セカオワと「居場所」について ~ 小説 『ふたご』 の感想を交えて ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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SEKAI NO OWARI (以下、セカオワ) って不思議なバンドだと思う。

深瀬くんとさおりさんが仲良すぎじゃない? とか、

DJ LOVE はどうしてピエロのマスクをかぶっているのだろう? とか、

そんな中、ナカジンは真面目でいい人そうだなぁ、 とか、

 

メンバーそれぞれの個性が際立っていて、話題につきません。

 

特に深瀬くんは、拡声器みたいなので歌ってたり、あのメイクは何??

みたいな、ちょっとおかしな存在のようにも見えます。

 

それでいて、楽曲がポップでファンタジック、

まさに国民的バンドといってもいいと思う。

 

 

その分、アンチが多いことも知っているけど、

私はそんなことはまったく気にならない!

 

なぜなら、

 

私はインディーズの頃から、彼らの音楽を見守ってきて、、

彼らの変化や進化をとげて、いろいろあった末に、

今のスタイルにたどり着いた軌跡を見てきているからです。

 

だから、人気が出てきた頃に、表面だけを見て、

批判する人たちの声は、まったく薄っぺらく聞こえるのです。

 

 

 

 

あのね、、

 

アドラー心理学では「居場所」を大切にします。

 

セカオワのことを考えていたら、

そんなことを思い出しました。

 

 

それでね、、


セカオワの原点はなんなのだろう?

 


ある日、そんなことを考えていたら、
ある小さなライブハウスのことが思い浮かんだのです。

あれは、、


セカオワがまだデビューする前の頃、

毎回、ライブハウスを借りて演奏するのではなく、

 

自分たちでライブハウスを作ろう!

 

と考えました。

 

彼らは印刷工場の地下室を借りて、手作りで内装を整えて、

小さなライブハウスを作り上げます。

費用は、全部で500~600万円かかったそうですが、

当時、メンバーは6万円しか持っておらず、
それぞれが200万円近く借金をしたそうです。


バイト代はすべて借金返済にあてて、

メンバーは節約生活をしていたそうです。

 

安いひき肉で毎日カレーとか。

 

このように苦労を重ねて完成したライブハウスは、

club EARTH と名づけられました。

 

そこでは、

 

夜にライブを行い、その他の時間は

メンバー4人で共同生活をしていました。

 

自分たちでライブハウスを作ろうという発想や、

努力や苦労もすごいと思うけど、

 

さらに、そこで共同生活までするなんて!

 

 

他のどんなバンドもやってないようなことをしていて、

凄まじいと思います。

 

アンチの人は、こういうところが、

まるでアニメやマンガの世界みたいで嫌いみたいだけど、

 

そのアニメやマンガの世界を、

実際に現実にやりとげているのがすごい!

 

自分たちの強い意志を持って、まっすぐ行動して、

着実に前に進んできている。

 

私はそんな彼らが立派だと思う。  

 


< club EARTH、ステージ上の時計が印象的です >

 


そういえば、

さおりさんによる小説 『ふたご』 の中でも、
似たような場面が登場する。

 


小説の中で、男の子3人がバンドを始めようとして、
主人公の女の子と一緒に地下室を借ります。

 

まだ音楽活動の準備も出来ていないのに、

リーダーの男の子(深瀬くん?)は、

メンバーをしきりに地下室に誘います。


「何しに行くの?」


と女の子(さおりさん?)が聞くと、

「何しにとかじゃないんだよ
 こういうことは、時間を共有しないと始まらないんだよ」


と男の子(深瀬くん?)はいいます。

 

 

音楽活動と関係なさそうな男の子の発言に、

最初は、どういうことなんだろう??

と思うかもしれませんが、

 

よく考えると、この男の子のいうとおりなんです。


人って、不思議なことに、

 

会わない時間が長くなると、その人の優先順位は下がっていきます。

優先順位が下がると、自然に疎遠になっていきます。

疎遠になると、だんだん関係が切れていくのです。

 

だからこそ、

 

何か用事があるときじゃなくても、
一緒に 「時間を共有する」 こと自体が大切なのです。



小説には、こんな場面もありました。

まだ楽器もない地下室で、キャンプ用の長イスにもたれて
楽しそうにはしゃいでいる男の子3人に、

女の子があきれて、


「バンドって、こんなことしなきゃできないの?」


と聞くと、

男の子は、


「バンドは、こんなことしなきゃできないんだよ」


と答えます。

彼らがやっていることは、通常の道筋と比べると、
遠回りであることは間違いないと、女の子は心の中で思います。

それは、

まだギターもベースもドラムもない地下室で、
キャンプ用のイスに座って、はしゃいでいるだけだから、

音楽活動とはいえないからです。


ただ、その男の子はいいます。

今まで何度かバンドをやってきたけど、
1週間に数時間スタジオに入ったくらいでは
うまくいかなかった。

だから、

いつでもみんなが集まれる空間を作りたい

 

 

<さおりさんによる小説 『ふたご』、

 黄色いカバーが鮮やかです>

 


私は小説を読みながら、
この男の子(深瀬くん?)の言う通りだと思い、

深く感銘をうけました。

 


用がなくても、

ふらっと集まれるような場所
時間を共有できる空間


つまり、メンバーにとってその空間は、

『居場所』

だったのです。


小説を読みながら、

私はそこに実際のセカオワの姿を重ねていました。

 

ときおり、読みながら涙が出てきました。

 

おそらく、小説の細かい設定はフィクションだと思いますが、

大きな流れやメンバーの気持ちのやりとりは、

実際のセカオワの姿をもとに描いているのだと思う。

 

小説を読み終わって、

私がセカオワの音楽や世界観、活動の姿勢に

強くひかれる理由が分かったような気になりました。

 


人気バンドになった今でも、
セカオワのメンバーは共同生活をしています。

club EARTH とは別の場所、

セカオワハウスで一緒に生活をしているのです。

そして、

同じ家で普通に起きて、
同じ車で仕事に行って、

 

そして、

 

一緒にご飯を食べてから、
同じ家に帰ってくる


という日々を送っている。

 


なんだかほのぼのしているというか、

普段、私たちが忘れかけている何か大切なことを、
思い起こさせてくれるように感じます。

バンドとしてブレイクしてからも、

メンバー感の 『繋がり』 『絆』 を大切にしている
セカオワの姿勢は、とても素敵だと思います。

 

 

2017年 秋   記 : 松岡学

 

 

 

■ 音楽のかからない音楽番組

 

今回の放送では、

 

セカオワ、川崎鷹也さん、大瀧詠一さん

について熱く語っています!

 

ぜひお聴きください!

 

 

 

■ 執筆者 : 松岡 学

 

 

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