラー心理学の造詣も深く、

数学の教育や一般向け講座に取り入れている。

 

音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。

ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。

 

出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。 

『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。

 

 

 

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